6月13日の水門たち
(『6月13日のトリさん』のつづき)
●雨降り続きで当然お出かけもできないので、いったん締めた6月13日の項を再開させていただきましょう。いずれもおなじみの顔ぶればかりですが、近況のスナップとしてご覧いただければ幸いです。
「たい焼きが電気ショックでシビレている」絵柄、と妄想解釈して早や12年、変わらぬ姿を見せてくれる古川水門を少し引き気味な位置から。こちらは防潮堤の外側とてテラスはありませんが、かえって水門の存在感は強調されて、硬質ないい雰囲気です。

●運河畔の開発著しく、周辺は大いに賑わっている天王洲水門を構造側から見て。紺色の塗色はまだつやがありますし、梁に施された三角形の模様が効いていて、引き締まった美しさを感じさせるのですが、くぐってスキンプレートを振り返ってみると‥‥。

●継手の下端から昇ってきた錆が、何ともうらぶれた雰囲気で、少々哀れに思えるほど。絵柄の是非はともかく、地色がグレーということもあるのでしょうか、どこか間延びしたような感じがして、裏面とは対照的な風貌ですよね。
芝浦運河地帯周辺の水門て、日の出水門や目黒川水門みたいに、構造側に小さな絵がペイントされているとか(『日の出水門のウラ事情』参照)どこかバランスを欠いた謎の行動(?)がいくつか見られ、以前から気になっているのですが、天王洲水門も少しそのケがあるように感じられ、興味を引かれます。
●曇り空の下、汐留のビル街をバックにうっそりと立つ、汐留川水門。巻上機室と扉体は数年前に更新(『27年度川走り納め…9』参照)されましたが、左に併設されたぬめっとした不思議な外観の、排水機場の配管ケーシングは以前のまま。
浜離宮前水面‥‥築地川、汐留川の排水を担う重要な施設ですから、おいそれといじるわけにはいかないのでしょうが、周囲の水門も更新が進む折柄、外見だけでも考えられていいころですね。

●数少ないスイングゲート、築地川水門。ローラーゲートなら頭上に仰ぐ扉体も、通航しつつ触れるくらい間近に感じられるのは、このタイプのいいところ。湛水線から上の塗色はまだ鮮やかで、光量の少ない曇天ながら、目に沁みるような快さがありました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年6月13日撮影)
(『曳船の操舵席に吸い寄せられて』につづく)

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「たい焼きが電気ショックでシビレている」絵柄、と妄想解釈して早や12年、変わらぬ姿を見せてくれる古川水門を少し引き気味な位置から。こちらは防潮堤の外側とてテラスはありませんが、かえって水門の存在感は強調されて、硬質ないい雰囲気です。

●運河畔の開発著しく、周辺は大いに賑わっている天王洲水門を構造側から見て。紺色の塗色はまだつやがありますし、梁に施された三角形の模様が効いていて、引き締まった美しさを感じさせるのですが、くぐってスキンプレートを振り返ってみると‥‥。

●継手の下端から昇ってきた錆が、何ともうらぶれた雰囲気で、少々哀れに思えるほど。絵柄の是非はともかく、地色がグレーということもあるのでしょうか、どこか間延びしたような感じがして、裏面とは対照的な風貌ですよね。
芝浦運河地帯周辺の水門て、日の出水門や目黒川水門みたいに、構造側に小さな絵がペイントされているとか(『日の出水門のウラ事情』参照)どこかバランスを欠いた謎の行動(?)がいくつか見られ、以前から気になっているのですが、天王洲水門も少しそのケがあるように感じられ、興味を引かれます。

浜離宮前水面‥‥築地川、汐留川の排水を担う重要な施設ですから、おいそれといじるわけにはいかないのでしょうが、周囲の水門も更新が進む折柄、外見だけでも考えられていいころですね。

●数少ないスイングゲート、築地川水門。ローラーゲートなら頭上に仰ぐ扉体も、通航しつつ触れるくらい間近に感じられるのは、このタイプのいいところ。湛水線から上の塗色はまだ鮮やかで、光量の少ない曇天ながら、目に沁みるような快さがありました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年6月13日撮影)
(『曳船の操舵席に吸い寄せられて』につづく)

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6月13日のフネブネ…3
(『6月13日のフネブネ…2』のつづき)
●浜離宮前水面、汐留川水門を入ってすぐ左の水上バス繋留場、Googleマップでは「竹芝地区船着場(ウォーターズ竹芝前)」と表示される船溜ですが、この日は3隻がもやっていました。
そのうち2隻、「海舟」と「ヒミコ」がなかよく舷を接して憩う姿をスナップ。真後ろから見ると扁平さが強調されて、河用客船らしさが際立つ好きな角度です。

●京浜運河は湾岸署前で、ズラリと並ぶ同型艇に目を引かれて一枚。4隻揃って寸毫の違いも見出せないさま、「マスプロ」という言葉が、脊髄反射で脳裏に思い浮かぶような光景ではあります。
警備艇も既製艇が増えてきましたが、仕様変更の少ないプレジャーの転用、しかも小型とあって用途は限られそう。舷側に表記される固有艇名もなく、「OP4」といったハルナンバーだけなのも、今までの警備艇と違った扱いを感じさせますね。オリンピックの警備などで、臨時に増備されたものなのでしょうか。

●天王洲運河東口の北側角、海洋大品川(旧水産大)のポンドには、漁業実習船、「青鷹丸」の姿が。
長船首楼タイプの舷側に並ぶ丸い舷窓、こじんまりとまとまった甲板上の諸設備や一層の船橋と、全体から醸し出される好ましい雰囲気は、いつ見てもホッとさせるものがあります。湾奥を航行しているところを、いずれ写真に収めたいものです。
●芝浦西運河、ミナモ(東京ハーバーボートライセンススクール)の桟橋には、こんなカタマランが。船尾にコンソールやお手洗い、客席は船首側にまとめた理想的な観光船スタイル。鋭いバーチカルステムも素敵。
艇名は「侍」、電気推進とのこと。芝浦運河地帯の遊覧にはもってこいのタイプですね。

●おなじみですが、豊洲運河水上派出所と、その前にもやった警備艇「すいせん」が、ほぼ正横からカッコよく(?)撮れて気に入ったので掲げます。
テラスができてだいぶ雰囲気が変わりましたが、、「運河の交番」らしい魅力ある建物が、そのまま現役でいてくれるのは嬉しいもの。運河の六叉流に面した警備拠点として、これからも水路の安全に頑張っていただきたいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年6月13日撮影)
(『新芝運河の工事』につづく)

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そのうち2隻、「海舟」と「ヒミコ」がなかよく舷を接して憩う姿をスナップ。真後ろから見ると扁平さが強調されて、河用客船らしさが際立つ好きな角度です。

●京浜運河は湾岸署前で、ズラリと並ぶ同型艇に目を引かれて一枚。4隻揃って寸毫の違いも見出せないさま、「マスプロ」という言葉が、脊髄反射で脳裏に思い浮かぶような光景ではあります。
警備艇も既製艇が増えてきましたが、仕様変更の少ないプレジャーの転用、しかも小型とあって用途は限られそう。舷側に表記される固有艇名もなく、「OP4」といったハルナンバーだけなのも、今までの警備艇と違った扱いを感じさせますね。オリンピックの警備などで、臨時に増備されたものなのでしょうか。

●天王洲運河東口の北側角、海洋大品川(旧水産大)のポンドには、漁業実習船、「青鷹丸」の姿が。
長船首楼タイプの舷側に並ぶ丸い舷窓、こじんまりとまとまった甲板上の諸設備や一層の船橋と、全体から醸し出される好ましい雰囲気は、いつ見てもホッとさせるものがあります。湾奥を航行しているところを、いずれ写真に収めたいものです。

艇名は「侍」、電気推進とのこと。芝浦運河地帯の遊覧にはもってこいのタイプですね。

●おなじみですが、豊洲運河水上派出所と、その前にもやった警備艇「すいせん」が、ほぼ正横からカッコよく(?)撮れて気に入ったので掲げます。
テラスができてだいぶ雰囲気が変わりましたが、、「運河の交番」らしい魅力ある建物が、そのまま現役でいてくれるのは嬉しいもの。運河の六叉流に面した警備拠点として、これからも水路の安全に頑張っていただきたいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年6月13日撮影)
(『新芝運河の工事』につづく)

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8月17日の天王洲運河
(『大島川水門の工事…2』のつづき)
●時刻は9時近くになりましたが、依然として雲は頭上を去らず、いま一つ気分が乗りません。南下して羽田周辺に向かおうかと思いながら、ゆるゆる流している間に寄り道がしたくなり、右に舵を切って天王洲運河の西水路へ。
くぐりざま天王洲橋の橋桁を見上げると、「てんのうす橋」と大書きされた橋名が。ううん、この東の天王洲大橋(過去ログ『9月5日のフネブネ…3』参照)同様、なぜ「橋」のみ漢字なのでしょう。また、「てんのうず」とにごるのが普通のように思っていましたが、「てんのうす」とにごらない読み方もあるのかしら?

●もやう屋形船たちの船尾を眺めながら、微速で静かな水面へ進入。
目黒川の河道であったころの記憶を残す、南から見ると「へ」の字に曲がった西水路。かつては、屈曲の角あたりから北へ伸びる水路と、広大な船溜があり、品川駅に隣接していました。

●西水路を好ましく思うものの一つに、昔ながらの石垣護岸が挙げられるでしょう。しかも、潮位の高い時間帯にもかかわらず、護岸沿いに砂洲がところどころ顔を出し、トリさんの格好の休憩所になっているのも佳し。
猫の額のようなささやかな砂洲で、ツブれて朝寝をきめこむ鴨さんたちと、羽を広げて乾かす鵜さん。水鳥たちがのびのびとくつろぐ光景を見ると、思わず頬がゆるんでしまいます(トリ好きだし)。
●せっかくだからと、先日「ゴロウ・デラックス」の撮影時にお世話になった、運河最奥部・平井さんの船溜を訪ねてみることに。バケツをかぶった木製杭がいい雰囲気で、ミヨシづけした船隊が水鏡に姿を映していました。
残念ながら、平井社長にはお会いできませんでしたが、北品川橋(下写真)の側面が艇上から撮れて満足。水深は十分だったので、くぐってみたい誘惑にかられたものの、あやまって平井さんの持ち船にぶつけでもしたらことと、今回は遠慮させてもらいました。

【撮影地点のMapion地図】
(26年8月17日撮影)
(『南前堀は工事中?』につづく)

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くぐりざま天王洲橋の橋桁を見上げると、「てんのうす橋」と大書きされた橋名が。ううん、この東の天王洲大橋(過去ログ『9月5日のフネブネ…3』参照)同様、なぜ「橋」のみ漢字なのでしょう。また、「てんのうず」とにごるのが普通のように思っていましたが、「てんのうす」とにごらない読み方もあるのかしら?

●もやう屋形船たちの船尾を眺めながら、微速で静かな水面へ進入。
目黒川の河道であったころの記憶を残す、南から見ると「へ」の字に曲がった西水路。かつては、屈曲の角あたりから北へ伸びる水路と、広大な船溜があり、品川駅に隣接していました。

●西水路を好ましく思うものの一つに、昔ながらの石垣護岸が挙げられるでしょう。しかも、潮位の高い時間帯にもかかわらず、護岸沿いに砂洲がところどころ顔を出し、トリさんの格好の休憩所になっているのも佳し。
猫の額のようなささやかな砂洲で、ツブれて朝寝をきめこむ鴨さんたちと、羽を広げて乾かす鵜さん。水鳥たちがのびのびとくつろぐ光景を見ると、思わず頬がゆるんでしまいます(トリ好きだし)。

残念ながら、平井社長にはお会いできませんでしたが、北品川橋(下写真)の側面が艇上から撮れて満足。水深は十分だったので、くぐってみたい誘惑にかられたものの、あやまって平井さんの持ち船にぶつけでもしたらことと、今回は遠慮させてもらいました。

【撮影地点のMapion地図】
(26年8月17日撮影)
(『南前堀は工事中?』につづく)

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TBS「ゴロウ・デラックス」に…

ほとんど話題になったこともなく(版元様申しわけございません)、しかも上梓以来、はや4年も経った本を紹介していただけた上、作家でも何でもないいち水路バカにお声掛けくださるとは、まったく勿体ないかぎりであります。以下御礼かたがた、緊張に暑熱も加わり汗だくの、撮影当日のスナップを紹介させていただきます。
【▼「続きを読む」をクリックしてご覧ください】
「散歩の達人」9月号のお手伝いをさせていただきました

●「散歩の達人」は以前からたびたび拝見していて、水路や地域の歴史に触れられている記事も多く、また個人的に、町工場や職人さん紹介の記事に弱いということもあり、楽しみに拝読していました。
今回も巻頭から、目黒川周辺の海岸線や、流路の移り変わりを古地図で比較する記事があって、さっそくグッと心をつかまれてメガネを外して見入り(老眼です)、板金や電球の町工場紹介記事にあった「(昭和30年代の)品川は電球都市と称され」というくだりで涙するといったありさま。
羽田周辺も、空港国際線ターミナル内の人気スポットとともに、羽田猟師町や五十間鼻の無縁供養堂などが紹介され、水辺散策地のピックアップにも遺漏がありません。
●今回お手伝いさせていただいたのは、そんな水辺紹介記事のうち一見開き、「水上をぶらぶら散歩 羽田~芝浦 水路徘徊」という記事です。
特集地域に沿った、東京南部の運河や川をめぐる内容で、山口昌彦編集長みずからが執筆されたもの。くわしくは読んでのお楽しみですが、おなじみの珍物件も登場するなど、水路がお好きな向きにはお勧めの記事です、ぜひご覧ください。

カヤックの世界ではベテラン(『長瀞渓流下りふたたび…1』と同じ日に、カヤックの大会があって長瀞におられたとのこと!)とあって、水路や水辺に対する観察眼も鋭く、道中水路談義に花を咲かせながらの、楽しい船行きとなりました。
写真はおなじみ「喰われるトラス」に興味津々の山口氏。運河でカヤックを楽しむ方も少なくないので、その筋への観光ガイド(?)としても役立てれば嬉しいですね。

顔なじみのベルフィと仲良くもやってのランチとなりましたが、初めてこの桟橋につけてみて、達着中からお客さんの目が一斉に注がれるため、アガリ症の船頭としては、あまり得意でない寄港地であることが判明。人目の乏しいところばかりウロついてきたのが、裏目に出てしまいました。まだまだ修行が足りません。

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