五輪警備下の東京水路!…9
(『五輪警備下の東京水路!…8』のつづき)
●第一航路を台場の近くまで下ってきたら、対岸、天王洲南運河の東口に、巡視船が接岸しているのが見えたので、航路を横断して接近。
南風と引き波でまあ、結構ガブりました。スロットルをしぼって跳ねる艇をなだめながら、近づいてみると横須賀のPM14「たかとり」(526総t)、函館から来たヘリコプター搭載巡視船「つがる」(3,652総t)の2隻でした。

●大井火発のバースにもやう大型巡視船2隻、しかもヘリ巡視船は今回の警備陣で初めて目にするとあって、興奮度も大。「たかとり」は就役33年、「つがる」は42年といずれも大ベテランです。
運河両岸に大井・品川の両火発があるこの地、加えて天下(?)の第一航路、そして台場、大井、中防と五輪競技会場が控えているとあれば、大型巡視船が複数配置されているのも、うなずけようというもの。

●両巡視船をくらべると、「たかとり」が昔の排水量型巡視船の面影を色濃く残す、船体中央の乾舷を抑えた曲線的なラインなのに対し、「つがる」はヘリ巡視船とあって容積ベースらしい直線が目立つスタイルという、実に対照的なのが面白いですね。
船尾から見ると、この違いがさらに際立って見え、特に「たかとり」の魅力が際立って感じられたものでした。ブルワークを縁取るガンネルと、ふくよかと表現したくなる船体の断面形状、滋味にあふれているじゃありませんか!
●隅田川河口、豊海埠頭を背にして躍り出るように走ってきたのは、横須賀からの艇、SS56「かしおぺあ」。
この2日間、至るところで監視取締艇や警備艇が、慌ただしく走り回っていたのを目にしてきましたが、このタイプが長年見慣れているせいか、どこか力強く、かつ頼もしく感じられる気が。ともあれ、皆さん本当にお疲れさまであります。

●晴海を固める巡視船群をバックに、八戸から来航したCL77「むつかぜ」をスナップして、警備陣めぐりのシメとしました。
まず、一生に一度といっても過言でない海保船艇づくしのページェント(と浮かれると、怒られそうですが)を自艇で目の当たりにできて、本当に貴重な体験だったと充実感がかつてないレベルに。遠来の各船艇と、乗り組みの方々の頭が下がる勤務ぶりに、改めて敬意を表したいと思います。
船艇をめぐったお話はこれで終わりますが、五輪ならではの水路風景を自分なりにまとめておきたく、次回よりもう少しだけ、同じタイトルでお付き合いいただければ幸いです。
(令和3年7月23日撮影)
(『五輪警備下の東京水路!…10』につづく)

にほんブログ村

南風と引き波でまあ、結構ガブりました。スロットルをしぼって跳ねる艇をなだめながら、近づいてみると横須賀のPM14「たかとり」(526総t)、函館から来たヘリコプター搭載巡視船「つがる」(3,652総t)の2隻でした。

●大井火発のバースにもやう大型巡視船2隻、しかもヘリ巡視船は今回の警備陣で初めて目にするとあって、興奮度も大。「たかとり」は就役33年、「つがる」は42年といずれも大ベテランです。
運河両岸に大井・品川の両火発があるこの地、加えて天下(?)の第一航路、そして台場、大井、中防と五輪競技会場が控えているとあれば、大型巡視船が複数配置されているのも、うなずけようというもの。

●両巡視船をくらべると、「たかとり」が昔の排水量型巡視船の面影を色濃く残す、船体中央の乾舷を抑えた曲線的なラインなのに対し、「つがる」はヘリ巡視船とあって容積ベースらしい直線が目立つスタイルという、実に対照的なのが面白いですね。
船尾から見ると、この違いがさらに際立って見え、特に「たかとり」の魅力が際立って感じられたものでした。ブルワークを縁取るガンネルと、ふくよかと表現したくなる船体の断面形状、滋味にあふれているじゃありませんか!

この2日間、至るところで監視取締艇や警備艇が、慌ただしく走り回っていたのを目にしてきましたが、このタイプが長年見慣れているせいか、どこか力強く、かつ頼もしく感じられる気が。ともあれ、皆さん本当にお疲れさまであります。

●晴海を固める巡視船群をバックに、八戸から来航したCL77「むつかぜ」をスナップして、警備陣めぐりのシメとしました。
まず、一生に一度といっても過言でない海保船艇づくしのページェント(と浮かれると、怒られそうですが)を自艇で目の当たりにできて、本当に貴重な体験だったと充実感がかつてないレベルに。遠来の各船艇と、乗り組みの方々の頭が下がる勤務ぶりに、改めて敬意を表したいと思います。
船艇をめぐったお話はこれで終わりますが、五輪ならではの水路風景を自分なりにまとめておきたく、次回よりもう少しだけ、同じタイトルでお付き合いいただければ幸いです。
(令和3年7月23日撮影)
(『五輪警備下の東京水路!…10』につづく)

にほんブログ村
8月15日の水路風景…8
(『8月15日の水路風景…7』のつづき)

●鋼材組み橋脚ズラリと、一直線に伸びるホームが魅力的な、おなじみモノレールの大井競馬場前駅。あれ、以前とちょっと違った感じが‥‥。
ホームに至る階段室の側壁、前はつるりとフラット(『8月13日の川景色…1』参照)だったのが、今回見ると横にリブ状のものが走っていますね。どうやら外壁工事をしていて、こちらが本来の姿のようです。

●高浜運河経由で北上しようと、左に折れて天王洲南運河へ。あっ、アイル橋の桁側面、クジラのキャラクターが描いてある‥‥。小さくてちょっと目立たない感じもしますが、可愛らしいですね。
ここ東品川一帯は、鯨塚(『TBS「ゴロウ・デラックス」に…』参照)もあるくらい、クジラとは縁の深い土地柄。この右手にある東品川海上公園には、クジラの形をした滑り台があり、そのかたわらにある目黒川水門も扉体にクジラの絵をあしらっていることは、皆さんよくご存じでしょう。

●その目黒川水門をくぐって、高浜運河に入ります。あら、扉体の下端に錆が出てきていますね。スキンプレート側に洗浄装置のない設備ではあるので致し方のないところですが、せっかくの素敵な絵が長持ちするよう、お手入れをお願いしたいところです。
●新東海橋をくぐったところで右手に目をやると‥‥おや、運河畔に並んでいた内山コンクリートのサイロが消え失せて、どうやら更地にされてしまったようです。
舟運との関連性はさておき、運河畔に建材系の施設があると、艀輸送華やかなりしかつてを思い起こさせて、よいものだったのですが‥‥。また一つ、産業系の運河風景が消えてゆくさまを見届けて、少々寂しい気分になったことではありました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和2年8月15日撮影)
(『8月15日の水路風景…9』につづく)

にほんブログ村


ホームに至る階段室の側壁、前はつるりとフラット(『8月13日の川景色…1』参照)だったのが、今回見ると横にリブ状のものが走っていますね。どうやら外壁工事をしていて、こちらが本来の姿のようです。

●高浜運河経由で北上しようと、左に折れて天王洲南運河へ。あっ、アイル橋の桁側面、クジラのキャラクターが描いてある‥‥。小さくてちょっと目立たない感じもしますが、可愛らしいですね。
ここ東品川一帯は、鯨塚(『TBS「ゴロウ・デラックス」に…』参照)もあるくらい、クジラとは縁の深い土地柄。この右手にある東品川海上公園には、クジラの形をした滑り台があり、そのかたわらにある目黒川水門も扉体にクジラの絵をあしらっていることは、皆さんよくご存じでしょう。

●その目黒川水門をくぐって、高浜運河に入ります。あら、扉体の下端に錆が出てきていますね。スキンプレート側に洗浄装置のない設備ではあるので致し方のないところですが、せっかくの素敵な絵が長持ちするよう、お手入れをお願いしたいところです。

舟運との関連性はさておき、運河畔に建材系の施設があると、艀輸送華やかなりしかつてを思い起こさせて、よいものだったのですが‥‥。また一つ、産業系の運河風景が消えてゆくさまを見届けて、少々寂しい気分になったことではありました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和2年8月15日撮影)
(『8月15日の水路風景…9』につづく)

にほんブログ村
10月27日のフネブネ…2
(『10月27日のフネブネ…1』のつづき)

●第一航路から天王洲南運河へ。おなじみ古川組の船溜は、いつも目を引かれてしまう楽しいフネ好きスポットですが、今回も期待を裏切りませんでした。この「ふじ丸」! 一見しただけで、すっかり気に入ってしまいました。
●日通色のような塗装もいいですが、チャームポイントはぐっと高めた船首のブルワークと、なりの割に大ぶりな操舵室でしょう。
船首に備えたユニックを守るためでしょうが、小兵ながら船首楼船のように見えるブルワークが、どこか模型のような可愛らしさを醸し出していますね。
●芝浦西運河では、「TOKYO WATER TAXI」の一隻、ハルナンバー02と行逢。手を振りあって別れました。
後ろに立っていた方も、乗り組みさんなのでしょうか。以前取材で乗った際、バウに操舵席がある上、居住性ベースの造りでワンオペは難しそうだな、という感想を持ったのですが、船社も同様の考えにいたり、二人乗務が標準になったのかもしれません。

●東雲北運河、木村造船所の屋外にある船台には、通船が上架されていました。塗装やスタイルからして、芝浦通船の艇ですね。
バウに向かうにつれ船足が深くなる、和船に似た水線下形状、トランサムにぺたりと貼られたジンクや舵の羽板と、ディテールが観察できてよいものです。脚立が一つズッコケているのもご愛嬌。

●帰港した後、晴海に寄り道してみたら、ちょうど砕氷艦「しらせ」が出航してゆくところに出くわしました。客船ターミナルのデッキに上がり、暮れなずむ東京港を曳船に付き添われて消えゆく姿を、一眼レフを構えるファンの皆さんと一緒にお見送り。
すっかり陽が落ちるのが早くなり、急速に冷え込んでゆく空気に秋の深まりを感じる出港風景。水鳥たちの姿も増えてきたし、冬の訪れももう間もなくですね。
(元年10月27日撮影)
(『10月27日の水路風景』につづく)

にほんブログ村

●第一航路から天王洲南運河へ。おなじみ古川組の船溜は、いつも目を引かれてしまう楽しいフネ好きスポットですが、今回も期待を裏切りませんでした。この「ふじ丸」! 一見しただけで、すっかり気に入ってしまいました。

船首に備えたユニックを守るためでしょうが、小兵ながら船首楼船のように見えるブルワークが、どこか模型のような可愛らしさを醸し出していますね。

後ろに立っていた方も、乗り組みさんなのでしょうか。以前取材で乗った際、バウに操舵席がある上、居住性ベースの造りでワンオペは難しそうだな、という感想を持ったのですが、船社も同様の考えにいたり、二人乗務が標準になったのかもしれません。

●東雲北運河、木村造船所の屋外にある船台には、通船が上架されていました。塗装やスタイルからして、芝浦通船の艇ですね。
バウに向かうにつれ船足が深くなる、和船に似た水線下形状、トランサムにぺたりと貼られたジンクや舵の羽板と、ディテールが観察できてよいものです。脚立が一つズッコケているのもご愛嬌。

●帰港した後、晴海に寄り道してみたら、ちょうど砕氷艦「しらせ」が出航してゆくところに出くわしました。客船ターミナルのデッキに上がり、暮れなずむ東京港を曳船に付き添われて消えゆく姿を、一眼レフを構えるファンの皆さんと一緒にお見送り。
すっかり陽が落ちるのが早くなり、急速に冷え込んでゆく空気に秋の深まりを感じる出港風景。水鳥たちの姿も増えてきたし、冬の訪れももう間もなくですね。
(元年10月27日撮影)
(『10月27日の水路風景』につづく)

にほんブログ村
1月21日の目黒川…1
(『1月21日の古川…4』のつづき)

●お次は目黒川を訪ねました。京浜運河・天王洲南運河経由で進入、アイル橋のほっそりしたライン越しに眺める河口、空の青さもあいまって、穏やかないい雰囲気。

●遡上を始めて間もなく、荏原神社を右手に見ながら通り過ぎようとしたら、桃色の可憐な花を咲かせた木々が。名物、寒緋桜ですね。ちょっと控え目な感じの咲きぶりが可愛らしく、冬の空に映えてきれい。境内は写真を撮る人たちで賑わっていました。
●橋を眺めていると、いくつかの橋は塗り替えの際に施工したのか、橋名が新しいデザインに変わっているのに気づきました。
この要津橋は、橋名だけでなく恐竜のシルエットと足跡らしきものが描かれ、いかにも由来ありげです。この日同乗のT氏によれば、この近くの児童遊園に、恐竜の形をした遊具があったからそれではないか、とのこと。検索するとなるほど、恐竜の像が9体もある「子供の森公園」が北詰近くにあるのですね。
●高い桁下高でひときわ目立つこの橋、北岸の大崎ブライトタワーから伸びる連絡デッキ。眺望はよさそうですけれど、隣接するビル群に配慮したのか、曇りガラスで目隠しがされて、川面を見下ろすことはできないようですね。
写真左側、南詰はどういうわけか、大崎ニューシティにつながっておらず、渡り終えたら階段で地上へ降りるしかなさそうです。

●目黒川では数少ない下路式タイプの橋、鈴懸歩道橋の向こうは御成橋。例の桁側面に噴水のある橋で、珍しくまた眺めて楽しくはあるものの、下を通航する艇にとっては、あまりありがたくないギミックといえます。
放水は1時間毎ですので、通航時にヒットしてしまうことは今までも多くありませんでしたが、今回はどうでしょう。
【撮影地点のMapion地図】
(30年1月21日撮影)
(『1月21日の目黒川…2』につづく)

にほんブログ村

●お次は目黒川を訪ねました。京浜運河・天王洲南運河経由で進入、アイル橋のほっそりしたライン越しに眺める河口、空の青さもあいまって、穏やかないい雰囲気。

●遡上を始めて間もなく、荏原神社を右手に見ながら通り過ぎようとしたら、桃色の可憐な花を咲かせた木々が。名物、寒緋桜ですね。ちょっと控え目な感じの咲きぶりが可愛らしく、冬の空に映えてきれい。境内は写真を撮る人たちで賑わっていました。

この要津橋は、橋名だけでなく恐竜のシルエットと足跡らしきものが描かれ、いかにも由来ありげです。この日同乗のT氏によれば、この近くの児童遊園に、恐竜の形をした遊具があったからそれではないか、とのこと。検索するとなるほど、恐竜の像が9体もある「子供の森公園」が北詰近くにあるのですね。

写真左側、南詰はどういうわけか、大崎ニューシティにつながっておらず、渡り終えたら階段で地上へ降りるしかなさそうです。

●目黒川では数少ない下路式タイプの橋、鈴懸歩道橋の向こうは御成橋。例の桁側面に噴水のある橋で、珍しくまた眺めて楽しくはあるものの、下を通航する艇にとっては、あまりありがたくないギミックといえます。
放水は1時間毎ですので、通航時にヒットしてしまうことは今までも多くありませんでしたが、今回はどうでしょう。
【撮影地点のMapion地図】
(30年1月21日撮影)
(『1月21日の目黒川…2』につづく)

にほんブログ村