大洲閘門ふたたび…3
(『大洲閘門ふたたび…2』のつづき)

●釣り人さんがつくったとおぼしき、水際の踏み分け道を降りて、ゲートの表に向き直ってみると‥‥。あらら、一見上を歩けそうなくらい、ゴミが吹き寄せられてしまっているのも、9年前に訪ねたときと変わらず。
冬の北西風が吹くこの時季、漏斗状に広がった水面の、南東角に位置するのがよくないのでしょうか。扉体から滴るリークの音もチョロチョロしていたので、水の流れのせいも若干あるかも‥‥。ともあれ、こちらも後扉室同様、扉体がはげちょろげて、年数なりの古び方です。

●前回同様、銘板をたぐって一枚。コンクリ打ちっぱなしの躯体に、黒御影石の磨き出された銘板は、一点豪華主義といわんばかりの目立つ存在。
堰柱の右手前から、閘室をのぞき込んでみました。扉体にレール、手すりと、鉄部はあらかた下塗りが露出しているか、錆びているかで、長年あまり手入れされていない様子がうかがえました。

●橋を渡って左側に出て、ぐっと仰いだところを一枚。のぞいた晴れ間に、銘板の磨き出された文字が反射して、右手から見たそれよりシャープな印象。
使用頻度もごく低いようであるし、あとどれくらいここに在ってくれるかしら‥‥。仲江間閘門と並んで、水郷の極小閘門では最古級の一つ、更新工事の順番が巡ってくるのを祈るしかありません。
●周りをうろついている間じゅう、甘えたようなハトたちの鳴き声が絶えませんでした。手すりの上に留まったハトに目をやると、仲むつまじくお互いを毛づくろいしながら、羽をゆるめてふくふくとふくらみ、心からリラックスしている表情。
ハトたちのくつろぎぶりを見ても、稼働率の低さがわかろうというもの。可愛らしいしぐさには和まされたものの、それを思うと少々複雑な気分ではありました。
(29年1月2日撮影)
(『前川の白鳥』につづく)

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●釣り人さんがつくったとおぼしき、水際の踏み分け道を降りて、ゲートの表に向き直ってみると‥‥。あらら、一見上を歩けそうなくらい、ゴミが吹き寄せられてしまっているのも、9年前に訪ねたときと変わらず。
冬の北西風が吹くこの時季、漏斗状に広がった水面の、南東角に位置するのがよくないのでしょうか。扉体から滴るリークの音もチョロチョロしていたので、水の流れのせいも若干あるかも‥‥。ともあれ、こちらも後扉室同様、扉体がはげちょろげて、年数なりの古び方です。


堰柱の右手前から、閘室をのぞき込んでみました。扉体にレール、手すりと、鉄部はあらかた下塗りが露出しているか、錆びているかで、長年あまり手入れされていない様子がうかがえました。

●橋を渡って左側に出て、ぐっと仰いだところを一枚。のぞいた晴れ間に、銘板の磨き出された文字が反射して、右手から見たそれよりシャープな印象。
使用頻度もごく低いようであるし、あとどれくらいここに在ってくれるかしら‥‥。仲江間閘門と並んで、水郷の極小閘門では最古級の一つ、更新工事の順番が巡ってくるのを祈るしかありません。

ハトたちのくつろぎぶりを見ても、稼働率の低さがわかろうというもの。可愛らしいしぐさには和まされたものの、それを思うと少々複雑な気分ではありました。
(29年1月2日撮影)
(『前川の白鳥』につづく)

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大洲閘門ふたたび…2
(『大洲閘門ふたたび…1』のつづき)

●後扉室ゲートの横から、前扉室に向かって閘室を見たところ。側壁には、鉄環のアイが設けられているのが見えます。
こちらは操作室のフラットがあり、コンクリが打ってあるのでまださっぱりしていますが、対岸やほかの敷地はご覧のとおり、冬枯れにもかかわらず草ぼうぼうで、柵を抜けてはみ出しているほどの勢い。見るからに使用頻度が低そうなことに加えて、この生い茂り方では、遠目に廃閘門と思われても無理からぬところではあります。
●上の閘室同様、過去ログ「大洲閘門…3」のときとほぼ同じ角度で、メーカーズプレートを撮ってみました。錆垂れの様子も、塗料の剥がれ具合も、9年前とあまり変わっていないなあ。
前回は触れませんでしたが、面白く思っているのがこの「堤内側水門」という呼び方。閘室上を横断する道路は、低くとも堤防道で、水位低下側は、堤防に守られている堤内地であることがわかります。
●ゲートの周りをうろうろしている間、頭上からハトの甘えたような「ぶぅ~う、ぶぅ~う」という鳴き声がしきりにするので、気になって巻上機室の桁裏に、カメラを向けてみると‥‥。
「何のぞいてんの?」といいたげな、うろんげな顔つきのハト君と目が合ってしまいました(笑)。

●操作室。これも「大洲閘門…2」とほとんど変わらない角度で、申しわけありません。しかし、おかげで変化を見つけることができました。
左手、ゲート前のボックスを備えた電柱、右にかしいでいますね。周りを囲む柵も、全体的に歪んで、傾いでいます。今次震災の影響なのでしょうか。そういえば、震災後に水郷を訪れたとき、結構な数の電柱が傾いていたのを思い出しました(『震災後の水郷を訪ねて…12』参照)。苦労したんだねえ、大洲閘門‥‥。
あと、水郷名物(?)「きけん」の看板が、経た年月相応に色褪せてる(笑)。

●橋の上に戻ると、陽が射してきました。前川が漏斗状に広がった水面を前に、前扉室が薄日に照らされ、水郷らしい閘門風景に。
こちらもずいぶん枯れ蔦がからんで、思わずむしり取って掃除をしてあげたくなる‥‥。いや、せっかく晴れてきたことだし、正面に回っていいお顔をものしましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(29年1月2日撮影)
(『大洲閘門ふたたび…3』につづく)

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●後扉室ゲートの横から、前扉室に向かって閘室を見たところ。側壁には、鉄環のアイが設けられているのが見えます。
こちらは操作室のフラットがあり、コンクリが打ってあるのでまださっぱりしていますが、対岸やほかの敷地はご覧のとおり、冬枯れにもかかわらず草ぼうぼうで、柵を抜けてはみ出しているほどの勢い。見るからに使用頻度が低そうなことに加えて、この生い茂り方では、遠目に廃閘門と思われても無理からぬところではあります。

前回は触れませんでしたが、面白く思っているのがこの「堤内側水門」という呼び方。閘室上を横断する道路は、低くとも堤防道で、水位低下側は、堤防に守られている堤内地であることがわかります。

「何のぞいてんの?」といいたげな、うろんげな顔つきのハト君と目が合ってしまいました(笑)。

●操作室。これも「大洲閘門…2」とほとんど変わらない角度で、申しわけありません。しかし、おかげで変化を見つけることができました。
左手、ゲート前のボックスを備えた電柱、右にかしいでいますね。周りを囲む柵も、全体的に歪んで、傾いでいます。今次震災の影響なのでしょうか。そういえば、震災後に水郷を訪れたとき、結構な数の電柱が傾いていたのを思い出しました(『震災後の水郷を訪ねて…12』参照)。苦労したんだねえ、大洲閘門‥‥。
あと、水郷名物(?)「きけん」の看板が、経た年月相応に色褪せてる(笑)。

●橋の上に戻ると、陽が射してきました。前川が漏斗状に広がった水面を前に、前扉室が薄日に照らされ、水郷らしい閘門風景に。
こちらもずいぶん枯れ蔦がからんで、思わずむしり取って掃除をしてあげたくなる‥‥。いや、せっかく晴れてきたことだし、正面に回っていいお顔をものしましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(29年1月2日撮影)
(『大洲閘門ふたたび…3』につづく)

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大洲閘門ふたたび…1

参拝後はこれも例年通り、水郷散歩をすることに。しばらく訪ねていなかった、潮来は前川の水位低下化区間を守る、大洲閘門に向かうことにしました。

●曇り空の下、大洲閘門の北側に到着。道路は閘室上を渡っており、右手のゲートが前扉室(水位の高い方)で、潮来市街側。左手が水位低下側に接する後扉室で、北浦(鰐川)の方向です。
ここから見ると、極小閘門とはいえ、閘室の全長が結構あることがわかります。およそ20mくらいでしょうか。

●橋の上から後扉室を見下ろして。前回訪ねたのが20年の2月10日(過去ログ『大洲閘門…1』ほか)ですから、実に9年ぶり。前回からくたびれた雰囲気だったのが、さらに星霜を経て、もはや枯れた感じに。
閘門の向こうはよい釣果が上がるのか、数人の釣り人さんが棹を振るっています。堰柱の上には、数羽のハトが静かに鳴きながらくつろいでいますね。どうやら、巻上機室(単なるステンレス薄板のかぶせものですが)の中に巣を作っているようです。

扉体の上端には、ハトさんのフンが点々と(笑)。住み心地は良好のようであります。

●東側の河畔に降りて、屈曲の外側からズームでたぐってみました。少し晴れ間がのぞいてきて、明るくなった水面に二つのゲートが倒立像をつくる、静かな水門風景。
周りは冬枯れでもこんなに草が茂っており、道路側から眺めるのとまた違った、一種廃閘門のようにも見える角度。釣り人さんが去ってしまうと、時々走り抜けるクルマの音のほかはなく、枯れた川景色を前に、しばし静けさを楽しみました。
【撮影地点のMapion地図】
(29年1月2日撮影)
(『大洲閘門ふたたび…2』につづく)

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極小閘門づくし

閘門が大好きです。
近場にある江戸川・扇橋・荒川の3閘門を、自艇でたびたび訪ねては通航するのも、もちろん大好きですが、陸路おもむいて他地方の閘門を見に行ったり、観光船を借りて通航したりするのも、自艇で通るのとは、また違った楽しさがあるものです。
●中でもどういわけだか、自分の艇ではちょっと通ることの難しそうな、小さな小さな閘門たちに、以前より特に惹かれるものがありました。小粒ながら、一人前に扉体で水を受け止めるミニ閘門たちを前にすると、何か模型を見るような楽しさがあり、つい時間を過ごしてしまうこともしばしばでした。
例によって、写真を並べて一人悦に入ってみたくなったこともあり、今回は、今までに出会った極小閘門のスナップを集めてみましょう。
以下に並べたものは、あくまで私の感覚で選んだものですが、改めて選んだものを見てみると、大体径間4~5m以下のものに、グッとくるところがあるようです。なお、陸路訪ねて銘板が確認できたものには、極力寸法などを明記することにしました。
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