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3月6日の水路風景…8

(『3月6日の水路風景…7』のつづき)

277036.jpg朝潮運河を出て隅田川派川を上航し、大横川へ。大島川水門前のテラスをつなぐ人道橋、上流側に長大なスロープがほぼ完成し、供用も間近に思えました。

橋脚と桁が先に設けられてから、ずいぶん長くかかりましたね。工事も大詰めなのか、日曜のこの日も、作業服姿の皆さんが忙しそうに立ち働いていました。


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いつものようにスロットルをしぼりながら、大島川水門をくぐってみると‥‥おや、右手の護岸の柵に、こんな横断幕が。

巽橋工事中 大島川西支川への航行禁止」‥‥! むう、ということは、ついに架け替えか?

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大島川西支川の南口からのぞいてみると、茂森橋補修時のそれには及ばないものの、水面近くまで迫った足場ですっぽりと覆われた巽橋が。この向こうにいる地元の繋留艇たちは、いったん移動させられたのか、北口から仙台堀川に出ているのか‥‥。

巽橋架替工事」(江東区)によると、「老朽化した現橋を撤去し、新たな橋梁形態とする」とあり、「現在架かっている橋の撤去及び、下部工の新規構築」を行う"その1"工事は、令和3年7月9日から令和5年5月20日の予定だそう。

昭和4年竣工の、震災復興橋世代といえる鋼桁橋ともお別れです。「大島川西支川を歩く…4」で渡ってみたり、「最狭水路打通の日!…7」では、長年の悲願(?)を果たした出口の橋であったりと、思い出も少なくありません。
しかし、江東の震災復興橋、この10年でずいぶん架け替えが進みましたよね‥‥。

277039.jpg桜の様子を見に出てきたということもあり、そのままゆるゆると奥へ。水上バスの引き波や、大川を抜ける風の音が遠ざかり、小鳥のさえずりだけが耳に快い、静かな川面と桜並木が広がりました。

3月初旬とて、まあ、当たり前ではあるんですが、開花は一輪もなし。それでも枝の先でふくらんだつぼみを目にして、春が間近であることを感じられ、満開のシーンを脳裏に描いて一人ニッコリ。

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春めいた空気に感化されてか、ちょっと頑張ってみる気になりました。エンジンを止めて風向きと流れを確認、ベンチのピンを抜いてずらし、艪をログイにはめてハイオをたぐり、準備完了。

艪をこねるのは、本当に久しぶりです。最初はぎこちなかったものの、漕ぐうちにほどなく感覚を取り戻し、イレコのきしむのどかな音を聞きながら、力加減ひとつでクイッ、クイッと向きを変えてゆく、艇の動きの面白さを堪能。やはり私にとって大横川は、都内随一のお花見水路であるとともに、艪漕のホームグラウンドというべき川であります。

(令和4年3月6日撮影)

(『3月6日の水路風景…9』につづく)

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タグ : 隅田川派川大横川大島川水門江東内部河川

3月14日の大横川…1

(『3月14日のイグアナクレーン』のつづき)

262006.jpgイグアナクレーンを眺めていたら、抜けるような青空の高みに白点が一つ‥‥炭カル袋ですね。

子供のころ、春先など強風時、こんな風に飛ばされてゆく袋(当時のこととて、紙袋でしたが)がなぜかツボで、目にすると笑い転げでしまう妙な癖がありました。今どきの炭カル袋となれば、軽量なので滞空性能も向上してより高く、遠くまで飛ばされてゆくんだろうなあ、などと考えたり。

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豊洲運河~隅田川派川と迂回し、いったん隅田川に出て、大島川水門から大横川へ入ることに。桜の様子も見ておこうと思ったのです。

水門前のテラスを結ぶ橋、桁が架設されてから、工事の進んだ様子が見られませんでしたが、この日は左手のテラスに重機や資材が見えたので、いよいよ再開されるのかもしれません。

262008.jpgおなじみ桜並木区間に入ってみると、まあ、当たり前ではありますが、開花したものは一輪もなく、すべてつぼみのままでした。

しかし、すでに20℃近い気温とあって、風が防がれる大横川の川面は、まことにうららか。豪雨の翌日だったため河水が少々濁り気味のほかは、実に春めいた、穏やかないい雰囲気でした。

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枝を仰ぐと、花開いてこそいないとはいえ、つぼみははち切れんばかりにふくらんで、満開時の華やかさが想われるほど。毎年のことながら、こうして桜たちの変化を目にすると、何かワクワクした気分になるのですから、不思議なものです。

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越中島橋の手前まで来ると、黒船橋船着場に、機付きのインフレータブルが達着しつつあるのが見えました。桟橋上にはカヤックが並べられ、どうやら片付けをしているようです。何かイベントがあったのでしょう。

インフレータブルの乗り組みさんに「こんにちわ!」と挨拶すると、皆さん笑顔で応えてくれました。内部河川なら強風下でもカヤック日和といってよい穏やかさ、きっと水路めぐりを楽しまれたことでしょうね。
撮影地点のMapion地図

(令和3年3月14日撮影)

(『3月14日の大横川…2』につづく)

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タグ : 大横川江東内部河川大島川水門

11月15日の水門…3

(『11月15日の水門…2』のつづき)

258011.jpgちょっと戻って、隅田水門の補足。扉体の直前から見た径間が何とか撮れたので、お目汚しまで。

手前から水門の管理橋、都道449号新荒川堤防線の道路橋、東武伊勢崎線の鉄道橋、隠れていますがその向こうにも人道橋と、狭いところに橋が集中して、一種面白い景観ではありますよね。


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隅田水門の補足をも一つ。以前も紹介しましたが、下流側から少し引いて見ると、右手の隅田水門管理所の左側、堤防の角にも赤の単色信号が備えられているのがわかりますね。

定番の2灯式信号は巻上機室中央、表裏ともに設置されているのですが、どちらも橋があって見通しがよくないためでしょう、赤のみの灯器が上流に一つ、下流に二つと計3ヶ所も。補助の信号を備えた例はいくつか見られますが、一つ目が3つもあるのは珍しいのではないでしょうか。

258013.jpg大島川水門をくぐったら‥‥このブログでは、楽しくないことにはあまり触れたくないので、「えらい目にあった」に留めておきますが、大事に至らなかったのは幸運としかいいようがありませんでした。

さすがに扉体に隠された向こうでは、見張りを厳にしていても限界があります。どうか、舟航河川であることを忘れないでいただき、お互い気持ちよく川を利用したいものです。

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大横川から平久川に入り、平久水門を抜けようとしたところで、ちょうど向こうをカヤックのフリートが横切ってゆくさまを、のぞき見ることができました。

逆光でキラキラ輝く水面を、次々と現れては音もなくさらさらと滑ってゆくカヤック群。水門の径間を額縁にした絵を見るようで、まあ、実に風情のあるひとときでした。先ほどの災厄で少々荒みがちだった心が、洗われてゆくような気がしたものです。

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カヤックの通過を待ってスロットルをコツンと投入、最微速で平久水門をくぐって、正面から。この季節の穏やかな陽射しは、水門をいい表情にしてくれますよね。

右径間、長らく汚れたままですが、洗浄もままならない理由があるのでしょうか。街場の小水門の中では個性派ともいえる変則2径間、塗り替えまでいかなくとも、せめて最低限の体裁は整えてやっていただきたいものです。
撮影地点のMapion地図

(令和2年11月15日撮影)

(『11月15日の水路風景…1』につづく)

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タグ : 旧綾瀬川大横川平久川隅田水門大島川水門平久水門

9月21日の水路風景…3

(『9月21日の水路風景…2』のつづき)

255056.jpg大川筋に出ると、この日はどういうわけかプレジャーの出船が多く、しかもおしなべて飛ばす艇ばかりで、引き波に翻弄されながらの遡上になりました。PWCもフリートで追い越していったりと、賑やかではあります。

浅草まで上ってくると、水辺ライン「あじさい」と行逢。この曇り空とあって、吾妻橋のディテールも黒くつぶれがちです。


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前方の東武線隅田川橋梁を、ちょうど電車がゆっくり渡っていくのを眺めながら、スロットルをしぼって微速に。併設されている人道橋、「すみだリバーウォーク」の供用後の姿を眺めておこうと思ったのです。

おお、ずいぶん賑わっていますね。当初は4月に供用開始の予定だったのが、延期され6月18日にオープンとなったのだそう。皆さん待ちに待っていたことでしょう。

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も少し近づいたところで、今度は上りの特急電車がごろんごろんと進入開始してきたので一枚。艇が接近するにつれ皆さんこちらに目が向くようになり、ずいぶん写真を撮られた気が(笑)。

この日は曇りにもかかわらず、各橋上やテラスも今までにない人出で、驚かされたことではありました。まあ、コロナ禍で長い間蟄居生活を余儀なくされていたのですから、少し自粛要請が緩んだとみれば、せめてお散歩でもしたくなるのはわかります。

255059.jpg先月に引き続いて、この日も通りがかりについ惹かれてスナップ。総武線橋梁の橋脚基礎上に鎮座した、コンクリ塊です。

位置、姿かたちとも異常なし。ああ、何でこんなものが気になってしまうんだろう‥‥。増水時に水流で移動したりしたら、色めきだってしまいそう。


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大島川水門の前まで下ってくると、おや、水門前に架橋中の橋、先月は注意を促す横断幕が桁側面に掲げられていたのに、取り去られたのですね。

橋詰にあった足場は撤去されていたので、第一期工事が終了して一段落、といったところでしょうか。竣工まではなお時間がかかりそうです。
撮影地点のMapion地図

(令和2年9月21日撮影)

(『9月21日の水路風景…4』につづく)

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タグ : 隅田川大島川水門水上バス

8月15日の水路風景…10

(『8月15日の水路風景…9』のつづき)

254061.jpg総武線隅田川橋梁の橋脚を、テラスとの間から見て。一段高く造った基礎に手すりがめぐらされ、独特の雰囲気がありますよね。

ここ、5月にテラスを散歩したときに見て、基礎上にごろりとコンクリ塊が転がされているのに気づき、妙に気になっていたもの。この日も変わらず鎮座していましたが、構造の一部が落下したわけでもないようで、なぜここにあるのかは謎のままです。

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大島川水門の前に架けられたテラスを結ぶ橋、少し変化がありました。「水門開閉状況確認 通航注意」と大書きされた横断幕が両端に掲げられ、さらに中央の凹部には、信号の灯器が設けられていたのです。

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桁下から仰いだ様子はいかがと、くぐりざま見上げて。床板などはまだ施工されておらず、桁のすき間から空が見える状態。未成時ならではの視点でスナップしておくのも楽しいものです。

254065.jpg帰路、おなじみ白妙橋を前にしたところ、潮時もよろしく(?)、その低さは艇を進ませるのをためらうような、実に剣呑な雰囲気。うひょひょ。

直前でいったん停止して深呼吸し、さて‥‥コツンとスロットルを押して最微速前進。すき間が10㎝もないようなギリギリっぷり、しかも後付けの金具やボルトなど、危険な突起物もあるため、茂森橋が優しく思えるほどでした!

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6月7日に見たときは、工事で通航止めだった白鷺橋、この日はフェンスが撤去されて、通航できるようになっていました。それにともない、高欄の横断幕も「航路」「工事中」に替えられていますね。

台船や足場があることは変わりなかったので、これからも動きがあるたび、適宜閉塞されるものと思われます。通航時は最徐航でお気をつけて。

(令和2年8月15日撮影)

(『8月15日のフネブネ…1』につづく)

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タグ : 隅田川大横川平久運河大島川水門