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大岡川に拾う…2

(『大岡川に拾う…1』のつづき)

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大岡川を代表する橋といえば、長者町と日ノ出町を結ぶコンクリートアーチ・長者橋。世代が近いだけあって、日本橋川の堀留橋や旧数寄屋橋など、東京のコンクリートアーチたちに一脈通じる雰囲気を持っていますが、橋灯を支える高欄の筒状凸部に、繁華街の橋らしい洒落っ気が感じられますね。

大岡川に来るたび、外濠や築地川が現存していたら、似たような雰囲気だったのかなあ…と、あれこれ妄想しながらの舟行きになるのですが、特に長者橋には、旧数寄屋橋に近いものが感じられて、惹かれるものがあるのです。

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77108.jpgさらに遡上し、旭橋に近づくと、橋の下に何やら妙な小舟(上写真)が浮いている…。光線の加減で、くぐりざま振り返ってから、ようやく正体がわかりました。…なるほど、そういうものですね、はい。

やはり、大岡川桜桟橋(右写真)の近くとあって、色々な試みがされているようです。
(過去ログ『横浜の川をめぐる…16』参照)

77109.jpg桜桟橋の正面、対岸近くにも同様に、釣り人のシルエットを切り抜いたものを乗せた小舟が。

雨水が溜まって沈んでしまわないかしら(実際、そういう艇をたくさん見てきたので)と、余計な心配をしてしまいました。



77110.jpg桟橋のすぐ横の高架上を、轟々と通過する京浜急行の電車。子供のころ、海水浴シーズンともなれば必ず乗せられた電車とあって、このあたりの風景はよくおぼえています。

日ノ出町駅を出て間もなく、車窓から見下ろした街中の川には、いつも川岸を埋め尽くさんばかりに、繋留船がもやっていたものです。「この船たちはどこから来たんだろう? この川を下ると、どこへ出るんだろう?」と、子供心に惹かれるものがありました。

チラ見レベルでもかつてを知っているせいか、繋留船が一掃された大岡川は、岸辺が美しく整備されていても、どこか寂しさが感じられます。先ほどの小舟を浮かべた人たちも、あるいは同じ気持ちなのかもしれません。
撮影地点のMapion地図

(23年10月10日撮影)

(『大岡川に拾う…3』につづく)

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タグ : 大岡川長者橋大岡川桜桟橋