11月1日の大岡川…4

(『11月1日の大岡川…3』のつづき)

137031.jpg人道橋・蒔田公園橋(タイトル参照)をくぐって、初めて見る分流点上流の大岡川。今までとはだいぶ、雰囲気が違いますね。考えてみれば、ここからが湾入の外縁を埋め残したものでない、自然河川としての河道になるわけです。

向って左側の護岸は、首都高の出入口が設けられたせいでしょう、近年改修された風のフラットな護岸ですが、右側は艀輸送華やかなりしころの、石垣護岸が残っている! 今までとの大きな違いはここですね。

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137033.jpgしかも堀割川同様、繋留のためのアイが凹部を切って設けられ、かつてを思い起こさせるムード満点。昔はここにもびっちりと、艀がもやっていたんだろうなあ。

このあたり、計画高水位が高いのか、石垣の上にコンクリート護岸が積み増され、往時のままとはいかなくなっているものの、残してくれたのはやはり、ありがたいものです。

蒔田公園の横を過ぎ、さらに進んでゆくと、右のように魚探の感が傾斜を示しはじめ、ぐんぐんと浅くなってきました。もう少し進みたい気もするのですが、念のためここで反転としましょう。


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下流に向き直ってみると、遡上時とはまた違った雰囲気。左手から入ってくる本線と、右岸に沿って高度を稼ぐ、丸みのあるデザインの入口の高架が、前方はるかに集まりつつあるのが見て取れ、いかにもこれから高架が主役、といったような、どこかわくわくするような眺めでした。

137035.jpgM艇長、川面から周りを見回しつつ「静かなところですねえ…。」と一言。本当に、首都高が間近を通っていると思えないほどですよね。ときおり、公園で遊ぶ子供たちの声が聞こえ、「街鳴り」ももちろんあるのでしょうが、それすら気にならないほどの静けさ。

水面の低さゆえか、河水が音を吸ってくれるのか…。いずれにせよ、ふと気付けば、川面は街中でも「静かだなあ」と感じさせられることが多いのです。
撮影地点のMapion地図

(25年11月1日撮影)

(『新しい霞橋』につづく)

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タグ : 大岡川

11月1日の大岡川…3

(『11月1日の大岡川…2』のつづき)

137026.jpg逆光の中、道慶橋に接近。高欄は改修されて最近風になっていますが、下端がゆるくカーブを描いたリベット組みの鈑桁、水切りに石材を用いた橋脚は原形のままです。

ピカピカの高欄にくらべて、桁の方は長い間手入れがなされていないのか、錆が浮きだいぶ痛みが目立ちますね。驚かされたのは桁本体でなく、橋をくぐって、橋脚の側面にふと目をやったときのこと。

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どうけいはしと、橋脚側面に大書きされている!

桁側面に橋銘板を掲げたり、橋側灯に橋名を透かしたり、あるいは船からの目線を意識した装飾を施したりと、「橋から水上へのメッセージ」には、たびたび興味をそそられてきたものですが、これはまた他に例を見ないタイプ!

しかも、橋上や岸からまったく見ることのできない、純粋に通航船へ向けられたものであることに、いっそう感動を深くしました。以前通ったときになぜ気づかなかったのか、これこそ本当に悔やまれたものです。今まで通った下流の橋には、なかったと思いますが…これも気づかなかっただけかな?

137028.jpg中村川との分流点にもっとも近い橋、山王橋も道慶橋同様の鈑桁橋。一見したところ、桁は山王橋の方が状態がよさそうですね。光線の具合か、桁裏のディテールもくっきり。

こちらの橋脚では、さらに驚きの事実が!




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風化してすっかり文字がかすれ、判読が難しいほどの状態ではあるものの、明らかにこれは右書き! この橋名、竣工当初から書かれていたのですね!

かすかに残った部分から推定するに、「しはうなんさ」でしょうか? よく探せば、他の震災復興橋にも、痕跡くらいは見つけられるかもしれません。この橋名表示、横浜独特なのでしょうか。他地方の橋でも同様の例があったら、ぜひご教示いただきたいものです。

137030.jpg河道がぐっと右に屈曲した区間を過ぎると、そこは中村川との分流点。頭上に首都高狩場線の高架が覆いかぶさってくる、高架下水路・中村川の最上流部でもあります。

そういえば、この先は入ったことがありませんでした。M艇長にその旨を伝えて、未踏破水路をチラ見してゆくことに。首都高の花野木出入口と、分流点がおりなす高架下風景が楽しめそうですね。
撮影地点のMapion地図

(25年11月1日撮影)

(『11月1日の大岡川…4』につづく)

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タグ : 大岡川 橋の裏側

11月1日の大岡川…2

(『11月1日の大岡川…1』のつづき)

137021.jpg都橋商店街を初めて見たM艇長、その威容(?)に打たれた様子で、感心しきり。自分的にも、まだ一度きりながら、あの張り出し廊下に立ったと思うと、こうして眺めても、以前とはまるで違った感じがします。

あっ、交番との間、水管橋の跡(赤矢印)らしいものが! 恥ずかしながら、今回初めて気づかされました。管の渡るところは、親柱さながら石張り装飾がなされているところを見ると、ずいぶん昔からあったのでしょうね。橋台下部の支承跡から、アーチかトラスで支えられていたものと思われます。

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最微速で遡上しながら、その見事な張り出しっぷりと、船着場を埋めた水際のラインを鑑賞。

川面を眺めるためのテラスなどでなく、まったく実用的な理由から、水面上に張り出された建物…。願わくば、末永くここに在ってほしいものです。

137023.jpgいま一つ、触れておきたいものが。船着場跡に建てられたとあって、流路方向両端は、護岸にかつてのスロープの線が残っていますが、橋詰に近い何軒かは、床面もそれに合わせて階段状になっていること。

中も1軒づつ、段々になっているのかなあ…。入って確かめてみたくなりました。



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栄橋近くで見られた、護岸を掘り込んだ形に造られた階段も味わい深し。

柵には扉は備えられていないようでしたが、こんなささやかなものでも、艇から見ると安心感が違います。

137025.jpg白金町1丁目付近、道慶橋が見えてきました。この橋も古そうですね。大岡川は、下路式橋こそないものの、昭和初期の橋がいくつも息づいており、眺め、くぐるのが楽しい川でもあります。

この道慶橋でも、今回ようやく気づかされ、驚いたことがありました。先の水管橋跡同様、地元の方からすれば「何を今さら」というレベルのものですが…。
撮影地点のMapion地図

(25年11月1日撮影)

(『11月1日の大岡川…3』につづく)

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タグ : 大岡川

11月1日の大岡川…1

(『11月1日の運河風景…3』のつづき)

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京浜運河を出て、ほぼ針路そのままで港内を横断すれば、お久しぶりの大岡川の入口。大観覧車・コスモクロック21、ミカンのふさのような、グランドインターコンチネンタルホテルを左右にあおぎ、意気揚々と進入開始。

137017.jpg以前も触れましたが、大岡川の河口の延長部を含めた、新港の周りにあるこの水路、正確には「新港町埋立堀川」なる名前があるそうです(参考:『川の街・横浜 ミナトを支えた水運』横浜開港資料館刊)。

その新港町埋立堀川を進み、おなじみ汽車道のトラス橋をあおいで。逆光に目を細めて見上げたトラスは、今日も汽車道を散策する人々で賑わっているようでした。


137018.jpg大岡川に入り、北仲橋、弁天橋とくぐったところで、両岸に広がる業務船の船溜風景。う~ん、逆光がツラい…。

ビル街に挟まれた街場の水路で、無骨な曳船や通船の憩う姿を眺められるのは、これまた乙なもの。大岡川にやって来た実感が、体にじわじわと染み入ってくるような眺めです。

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今回一番の、ハートをわしづかまれた船! 以前訪ねたときも、ここにいたかなあ? 気づいていなかったとしたら、実に悔しいと思わせるほど、魅入られてしまったのです。

一見、「変わったカタチの通船だな」とやり過ごそうとし、「イヤ違う! 何だこれ?」と二度見してしまったほど。不細工な客車(失礼)のような、中途半端に長い操舵室の前は、作業甲板のフラットなどでなく、ホールド。小なりといえど、船倉を持った独航艀なのでした。

ホールドのハッチは、その前後に無造作に積まれた木の板なのでしょう。舷側にタイヤのフェンダーをみっちりぶら下げた、木造らしい曳船似の船体と、後からとってつけたような上部構造が醸し出す、アンバランスな魅力! 船名は薄れてよく読めませんでしたが、「第一武丸」のようでした。

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やはり大岡川とくれば…。都橋商店街を、ご本尊の都橋下から眺めて。先日念願かなって、2階の張り出しから川面を眺めることができただけに、改めて水面から見上げてみたくなりました。
撮影地点のMapion地図

(25年11月1日撮影)

(『11月1日の大岡川…2』につづく)

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タグ : 大岡川 横浜港 橋の裏側

京浜運河工場夜景めぐり

134001.jpg9月2日月曜日、夜歩きに縁薄い船頭としては珍しく、横浜は大桟橋のあたりで夜景を眺めておりました。ああ、キレイだなあ。まさにブルーライト・ヨコハマ。

12月9日の閘門様」ほかでもご一緒したF記者から、運河から船で、京浜工業地帯の夜景を楽しむツアーはいかがとのお誘いをいただき、工場夜景を一度眺めてみたいと思っていたこともあって、いそいそと大桟橋埠頭ビルにおもむいたのです。

手持ちのコンデジでは、見られる夜景写真など望むべくもないのは明白ではありましたが、照明をきらめかせる工場やフネブネ、そして夏の夜らしい潮の香りも嬉しく、大いに楽しんできました。
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タグ : 横浜港 京浜運河 大師運河 大岡川