夕暮れの運河風景…2

(『夕暮れの運河風景…1』のつづき)

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137051.jpg港内に入って、横浜の街に目を向けると、陽はすっかり傾いて街並みは雲の影に沈み、水面に光のラインを作っていました。まさに、秋の日はつるべ落とし。

日没まであと1時間半を切ったこともあり、しぶきがかぶるのも構わず、行き足を緩めずに京浜運河をひたすら東航。西日を浴びた扇島火力発電所の煙突は、なぜか煙を吐いていませんでした。


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飛ばした甲斐あって、20分ほどで大師運河に到達。オレンジ色のLPGタンカーが、夕陽を浴びてさらに色濃く朱に染まった美しさに、「おっ」と目を惹かれたものの、ゆっくり眺めるいとまもなく、さらに前進です。

137053.jpg多摩運河に入ったのは、ちょうど16時。静かな水面の向こうに、夕陽を反射させた浮島橋と、その上に重なる首都高の高架を見たときは、正直ホッとしたものです。

これで、視界が利く間に多摩川の澪筋を抜けられる! もっとも、写真は明るく写ってはいるものの、水面はすでに夕闇が迫り始め、行き交うフネブネも、灯火を点灯させているものが多くなってきました。我が艇もマスト灯・両舷灯を点け、久方ぶりの薄暮航行となりました。

137054.jpg海老取運河を抜けたところで、しぼったスロットルをふたたび倒し、飛ばしに飛ばして京浜運河北口を出ました。多摩運河からここまで38分、のんびり屋の我が艇としては、新記録かもしれません。

薄暮の船行きはめったにないことでもあり、夜を迎えつつあるレインボーブリッジを背景に、点灯するマスト灯を一枚。寒さが身に沁みた帰り道ではありましたが、夕陽を浴び、また夕闇に沈みゆく運河畔も、日中とはまた違った味があるなあと、再認識したことではありました。
撮影地点のMapion地図

(25年11月1日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 京浜運河 多摩運河 横浜港

11月1日の運河風景…3

(『11月1日の運河風景…2』のつづき)

137011.jpg多摩運河唯一の橋、上を首都高川崎線が2段で通る浮島橋をくぐっている最中に、列車の刻むジョイント音と、ピィーッと機関車の汽笛が。めったに出会わない、貨物列車が通過しているんだ!

くぐりざま、あわてて振り返りカメラを構えると、残念ながら列車は通過した直後。かろうじてタンク車の連なる最後尾をとらえたにとどまりました。悔しそうなわたしの顔を見て、M艇長、「残念でしたねえ」とニヤリ。

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多摩運河西口、小島町側にある工場の桟橋(Mapion地図によると『川崎シーサイドアスコン』)では、本船が接岸し、岸壁上のクレーンがブーンとグラブを振りまわして荷役中。

船名は「第百三十六鳳生丸」…う~ん、今まで見た中で、この船が一番のインフレナンバーかも。

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その対岸、夜光1丁目の旭化成ケミカルズ川崎製造所を、十字流から眺めたところ。

こうしてパノラマ写真風に天地を狭くトリミングしてみると、プラントや煙突の林立する右側から、球形タンクの並び、本船の接岸する左側まで、じっくりと眺めて味わいたくなるのですから、不思議なものですね。

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京浜運河を西航するたび、強烈な形で意識を吸い寄せられてしまうのがこの、三井埠頭のアンローダー。

以前、「京浜運河地帯に拾う…4」で眺めたときとは違い、陽射しを浴びてオレンジ色の塗装が美しく輝き、なかなかよい表情でした。

137015.jpg日清製粉のサイロの前にさしかかると、黒い船体の曳船が2隻東航してきて、接岸しているグレーの本船の前で行き足をゆるめました。

動きからして、どうやら本船の離岸作業に入るようですね。周囲を見回して、接近する他船がないことを確かめてから、お邪魔にならないよう運河中央へ大きく避航します。
撮影地点のMapion地図

(25年11月1日撮影)

(『11月1日の大岡川…1』につづく)

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タグ : 多摩運河 京浜運河 曳船

京浜運河地帯に拾う…1

(『多摩川澪筋の風景…2』のつづき)

77021.jpg水深の心配がなくなったところで、チルトをダウンさせ、スロットルを倒して勇躍、前進原速。首都高神奈川6号川崎線と3段重ねの橋、浮島橋をくぐれば、そこはもう工業地帯の一角。

長い間訪ねていなかったので、「呼ばれていない」感じがするかしら、と心配しないでもなかったのですが、特に抵抗感のないまま「京浜運河地帯の門」を通過することができ、まずは幸先よい滑り出しではあります。

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浮島橋をくぐって、まず視界に飛び込んできたのがこの巨大な台船。左に見える4脚の頑丈そうな櫓、縦横に走るトラスやステーで支えられたパイプが物々しく、乾舷の高さとあいまって、意識を吸い寄せられる迫力があります。

櫓のてっぺんから、パイプの乗ったトラスの右にワイヤーが伸びていて、デリックのように動かすことができる構造であること、船体右端から水面に向かって突き出すパイプが見えることなどから、浚渫や埋め立て時の送泥作業に使う、ポンプ船のように思えました。

帰宅後、船名「第77扇栄」で検索してみると、「東京国際空港(羽田空港)の新しい滑走路(D滑走路)~埋立部 管中混合固化処理土の打設が3船団体制で本格化~」(PDF)がヒット。

羽田空港D滑走路の建設時に活躍した、「管中混合固化処理土船団」の一隻、信幸建設所属の打設船として、写真が出ていました。アンローダーの一種だったのですね。

77023.jpg多摩運河を出て、夜光・大師・千鳥各運河との十字流に入ったところで、水蒸気をもうもうと吐き出す、旭化成ケミカルズ川崎工場(…と、地図にありました。はい)の煙突がお出迎え。

パイピングや櫓、タンクや煙突などのもろもろが複雑に交錯する、工場風景を楽しみながら十字流を直進。

77024.jpg左に折れて大師運河を下ってもよいのですが、港湾部は旗日とはいえ平日並み、本船の出入りでもあればことと、ここはおとなしく千鳥運河経由のコースを取ることにしました。

微風も手伝って一面にもやがかかり、写真を撮ってもいま一つシャープさに欠けるのが痛いところですが、水面が穏やかなのはありがたく、木っ端ブネにとって何よりのご馳走です。

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国道132号線・千鳥橋の架かる、千鳥運河の狭窄部に近づきました。鉄道橋、道路橋、その向こうには鈑桁で管路が渡る橋梁密集地ですが、手前にも一つ管路を渡すトラスが。可撓継ぎ手なのか、途中でくにゃりと曲げてあるのが面白いですね。

千鳥運河名物である、お絵かきタンク(10月16日からのタイトル参照)の裏側は、なぜか絵柄がなく生地のままですが、「アサ」の字が残っているところを見ると、もとは「アサノセメント」とでも書かれていたのでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(23年10月10日撮影)

(『京浜運河地帯に拾う…2』につづく)

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タグ : 多摩運河 千鳥運河 打設船

多摩川澪筋の風景…2

(『多摩川澪筋の風景…1』のつづき)

77016.jpg多摩運河入口の左手、多摩川でいうと下流側角には、日鉄鋼管川崎の建屋が岸に沿って長々と伸びています。この角も砂洲ができているので、あまり下流側に寄せ過ぎないようにしないといけません。

以前来たときは、この建屋の下流側にある桟橋に、バージが何隻か横付けしていたのですが、ご覧のとおりがらんとしていました。

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いや~、久しぶりだなあ、多摩運河。多摩川下流部は何度かうろついてはいたものの、県境を越えて京浜運河地帯に入るのは、ほぼ3年ぶりですから、ちょっとした感動でした。

とはいえ、入口付近まで水深は浅く、まだ気は緩められません。多摩川をほぼ外れたあたりで、下流寄りのコースから、徐々に多摩運河の中央に向けて舵を当て、向こうに見える浮島橋の径間目指して、艇を持ってゆきます。

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これは自分用の覚え書きですが、多摩運河入口から、後ろを振り返ったところ。新しい管制塔(赤矢印)がよい目標になっていますね。

多摩運河から多摩川に出る際は、運河出口で鉄骨製の大型澪標(青矢印)の少し右側(モノレールの橋脚でいうと2径間分くらいでしょうか)に管制塔を見て、下流側にちょっと当てながら進むと具合が良いようです。

77019.jpg運河の入口あたりから、浅かった水深が徐々に深まりだし、魚探の感に傾斜が描かれるようになりました。多摩川の澪筋区間を脱出したサインです。

広大な河口の風景や、美しい水鏡を楽しみながらのそろそろ歩きとはいえ、いろいろと気を遣う区間ですから、やはりホッとさせられます。山口氏と二人で一服つけて、無事の(大げさだな)京浜運河地帯入りを噛み締めました。

77020.jpg多摩運河に入って、右手を見ると、まだ新しいANAのロゴを掲げた建物が。空港にいるようなトラックが、搬出入口にボックスをあてがっていますが、空港関連の施設なのでしょうか。地図には「三愛石油ANAケータリング棟エネルギーセンター棟」とありました。

ここ、18年に通ったときには、球形のガスタンクを解体していた(過去ログ・18年6月24日撮影のタイトル画像参照)場所ですよね。ずいぶん様変わりしたものです。
撮影地点のMapion地図

(23年10月10日撮影)

(『京浜運河地帯に拾う…1』につづく)

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タグ : 多摩川 多摩運河