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松重閘門ふたたび…4

(『松重閘門ふたたび…3』のつづき)

206016.jpg前扉室周りのディテールが眺められるところを探して、ウロウロするも厳重にフェンスで囲われており、網の目もカメラの鏡筒より小さく、どうにも具合の悪い状況。何とか写して、フェンスの針金をトリミングしたのがこの一枚です。

バイパスゲートの巻上機が、両岸とも草に埋もれずに観察することができました。


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こちらは仕方なく、フェンスに半ばよじ登って撮ったもの。ゲート周りをも少し近くで眺めてみたいのですが、これが精一杯です。

しかし、稼働していないとはいえ、水面に倒立像を映す姿は、現役時を髣髴させよいものです。新緑に見え隠れする堰柱も風情がありますね。

206018.jpg南側からはどうにも撮りあぐねて、北側から狙おうと、松重橋の上に来てみました。あっ、ここもグローブ灯だ。柱や灯器周りの造作もより凝った、なかなか瀟洒なものです。

ここなら南側よりはイケそうかな‥‥と、閘門を振り返り振り返り、橋の真ん中あたりまで出てみると‥‥。



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むう、いい角度ではあるのですが、電線が横切ってしまうのが玉にキズ。それでも午前中の陽射しを浴びて、うっそりと立ついい表情をものすることができました。

尖塔のディテールのきめ細かさ、基部の流れるようなラインの処理や石張装飾‥‥。こうして橋上から眺めてみると、多くの目に見られることを意識し、「街場の閘門」として造られたことを改めて感じました。高い建物がなく、4本の堰柱が抜きんでていた時代、その存在感は想像以上のものがあったでしょう。こうして保存・顕彰されているのも、長きにわたり人々の目に鮮烈な印象を与え続けたからこそ、といった思いを強くします。

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ズームでたぐらずにはおれない、巻上機架台。こちらの方が浅い角度でねらえたので、伝動軸や減速装置がよく見えます。信号の灯器、こちらは下向きに角度がつけてあるのですね。前扉室の方が、堰柱の高さがあるからでしょう。
撮影地点のMapion地図

(29年5月3日撮影)

(『松重閘門ふたたび…5』につづく)

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タグ : 松重閘門中川運河東支線堀川閘門

9月28日の中村川…2

(『9月28日の中村川…1』のつづき)

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135077.jpg西之橋上流側のバージハウス、水線付近にだいぶ傷みが目立つようになったもの、まずはお元気そうでなによりです。前回、「中村川の船影…2」のときは、上流側に漁船が2隻もやっていましたが、今回はそれもなく、ちょっと寂しい雰囲気。

西之橋も変わらず、鋼アーチらしい軽妙な姿を楽しませてくれました。ちなみに写真左側、西之橋とバージハウスの間には、台船らしい錆び崩れた残骸が沈んでいますので、近寄らないようご注意!

135078.jpg谷戸橋かっこいいよ谷戸橋。構造の複雑さはもとより、親柱から続く橋台下の段々など、ディテールにタマラン部分がてんこ盛り。横浜の復興橋も東京のそれに劣らず、魅力的なものが多いですよね。

ええと、西之橋から下流は中村川でなく、正しくは堀川です。流してしまってごめんなさい。



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135080.jpgこれも毎回、同じようなアングルで撮ってしまいます。堀川河口から、首都高の新山下出入口がおりなす、複雑なカタチに見惚れて一枚。

河口右手、新山下運河西口には、まだ塗料の色も真新しい、霞橋が見えました(過去ログ『新山下運河…6』参照)。この橋、浦舟水道橋と同じく、古典橋梁の部分を再利用した、移設保存橋というべきもの。詳しくは、また後日ご紹介しましょう。
撮影地点のMapion地図

(25年9月28日撮影)

(『9月28日のタイクーン』につづく)

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タグ : 中村川堀川新山下運河高架下水路

船溜とタイクーン

(『中村川の船影…2』のつづき)

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中村川、堀川を下って港内へ出ました。新山下運河(過去ログ『新山下運河…1』以下のシリーズ参照)の北口も近いこのあたり、橋と首都高の高架が交錯する、独特の景観が味わえる場所でもあります。

写真の中央、桁下にさらに桁を吊り下げているところ、隅田川畔は両国ジャンクションの「吊られる桁」(『吊られる桁 VS 喰われるトラス』参照)に近いものがあって、面白いですね。

77092.jpg山下・本牧両埠頭の間の水面は、港内業務船のひしめく船溜。東京港とは一桁違う活気を、肌で感じられる水面でもあります。

右手にはカラフルな塗装の業務船たちが、ずらりともやってお出迎え。本船に横付けして、真水を供給する水船か、燃料を運ぶ油船でしょうか。


77093.jpg目を左に転じれば、山下埠頭にもやう黒いバージの一群。東京港ではすでに見られなくなった、瀬取りをするための艀船隊です。

これを見ると、横浜に来たんだなあ、という実感がこみ上げてきて、何ともいえないいい気分。この日は天候も穏やかでしたから、なおさらです。


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そんな船溜の奥にあるのが、あまりにも有名な桟橋付きレストラン、タイクーン。食事をしている目の前で、曳船が黒煙を噴き上げつつ、バージの入れ替えをしているのが見えたりするのですから、業務船ファンなら、ボートオーナーならずとも楽しいところでしょう。

この日は山口氏にお誘いいただいたお陰で、タイクーンで久しぶりのランチです。近づいてみると、好天の休日とあって桟橋は大賑わい。一見しただけでもヨット・クルーザー6隻、PWCも鈴なりのギッシリぶり、眺めているだけで楽しくなる「船いきれ」ムンムンの賑やかさですね。

77095.jpg大型ヨットとクルーザーの外にメザシにつけさせてもらい、2隻の甲板を失礼して桟橋へ。

無知とは恐ろしいもので、上陸したときは「鋼製の大型ヨットは珍しいな」くらいの感想しかなかったのですが、この船、8度の単独世界一周を成し遂げた斉藤実氏の、「酒呑童子Ⅲ」だったのです。しかも、その8度目の世界一周航海を、9月17日に終えたばかりなのだったとか。
(『Saito Challenge 2008-2011』参照)

ううむ、そんな偉大な船の甲板を、意識もせず気軽に踏んでいたとは。失礼しました。船体のただならぬ痛み方にも、大洋を渡ってきた苦闘の跡がしのばれます。タイクーンを訪れていた人の中にも、興奮の面持ちで斉藤氏に話しかける人もおり、桟橋やテラスは、ちょっとしたお祭りムードに包まれていました。
撮影地点のMapion地図

(23年10月10日撮影)

(『新山下貯木場閘門の遺構』につづく)

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タグ : 堀川横浜港タイクーン

松江堀川めぐり…17

(『松江堀川めぐり…16』のつづき)

船頭さんのお勧めということもあり、北堀橋をくぐったところで、ふたたび天守を狙ってみたら…。まあ、カメラの腕に加えて光線もアレなので、それなりではありましたが、なんとか形だけは判じられる程度のものが撮れました。

手前右に少しだけ見えるのが、往路で紹介した宇賀橋です。
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堀川を一周して、ふたたび城山内堀川に戻ってきました。発着場の桟橋では、もやいを取るために、スタッフの方が待ってくださっています。

ちなみにこの大手前広場発着場、黒田町のふれあい広場、京店のカラコロ広場に続く3つ目の乗り場として、開業1周年の平成10年7月に開設。松江城散策とセットで利用できると好評で、大手前駐車場も隣接しているため、車で訪れても便利なところです。
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コタツに可動式オーニングと、舟の充実した装備はもとより、船頭さんのサービスたっぷりのガイドや、堀川の多彩な風景…おなか一杯の水路行でした。スタッフの方にお願いして、船頭さんと記念撮影のあと、名残を惜しみつつ下船。

NHKの連続ドラマでもおなじみ、「また来てごしない、だんだん」の挨拶で送り出してくれるのが、なんとも嬉しく感じられたものです。
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発着場の前にあった、ルートマップをご参考までに。

こうして地図で見てしまうと、わずかな道のりに過ぎないことがわかりますが、緑豊かな城山沿いから、無機質の最たる暗渠までと、バラエティ豊かな沿岸の風物のおかげで、50分足らずとはとても思えないような、長距離航行をした気分になれました。
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せめてさわりだけでも見ておこうと、大手門跡から、松江城の見事な石垣を眺めて…。

…さて、最初にも書いたように、用足しで次のスケジュールが押しているため、移動を急がねばなりません。先ほどまでの、ノンビリした空気をふるい落として、あたふたと駅へ向かいました。
撮影地点のMapion地図
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(21年2月6日撮影)

2月6日の項の参考文献
松江 堀川めぐり(中国新聞松江総局 編)松江今井書店 

(この項おわり)

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タグ : 松江堀川城山内堀川

松江堀川めぐり…16

(『松江堀川めぐり…15』のつづき)

普門院橋を前に、ウィ~ンとオーニング降下、最後のすり抜けです。

イヤ、オペレーション付きの橋くぐり、すっかりクセになってしまいました! 今度、東京で自分の艇を出すときは、真っ先に橋の低いところに吸い寄せられそう。江東内部河川も、しばらく訪ねていませんでしたから、久しぶりにすり抜けをしに、遊びに行ってみましょうか…。
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普門院橋をくぐってしばらく走ると、水路の幅が広くなりました。北田川に戻ってきたのです。

「このあたりから、この先の北堀橋にかけての場所で眺める松江城は、最も美しいとされているんですよ。写真を撮られるならぜひ…」と勧められたものの、あいにく雲がかかってきたのと、ほぼ逆光という条件の悪さが重なり、残念な仕上がりになってしまいました。
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ここは水路が二股になった地点でもあり、北東側には、北田川の本流が分岐しています。

この先は宍道湖に注ぐ、朝酌川につながっているほか、結構な数の可航河川が分岐しているんですよね…。将来、水郷十六島のように、小舟を貸切できるコースが設定されたら、ぜひ走ってみたいものです。
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北堀町の岸辺を眺めて。

松並木の枝ぶり、堀に正面を向けた瓦屋根の家並み、石段がいたるところに開かれた護岸と、バランスの取れた修景がなされています。
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船頭さんがふたたび、「北堀橋越しに眺めた、松江城の天守もいいものですよ~」と勧めてくれるのですが、あいにく日がかげって、やっぱり撮影に失敗…。

仕方がないので、振り向きざま北田橋の近影を一枚。和風味の造作でしたが、欄干含めコンクリート打ちぱなしらしい、簡素な橋でした。擬宝珠だけは、銅製のようですね。
撮影地点のMapion地図
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(21年2月6日撮影)

(『松江堀川めぐり…17』につづく)

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タグ : 松江堀川北堀川