根岸湾への道々で…2
(『根岸湾への道々で…1』のつづき)

●堀割川に入りました。通るたびに気になっていた、堀ノ内町1丁目の荷揚場跡、意外なことに補修の手が入っていました。
「9月28日の堀割川…4」の時点では、敷石や縁石は多くが脱落して、草ぼうぼうと廃墟そのものといった風情でしたが、ご覧のとおりすっかり修復されていたのです。中央の階段には「繋留禁止」の看板が掲げられていましたが、これから活用する予定でもあるのでしょうか。
●少し風が出てきて、川面にさざ波を立てながら、海の匂いが運ばれてくるのを感じつつ下航。
毎度のことながら、両岸に道が沿っているゆえの開けた視界、石垣護岸の醸す落ち着いた雰囲気とあいまって、本当に気持ちのよい水路です。繋留船艇はごく一部を除いてほぼ一掃され、かつての賑やかさが失われたのは寂しいですが。

●かつて船溜の入口だった水路跡に架かる橋、矢倉橋もお変わりなさそうで何より。
堀割川本流は、いくつかの橋が改架されるなど、だいぶ雰囲気が変わってきましたが、石垣護岸と合わせて、このように昔のままの姿が維持されている部分もあるのは、艀輸送華やかなりしかつてを偲ぶうえでも、悪いことではありません。

●根岸線、高速湾岸線をくぐったすぐ西岸、業務船を手掛ける造船所(Mapion地図では『河野造船所』とあり)があって、上架された船や前にもやう曳船群を眺めるのが楽しみだった(『9月28日の堀割川…1』参照)のですが、今回見てみたら、がらんとして船影もなく、ちょっと様子が違いました。
う~ん、これはもしかして、廃業されたのかなあ‥‥。両岸を埋めた繋留船群とともに、業務船たちの無骨かつ魅力的な姿も消えてしまうとは。雑然としながらも賑わっていたかつての堀割川を思うと、寂しさを禁じ得ませんでした。
●堀割川を出て取舵、根岸湾に出ました。先行艇の航跡をなぞりながら、思い切りスロットルを倒して、プレーニングに入りましょう。
青空の下、コンビナートに火発、巨大な本船を眺めがら飛ばす爽快さ。南風でだいぶ波が立ってきましたが、目指すベイサイドマリーナはもうすぐ、ピッチングをしばしガマンして針路を南へ。
(31年4月13日撮影)
(『根岸湾への道々で…3』につづく)

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●堀割川に入りました。通るたびに気になっていた、堀ノ内町1丁目の荷揚場跡、意外なことに補修の手が入っていました。
「9月28日の堀割川…4」の時点では、敷石や縁石は多くが脱落して、草ぼうぼうと廃墟そのものといった風情でしたが、ご覧のとおりすっかり修復されていたのです。中央の階段には「繋留禁止」の看板が掲げられていましたが、これから活用する予定でもあるのでしょうか。

毎度のことながら、両岸に道が沿っているゆえの開けた視界、石垣護岸の醸す落ち着いた雰囲気とあいまって、本当に気持ちのよい水路です。繋留船艇はごく一部を除いてほぼ一掃され、かつての賑やかさが失われたのは寂しいですが。

●かつて船溜の入口だった水路跡に架かる橋、矢倉橋もお変わりなさそうで何より。
堀割川本流は、いくつかの橋が改架されるなど、だいぶ雰囲気が変わってきましたが、石垣護岸と合わせて、このように昔のままの姿が維持されている部分もあるのは、艀輸送華やかなりしかつてを偲ぶうえでも、悪いことではありません。

●根岸線、高速湾岸線をくぐったすぐ西岸、業務船を手掛ける造船所(Mapion地図では『河野造船所』とあり)があって、上架された船や前にもやう曳船群を眺めるのが楽しみだった(『9月28日の堀割川…1』参照)のですが、今回見てみたら、がらんとして船影もなく、ちょっと様子が違いました。
う~ん、これはもしかして、廃業されたのかなあ‥‥。両岸を埋めた繋留船群とともに、業務船たちの無骨かつ魅力的な姿も消えてしまうとは。雑然としながらも賑わっていたかつての堀割川を思うと、寂しさを禁じ得ませんでした。

青空の下、コンビナートに火発、巨大な本船を眺めがら飛ばす爽快さ。南風でだいぶ波が立ってきましたが、目指すベイサイドマリーナはもうすぐ、ピッチングをしばしガマンして針路を南へ。
(31年4月13日撮影)
(『根岸湾への道々で…3』につづく)

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タグ : 堀割川
夕暮れの運河風景…1
(『新しい霞橋』のつづき)
●堀川・中村川を戻り、堀割川を下ってしばし、「9月28日の堀割川…3」でも触れた、天神橋の架け替え工事現場を通過。前回とは逆に、台船や曳船は東岸寄りに固まっており、前ほどの緊張感もなくかわすことができました。
舷側のみならず甲板上まで、船体を赤錆びさせた曳船、「宇山200号」に惹かれて一枚。台船に鋼材と、錆色の目立つ風景は、お仕事ブネの雰囲気みなぎる、硬派な魅力に満ちた眺めでもあります。
●わざわざ堀割川を下ったのは、根岸湾に出て横浜ベイサイドマリーナに寄港するため。ビジターバースにもやって、M艇長と遅い昼食です。
実はM艇長、船舶免許の講習はこちらだったとのことで、いわば母港への里帰りといったところ。バースも空いていて、センターハウス前にもやうことができ、スタッフの対応も丁寧で、ゆっくり休憩することができました。

●15時過ぎにベイサイドマリーナを解纜、根岸湾を横断して、南本牧運河を東航。南本牧大橋の主塔を仰ぐと、ほんのり赤みがかっています。日が短くなったとあって、もう夕暮れが迫っているのですね。
この橋の初めて見せる夕景に魅せられながらも、日が落ちる前に多摩川を越えねばと、スロットルを倒して行き足をつけました。新橋の工事現場を横目に見つつ、増速前進。

●本船の動きをにらみながら航路を抜け、振り返った横浜ベイブリッジも、これまた夕暮れの装い。陽が落ちるとともに、気温もぐっと下がり、寒気が服を通して沁み入ってきました。帰路を急ぐとしましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(25年11月1日撮影)
(『夕暮れの運河風景…2』につづく)

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舷側のみならず甲板上まで、船体を赤錆びさせた曳船、「宇山200号」に惹かれて一枚。台船に鋼材と、錆色の目立つ風景は、お仕事ブネの雰囲気みなぎる、硬派な魅力に満ちた眺めでもあります。

実はM艇長、船舶免許の講習はこちらだったとのことで、いわば母港への里帰りといったところ。バースも空いていて、センターハウス前にもやうことができ、スタッフの対応も丁寧で、ゆっくり休憩することができました。


この橋の初めて見せる夕景に魅せられながらも、日が落ちる前に多摩川を越えねばと、スロットルを倒して行き足をつけました。新橋の工事現場を横目に見つつ、増速前進。

●本船の動きをにらみながら航路を抜け、振り返った横浜ベイブリッジも、これまた夕暮れの装い。陽が落ちるとともに、気温もぐっと下がり、寒気が服を通して沁み入ってきました。帰路を急ぐとしましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(25年11月1日撮影)
(『夕暮れの運河風景…2』につづく)

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9月28日の堀割川…4
(『9月28日の堀割川…3』のつづき)

●足場をくぐり抜けたところで、天神橋の側面を垣間見ることができました。桁側面は色あせて、書かれている橋名や「桁下高2.2m」の文字も判読が難しいほど。高欄には横断幕が掲げられ、「天神橋架替工事のお知らせ 工期:平成25年2月15日~平成27年11月末(予定)」とありました。
石材が張られた、古い橋脚を持つ鋼桁橋が、また一つ引退してゆくのですね。撤去される前に、ひと目でも眺めることができて、何よりではありました。
●ほぼ完全な形で残るのは、ここだけということもあり、通るたびにカメラを向けてしまう、堀ノ内町1丁目の荷揚場跡。
昨今の変貌著しい水辺に慣れてしまうと、今度こそ跡形もなくなっているのでは…と、心配しながら近づき、健在を確認して胸をなでおろすのですが、石段やアイの残る石垣護岸が、ほとんどの区間で現役のうちは、あまり心配しなくてもよさそうです。

●最後の屈曲を抜けるあたりでくぐるのは、コンクリート生地の側面もまだま新しそうな、中村橋。新しい橋とあって見通しのよい一径間、航路標識を桁下端に表示するサービスも。
中村橋をくぐれば、こちらもお久しぶり、首都高狩場線が上を通る高架下水路、中村川との丁字流です。左右にもやうフネブネも、オーナーが在艇しているものが相変わらず少なくなく、横浜らしさが感じられて嬉しいもの。手を振ってあいさつしつつ通り抜け、堀割川にお別れです。
●面舵を切り、久良岐橋をくぐって中村川を下ります。堀割川は水が透んでいましたが、こちらも決して悪くないコンディションのようです。
高架も2段式で、幅が抑えてあるとあって、青空が望める明朗な高架下水路、中村川! 期待にたがわず、この後、以前通ったときとは違った表情を見せてくれました。
【撮影地点のMapion地図】
(25年9月28日撮影)
(『9月28日の中村川…1』につづく)

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●足場をくぐり抜けたところで、天神橋の側面を垣間見ることができました。桁側面は色あせて、書かれている橋名や「桁下高2.2m」の文字も判読が難しいほど。高欄には横断幕が掲げられ、「天神橋架替工事のお知らせ 工期:平成25年2月15日~平成27年11月末(予定)」とありました。
石材が張られた、古い橋脚を持つ鋼桁橋が、また一つ引退してゆくのですね。撤去される前に、ひと目でも眺めることができて、何よりではありました。

昨今の変貌著しい水辺に慣れてしまうと、今度こそ跡形もなくなっているのでは…と、心配しながら近づき、健在を確認して胸をなでおろすのですが、石段やアイの残る石垣護岸が、ほとんどの区間で現役のうちは、あまり心配しなくてもよさそうです。


中村橋をくぐれば、こちらもお久しぶり、首都高狩場線が上を通る高架下水路、中村川との丁字流です。左右にもやうフネブネも、オーナーが在艇しているものが相変わらず少なくなく、横浜らしさが感じられて嬉しいもの。手を振ってあいさつしつつ通り抜け、堀割川にお別れです。

高架も2段式で、幅が抑えてあるとあって、青空が望める明朗な高架下水路、中村川! 期待にたがわず、この後、以前通ったときとは違った表情を見せてくれました。
【撮影地点のMapion地図】
(25年9月28日撮影)
(『9月28日の中村川…1』につづく)

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9月28日の堀割川…3
(『9月28日の堀割川…2』のつづき)
●左側にひと塊りになっている工事船団を一枚。クレーン台船1、鋼材を乗せた小型台船1、曳船1といったところでしょうか。台船はいずれも赤錆びていて、クレーン台船が傾いていることも手伝い、ちょっと雑然とした雰囲気。
鋼材を組んだ足場は仮橋と思っていたら、変電設備が載っているので違うみたいですね。

●…しかし、この航路標識はどう理解すればいいのでしょうか?
矢印に素直に従えば、台船と足場のすき間を左へすり抜けろ、ということになり、無理がありまくりです。
やってできないことはないでしょうが、これは直進一択しかないような…。迷っていたら、もう目前に迫ってしまったので、ええい、ままよと最微速で直進決定! どうか、ペラが触れたりしませんように。

●と、すぐ右側に杭の列が透けて見え、身の縮む思い。くわばらくわばら。この日は水の透明度が高かったので、まあ、よく見えること。その恐ろしげなことったらありません。
もとは桟橋の脚だったのか、単なる繋留のための河岸棒だったのか…。まさか、旧橋の橋脚跡なんてことはありませんよね?
●足場の下流側には、何やら歩み板のようなものが、わざわざパイプをかって鋼材の両側に渡してありました。この上に梁を取り付けるための準備なのか、すぐ下の水面下に突き出る横材のガードも兼ねているでしょうか。
この径間を航路に指定するなら、可航幅を狭めるようなまねはしないでしょうから、矢印の誘導は正しかったのでしょう。しかし、もう遅い…。
●ずるずると足場下に突入。幸いにして水深は安定し、障害になるようなものはありませんでした。ホッ…。
いや、思った以上に狭いですね。桁下高は、この潮位でマストを立てていられるので、まあちょろい(笑)レベルだとしても、径間は5mもないでしょう。通航できる艇種は、かなり限られそうですね。
【撮影地点のMapion地図】
(25年9月28日撮影)
(『9月28日の堀割川…4』につづく)

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鋼材を組んだ足場は仮橋と思っていたら、変電設備が載っているので違うみたいですね。

●…しかし、この航路標識はどう理解すればいいのでしょうか?
矢印に素直に従えば、台船と足場のすき間を左へすり抜けろ、ということになり、無理がありまくりです。
やってできないことはないでしょうが、これは直進一択しかないような…。迷っていたら、もう目前に迫ってしまったので、ええい、ままよと最微速で直進決定! どうか、ペラが触れたりしませんように。

●と、すぐ右側に杭の列が透けて見え、身の縮む思い。くわばらくわばら。この日は水の透明度が高かったので、まあ、よく見えること。その恐ろしげなことったらありません。
もとは桟橋の脚だったのか、単なる繋留のための河岸棒だったのか…。まさか、旧橋の橋脚跡なんてことはありませんよね?

この径間を航路に指定するなら、可航幅を狭めるようなまねはしないでしょうから、矢印の誘導は正しかったのでしょう。しかし、もう遅い…。

いや、思った以上に狭いですね。桁下高は、この潮位でマストを立てていられるので、まあちょろい(笑)レベルだとしても、径間は5mもないでしょう。通航できる艇種は、かなり限られそうですね。
【撮影地点のMapion地図】
(25年9月28日撮影)
(『9月28日の堀割川…4』につづく)

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タグ : 堀割川
9月28日の堀割川…2
(『9月28日の堀割川…1』のつづき)

●さっそく小さな変化を発見。桁下高を確保するため、ぐっと反った桁を持つ、現代版太鼓橋といった風情の磯子橋。桁の薄さにくらべて、橋脚の耐震補強が異様に分厚く見える橋でもあります。
変わった点は、橋脚のコンクリート、鋼製部分とも再塗装されていたこと。ささやかな更新ですが、大切にされていることがうかがえました。
●磯子橋をくぐったあたりで、ドン、と軽いショックがあり、驚いてスロットルをニュートラルに。ペラを触礁させたにしては、あのイヤな音もなく艇も振れ回らなかったので、チルトアップしてみると、果たして、ぶ厚いビニールが何重にも巻き付いていました。
F記者にボートフックを持って周囲を警戒してもらい、頑固に喰い込んだビニールを苦労して除去。「漁船が全部出た後でよかったですねえ!」とF記者。いやまったく、航路を塞いで迷惑をかけたらことでした。
●幸いにして通航艇もなく、ビニールを取り除いて再度前進。波荒い海から川に入って油断しきっていたら、天罰てきめんです。のどかとはいえ都市河川、浮流物を警戒して進みましょう。
通るたびに気になってしまう、船溜跡の橋・矢倉橋(『堀割川ふたたび…3』参照)。こちらも桁、高欄ともに再塗装され、廃水路に架かる橋とは思えないほど、こさっぱりしていました。
●さらに遡り、天神橋(過去ログ『横浜の川をめぐる…5』参照)の手前まで来たら…クレーン船のほか、台船らしい船影も見えますね。橋のあたりには、鋼材で足場も組まれているようです。
特に航路が閉塞している、という情報はなかったようだけれど、通れるのかな? 不安になりながらも、さらに近づいてみると…。

●ううむ、これは狭そうだ。
河道全幅に渡って足場が架かり、航路は岸沿いの右径間のみ。潮位が高いこともあり、桁下高にも若干の不安が…。
【撮影地点のMapion地図】
(25年9月28日撮影)
(『9月28日の堀割川…3』につづく)

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●さっそく小さな変化を発見。桁下高を確保するため、ぐっと反った桁を持つ、現代版太鼓橋といった風情の磯子橋。桁の薄さにくらべて、橋脚の耐震補強が異様に分厚く見える橋でもあります。
変わった点は、橋脚のコンクリート、鋼製部分とも再塗装されていたこと。ささやかな更新ですが、大切にされていることがうかがえました。

F記者にボートフックを持って周囲を警戒してもらい、頑固に喰い込んだビニールを苦労して除去。「漁船が全部出た後でよかったですねえ!」とF記者。いやまったく、航路を塞いで迷惑をかけたらことでした。

通るたびに気になってしまう、船溜跡の橋・矢倉橋(『堀割川ふたたび…3』参照)。こちらも桁、高欄ともに再塗装され、廃水路に架かる橋とは思えないほど、こさっぱりしていました。

特に航路が閉塞している、という情報はなかったようだけれど、通れるのかな? 不安になりながらも、さらに近づいてみると…。

●ううむ、これは狭そうだ。
河道全幅に渡って足場が架かり、航路は岸沿いの右径間のみ。潮位が高いこともあり、桁下高にも若干の不安が…。
【撮影地点のMapion地図】
(25年9月28日撮影)
(『9月28日の堀割川…3』につづく)

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