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8月15日の水路風景…7

(『8月15日の水路風景…6』のつづき)

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昨年大晦日の、撤去工事中の光景とくらべてみてください。貴船水門(跡)と異なるのは、管理橋が撤去されず、堰柱の基部も堤防天端とツライチまで切断されなくて、基部が突き出したように残されていること。左右の操作室棟か官舎らしい建物もそのままですが、これは後で取り壊されるのでしょうか。

2水門の撤去が完了したとなると、次は北前堀・南前堀の両水門かしら。ともあれ、お疲れさまでした‥‥合掌。

254047.jpgこうなると、貴船水門(跡)も何らかの変化があったのでは、と気なります。道々だし当然見てゆくつもりで、ふるさとの浜辺公園にヨーソロで微速のまま直進。この距離から眺めても、浜辺公園は結構な人出であることがわかりますね。

針路上に漂泊中のプレジャーが見えてきたので、舵を少し左に当てて、大森川に寄せつつ進みます。


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水門跡自体は、もう変わりようがないものの、周囲には変化が見られました。径間左、堤防上にあった操作室棟が撤去されていますね。また、堤防手前には石組みの法面が築かれています。単なる水防のみではない、水辺整備の手厚さを見た思いがしたものです。

254049.jpg2水門のその後を見届けられたこともあり、暑さには閉口しながらも上機嫌。浜辺公園沖の旧防波堤をかすめて北上していたら、その左手から続々とカヤックが現われて、こちらに南下してきました。

見たところ年配者中心のフリートのようでしたが、日焼け対策万全で元気よくパドルを操り、皆さん楽しそうです。再微速まで落とし行逢、手を振って別れました。

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突き当りを右に折れてガスミオ運河へ。視界を圧するのは、南海橋の架け替え工事現場。昨年大晦日の写真とくらべると、「ヒロセ プレガーダー」の様子は変化なし、奥に鋼材の杭列が増えて、足場がさらに拡幅されようとしているようでした。
撮影地点のMapion地図

(令和2年8月15日撮影)

(『8月15日の水路風景…8』につづく)

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タグ : 平和島運河ガスミオ運河呑川水門貴船水門

8月15日の水路風景…6

(『8月15日の水路風景…5』のつづき)

254041.jpg海老取運河を北上中、モノレール整備場駅の対岸にある新しい建物が目につきました。地図で見ると、「三井不動産インダストリアルパーク羽田」というそう。

検索したところ、「新たな街づくり型新産業拠点が誕生『三井不動産インダストリアルパーク羽田』2019年6月28日(金) 竣工」(三井不動産)という記事がヒット。物流機能を含む複合用途施設とのこと。


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倉庫‥‥物流拠点にしては派手な外観だな、と目を引かれたのが、この壁面の装飾。ちょっと見たことがない造形で、思わずズームでアップに。裏面にチラリと見えるオレンジ色と、影が織りなすパターンが面白く、微速で行き過ぎながら見入ってしまいました。

記事には、「外装のデザインは、(中略)伝統的な日本の織物の文様を取り入れたファサードとしております。アルミパネルを外壁に配置し、角度によって見え方の変わるデザインを施して」とありました。確かに、着物の柄としてもおかしくなそうであはあります。

254043.jpg海老取運河を出て、干潟水路を右折せず平和島運河を直進、昭和島と大森の間に入りました。

モノレールが身を傾けて頭上を滑ってゆくさまを、逆光の中振り返って。鉄輪と違ってゴムタイヤの走行音は柔らかく、間近を巨大な質量の列車が走り抜けても、どこか軽快な感じがするんですよね。東京南部の運河群でしか味わえない感覚です。


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首都高羽田線をくぐると、右手、京浜島側の護岸はまだ新しく、白い石材とコンクリートの肌が、まばゆいばかりに陽光を反射していました。

水際が消波効果の高く、水に親しみやすい石組みの法面、上半部がマス目に芝が植えられて、目にも優しそうな井桁状の法面保護工と、その中央には水辺に降りる階段も設けられて‥‥と、陸上から、また水上から見ても理想的な護岸といえそうです。

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さて、平和島運河といえば、気になるのが呑川・貴船の両水門。呑川水門は前回訪問時、内水の堤防築造にともなう撤去工事の真っ最中でしたが、今回は‥‥う~ん、やはり撤去はすでに終わったようですね。近づいてみましょう。
撮影地点のMapion地図

(令和2年8月15日撮影)

(『8月15日の水路風景…7』につづく)

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タグ : 海老取運河平和島運河呑川水門

令和元年度川走り納め…7

(『令和元年度川走り納め…6』のつづき)

245031.jpg大森東避難橋が見えるところまで来ると、左手にはクレーン船がおり、奥の右手にはバージらしき2隻と、工事中の雰囲気濃厚。

なぜこちらに入ったかというと、以前、この周辺の水門たちを、廃止する方向で話が進んでいることを知り、もしかしたら‥‥と胸騒ぎを覚えておもむいたというわけ。クレーン船のいるあたりは、呑川水門があるところ。もう始まっているのか‥‥。

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ああ、やはり‥‥。
呑川水門、すでに巻上機と扉体が撤去され、堰柱にも足場がかかって、取り壊す準備が進んでいました。

もうちょっと近づいて眺めたくはあったのですが、見通しが悪く奥の状況がよく見えなかったので、ズームでたぐってスナップし、がまんすることに。ちなみにクレーン船の船名はわかりませんでしたが、甲板室に「湘南洋光建機」という社名が読めました。

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こうなると、昭和島の対面にあるいま一つの水門、貴船水門がどうなったか気になります。大森東避難橋をくぐって微速前進。

‥‥ええ、余計なことというか、個人的な好みではありますが‥‥。大森東避難橋の字の割り付け、いかに構造の制約があるとはいえ、PCのベタ出力そのままで、すごく違和感があるんですがいかがでしょう。

せめて写植でいう平1くらいをかけて目線の流れをよくし、コンマと7の間はツメたいものだと勝手に一人ごち。橋のような恒久構造物は、向こう何十年か人目にさらされるのですから、このあたりもお気遣いをいただけると、橋への愛着も違うものになると愚考するのですが(偉そうだ)。

245034.jpg土運船のかたわらをかすめながら一枚。結構な大きさですが、取り外した扉体や機器類、堰柱などの廃材を運ぶためにもやっているのでしょうか。

2隻とも、旧綾瀬川でおなじみ、伊澤造船の持ち船でした。今考えてみると、ドローンなどで高いところから見下ろせたら、呑川水門の扉体やらが積んであるのを見られたかもしれません。


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あああ、きれいさっぱり撤去済み。
というわけで、遅きに失した訪問となってしまいました。貴船水門さん、お疲れさまでした‥‥合掌。
船溜を囲繞する堤防も竣工しているようだし、ここは供養を兼ねて通航してみるとしましょう。
撮影地点のMapion地図

以下、頭の中の整理も兼ねておさらいのメモ書き。
防潮堤整備にともなう水門撤去の動きについては、3年前「8月13日の川景色…2」で紹介したPDF議事録「東京港の津波・高潮対策について 質疑」(鈴木晶雅前都議会議員HPより)で知りました。この議事録で、南前堀、北前堀、呑川、貴船の各水門を地元で「港南4水門」と呼んでいることがわかったのは収穫でしたねえ。

さておき、4水門とも廃止の方向ではあるものの、北前堀は橋があり陸閘が設けられているため、この時点では少し手間取りそうな書き方で、他は防潮堤の竣工を待って順次撤去、という手順であることが判明。検索の仕方が悪いのか、これ以上詳しい情報には当たったことがありません。

貴船・呑川両水門はご覧のとおりなのでおくとして、次点の南前堀水門の今後は、と検索してみたところ、「平成30年度南前堀水門取付堤撤去設計(その2)」なる入札結果情報が。タイトルからしてどうやら、水門本体の撤去ではなさそうですが、議事録に書かれていたとおり、南前堀水門にも順番が迫ってきたことを感じさせますね。

(元年12月31日撮影)

(『令和元年度川走り納め…8』につづく)

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タグ : 平和島運河呑川水門貴船水門クレーン船

8月13日の川景色…2

(『8月13日の川景色…1』のつづき)

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道々の落ち穂拾い、つづき。おなじみ羽田可動橋の北側桁を一枚。色褪せた側面が、雲の多い空に埋もれがちでいま一つでしたが、長らく使われていない割には、表面に錆が流れているとか、塗装が剥離しているなどの痛々しさがあまりなく、不思議なところではあります。

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連結面(?)のアップ。見たところ、枠の上にある3つの装置から、油圧で棒が突き出してロックする機構のようですね。下に点検用らしいマンホールや、ランボードも見えます。

フェンスや防音壁など相応に古びてはいるものの、海に近く、潮風にさらされるご当地だけに、あまり傷みが見られないのはなぜでしょう。定期的に最低限の手入れはされているのでしょうか。

209088.jpg平和島運河に入り、呑川水門の見えるあたりまで来ると‥‥。あらら、しばらく訪ねなかったら、えらい変わりようですね。

左右に鋼矢板で防波堤(?)を作った中に、繋留杭が打たれて桟橋も備えられ、暫定繋留施設のようなものができていました。



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繋留施設は水門の正面を塞ぐように設けられ、出入りができないとはいわないまでも、近づきがたい印象に。

水門の右側、「防潮堤工事中につき‥‥」なる横断幕が掲げられ、水門の中もなるほど工事中の雰囲気。鋼矢板の防波堤が、いかにもとってつけたような、仮設らしい感じだったことから、工事中のみ中にいた繋留艇を外に出した、というように見受けましたが、どうなんでしょう。それともいよいよ、水路が埋め立てられて、水門も廃止されるのかしら?

209090.jpgお隣の貴船水門前にも、同様の繋留施設が設けられていました。ただ、水門内の工事は終わっているようで、白い肌のコンクリート堤防と、繋留艇の姿も見えましたから、埋め立てるというわけではなさそう‥‥。

先ほど訪ねた南前堀と同じ伝で、水門内の防潮堤を増高・強化し、万が一水門が閉鎖できないときも、内水の堤防が高潮を食い止めるようにする、というパターンのようですね。
撮影地点のMapion地図

‥‥と一人合点して、すっかり安心していたら、帰宅後に冷や水を浴びせかけるようなPDFを発見してしまいました!
東京港の津波・高潮対策について 質疑」(鈴木晶雅前都議会議員HPより)

いわゆる『港南4水門』は、背後の水域が行き止まりで、開閉操作を伴う水門を存続させる必要性が薄れており、新たな整備計画では、4水門を廃止し防潮堤を整備していくこととしている。

詳しくはリンク先をお読みいただきたいのですが、ええと、水門だけ廃止して、内水の防潮堤を高める‥‥という意味でいいんですよね? 水路を埋め立てて、完全消滅させるということではないですよね? 

いや、残念なことには変わりないですが、ヒヤリとしたいうか、ちょっと安心したというか。というわけで、羽田周辺で独特の魅力を醸し出していた、港湾局管轄下の小水門群、お別れのときが近づいてきたようです。

(29年8月13日撮影)

(『8月13日の川景色…3』につづく)

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タグ : 海老取運河平和島運河羽田可動橋呑川水門貴船水門

羽田周辺の船溜めぐり…3

(『羽田周辺の船溜めぐり…2』のつづき)

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呑川水門の前に到着。水門の名前でもおわかりように、ここは呑川のかつての河口で、旧河道のほとんどは昭和57年5月に埋め立てられ、緑地化されました。残された、全長わずか120mあまりの水面を、北前堀同様、船溜として利用しているのです。

こうして水門を前にしても、特に「呼ばれていない」感じはせず、風も収まってきたのか、艇はきわめておとなしく応えてくれます。さっそくお邪魔してみましょう。

20057.jpg水門をくぐると、思ったより幅のある水面が広がっていました。小河川とは言え、旧河口の貫禄でしょうか。住宅や小工場の建屋が水辺に並び、落ち着いたいい雰囲気です。

繋留艇は、左手に槍付けで整然と並び、右手に広く水面が確保されているのも好印象…。



20058.jpg水面の奥をのぞいてみると、雑草の茂った、砂のままの水辺のようです。その向こうの林は、緑地帯の東端でしょうか。いかにも「埋め立てたまま」といった感じ。手前では、水鳥の遊ぶ姿が見られました。

奥に漁船が一艘、ぽつりともやわれているほかは、かつて海苔舟が岸を埋めて連なり、両岸には海苔干場が果てしなく続いていたといわれる、最盛期の呑川の姿を髣髴させるよすがはありませんでした。

20059.jpg入口付近の両岸は、石組みの法面護岸で、わずかに河口であったころの雰囲気をしのばせます。フェンスの上には、鴨さんがひとりぼっちで休憩中。

眠たかったのでしょうか、艇を近づけても全く動じず、つぶらな瞳ででじっとこちらを見つめていました。


20060.jpg水門を裏側から。何分「量産型」水門ですので、南前堀・北前堀のそれとそう変わりはありませんが、堰柱天端に、テレビのアンテナが立っているのがちょっと変わっています。かたわらに建っている、官舎で使っているものでしょうか。

なお、呑川の現河道(新呑川)については、過去ログ「新呑川…1」以下のシリーズに航行記が掲載してあります。ご参考まで。
撮影地点のMapion地図


(21年12月13日撮影)

(『羽田周辺の船溜めぐり…4』につづく)

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タグ : 旧呑川呑川水門平和島運河