夕暮れの運河風景…1

(『新しい霞橋』のつづき)

137045.jpg堀川・中村川を戻り、堀割川を下ってしばし、「9月28日の堀割川…3」でも触れた、天神橋の架け替え工事現場を通過。前回とは逆に、台船や曳船は東岸寄りに固まっており、前ほどの緊張感もなくかわすことができました。

舷側のみならず甲板上まで、船体を赤錆びさせた曳船、「宇山200号」に惹かれて一枚。台船に鋼材と、錆色の目立つ風景は、お仕事ブネの雰囲気みなぎる、硬派な魅力に満ちた眺めでもあります。

137046.jpgわざわざ堀割川を下ったのは、根岸湾に出て横浜ベイサイドマリーナに寄港するため。ビジターバースにもやって、M艇長と遅い昼食です。

実はM艇長、船舶免許の講習はこちらだったとのことで、いわば母港への里帰りといったところ。バースも空いていて、センターハウス前にもやうことができ、スタッフの対応も丁寧で、ゆっくり休憩することができました。


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137048.jpg15時過ぎにベイサイドマリーナを解纜、根岸湾を横断して、南本牧運河を東航。南本牧大橋の主塔を仰ぐと、ほんのり赤みがかっています。日が短くなったとあって、もう夕暮れが迫っているのですね。

この橋の初めて見せる夕景に魅せられながらも、日が落ちる前に多摩川を越えねばと、スロットルを倒して行き足をつけました。新橋の工事現場を横目に見つつ、増速前進。

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本船の動きをにらみながら航路を抜け、振り返った横浜ベイブリッジも、これまた夕暮れの装い。陽が落ちるとともに、気温もぐっと下がり、寒気が服を通して沁み入ってきました。帰路を急ぐとしましょう。
撮影地点のMapion地図

(25年11月1日撮影)

(『夕暮れの運河風景…2』につづく)

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タグ : 堀割川 南本牧運河 横浜港 曳船

南本牧運河ふたたび

(『京浜沖波高し…2』のつづき)

135021.jpg入口に近づくと、右手から警戒船が接近してきて、「工事中ですので近づかないでください!」と、スピーカーで注意をうながしてきました。狭まっているように見えたのは、航路に張り出した足場のせいで、埋め立てではなさそうです。

減速しつつ、右手のそれを観察してみると、バージが接舷した鉄骨組みの桟橋構造の上に、メッシュで覆った足場が立ち上がり、クレーンの姿も見えます。足場側面には、「横浜港臨港道路(Ⅵ工区)P1橋脚」と大書きされた横断幕が。南本牧運河に、もう一つ橋が架かるんだ!

帰宅後に検索してみると、「横浜港 南本牧~本牧ふ頭地区 臨港道路整備」(国交省・京浜港湾事務所)がヒット。記事によれば、この道は大黒埠頭・国道357号線に至る約6.2kmの道路で、平成28年の竣工を目指しているとのこと。今年度は「橋梁基礎工、下部工、上部工 等の工事」を行うとありました。

毎月の進捗状況は「工事レポート」のPDFで見られます。図版もわかりやすく、ニューマチックケーソンの海上輸送や、工法についての説明は特に秀逸で、興味深く拝見しました。
工事に着手したということは、橋のデザインはもう決まっていると思うのですが、記事に完成予想図が載っていないのが残念ですね。PDF冒頭の挿絵にあるような、二段式の高架のような橋になるのかな?

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接続水路のない「孤立した運河」に訪れた、変化のきざしを見ることができて、波濤(?)を越えて来た甲斐があったと大いに満足。

2年前と同じく、逆光でワイヤーをぎらつかせる南本牧大橋を仰いで。この橋の孤高も、あと数年というわけですね。

135023.jpg橋をくぐり、区間のなかばまで入ったあたりで、少し休憩することにしました。たかだか1時間とはいえ、硬い衝撃にさらされ続けて、一息入れたい気分になったのです。

運河とはいえ、ほぼ北東・南西方向に開口しているので、それなりの波は入ってきますが、港外にくらべればずいぶん穏やかです。杭を間近に眺めてたゆたいながら、しばし一服。

135024.jpg漂泊していると、後ろから一隻の船が入ってきました。緑色の船体、前面2枚窓の通船です。

盛大に船首波をたてて走ってくるのを見て、橋をバックにいいシーンが撮れそうと、カメラを構えました。幸い光線もよろしく、橋、船ともにいいお顔の一枚がものせて、思わずニヤリ。この直後に撮ったものを、今月からのご案内画像にしてみました。


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運河を出れば、目の前に広がるのは根岸湾。南横浜火力発電所の大煙突を中心に、左右に伸びゆく工業地帯が望める、ちょっとしたパノラマです。本牧の丘陵と埋立地が東風をうまく防いでくれ、波もだいぶ穏やかになってきました。

目指すアレは、すでに視界の中に入っています! 自然とスロットルレバーを押す手にも力が入り、回転数をぐんと上げて、ふたたび硬い衝撃の中へ突っ込んでゆくのでした。
撮影地点のMapion地図

(25年9月28日撮影)

(『いとしの護衛艦「いずも」…1』につづく)

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タグ : 南本牧運河 通船 横浜港

京浜沖波高し…2

(『京浜沖波高し…1』のつづき)

135016.jpg鶴見航路、鶴見つばさ橋を右舷正横はるかに望むところまで来ました。これだけ沖合を走っていても、橋の主塔がはっきり見えるのですから、風が強いのもむべなるかな。

彼方に小さく写っているのは、鶴見航路を出港してくる自動車運搬船でしょうか。


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135018.jpg波の突き上げに辟易しながらも、洋上にある本船を眺められるのは、やはり楽しいもの。これは前部マストに黒球を掲げているので、碇泊船ですね。右舷の錨鎖が伸びており、船首が風上に向いているので、単錨泊であることがわかります。

左舷、沖を眺めると、沿岸寄りのこちらよりさらに波頭が白く、俗にいう「ウサギが飛ぶ」厳しい海況。木っ端ブネで東航したら、5分とたたずにスプレーでずぶ濡れなのはもちろん、間断なく続く突き上げで、フライパンの炒り豆みたいになってしまうことでしょう。

135019.jpg海路をたどること1時間10分あまり、三菱重工横浜製作所のクレーン群に近づいてきました。ああ、ここまで来ればもう一息、あと少しでこの苦行(?)から抜け出せる! まったく、川や運河ばかりで大きな顔をしていると、ちょっとした波でも文字どおり、打ちのめされてしまうものですね。

我が木っ端ブネと小心船頭が、心待ちにしているものとは、もちろん水路、波静かな平水域のふところと決まっています。

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南本牧運河が見えてきた! 「南本牧運河を通る…1」で初訪して以来、2年ぶりの通航。斜張橋・南本牧大橋を目標に、跳ねまわる艇首を当て舵で抑えながら接近。

あれ? 前回よりだいぶ、入口が狭まっているような気が…。まさか、埋め立てでも始まったんじゃないでしょうね?
撮影地点のMapion地図

(25年9月28日撮影)

(『南本牧運河ふたたび』につづく)

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タグ : 南本牧運河

南本牧運河を通る…3

(『南本牧運河を通る…2』のつづき)

77056.jpg東側、南本牧埠頭に目をやると、コンテナヤードらしく積み上げられたコンテナが見え、建屋の間からキリンさんの姿もちらりと。

前回紹介した横浜市のサイトによれば、総埋立面積約217ha、残土や廃棄物の最終処分場でもありますから、東京でいえば中防に相当する埋立地なのですね。


77057.jpg南本牧大橋以外で、運河沿いの目立つ建造物といえば、右側に見えるこのサイロくらいでしょうか。

運河の西岸一帯は地図によると、国際埠頭(株)の敷地のようですね。帰宅後検索してみると、国際埠頭のオフィシャルサイトを発見。「構内図&埠頭設備」によれば、このサイロは穀物サイロで、14万tの収用能力があるそう。他の施設も3Dイラストをクリックすれば詳しく解説してくれる、なかなか楽しいサイトでした。

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運河南口から振り返って。まだ若い運河らしい、広々とした風景が秋空の下に広がっていました。

77059.jpg運河を出た正面、もやにけぶる根岸湾の眺め。針路ほぼこのままで直進すれば、対岸にある横浜ベイサイドマリーナに行けますね。

三浦から東京へ艇を回航しては川走りを楽しんでいたころ、鶴見航路(鶴見つばさ橋の下)から京浜運河に入って、内水路コースで都内入りするのがつねでした。
そのころに南本牧運河を通っていてもよさそうなものですが、やはり前後が外海で荒天避航路としては魅力に乏しく、進入のためにわざわざ変針して横波に苦しむよりは、しばらくガマンして突っ走り、京浜運河に飛び込んだ方が楽、という頭があったのだと思います。

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南本牧運河に別れを告げ、西へ舵を切って根岸湾の奥へ向かいます。右手に3頭のキリンさんたちと、後に見える三角屋根の上屋がこれまた大迫力。

これも国際埠頭の「構内図&埠頭設備」に載っていました。クレーンは「セミマントロリー橋型クレーン」なるタイプ。三角屋根は石炭作業場といって、最大120,000tの収容能力を誇る屋内貯炭場、埠頭は15万t級船舶が接岸可能なのだとか。
クレーンの解説文がまた泣かせます。「大型専用船の場合、一昼夜で約25,000トンの揚げ荷役が可能です。このグラブバケットひと掴みでダンプカー1台分以上です。人と大きさを比較してみてください

誇らしげな書き方もさることながら、「新幹線電車何輌分」「霞が関ビル何杯分」という説明に弱い船頭としてはまさにツボです! 本当に楽しいサイトですね。ありがとうございました!
撮影地点のMapion地図

(23年10月10日撮影)

(『堀割川ふたたび…1』につづく)

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タグ : 南本牧運河 横浜港

南本牧運河を通る…2

(『南本牧運河を通る…1』のつづき)

77051.jpg初くぐりともなれば、撮らずにはおれない橋の裏側。上空を覆っていた雲もすっかり失せて、水面からの反射が魚腹状のディテールをほどよく浮き出させ、いい感じです。

ちなみに、「南本牧ふ頭 事業概要」(横浜市港湾局)によると、この南本牧大橋、2003年の土木学会デザイン賞・優秀賞を受賞した橋なのだとか。
撮影地点のMapion地図

77052.jpg

77053.jpgすでにタイトルでもご覧に入れましたが、くぐってから見上げると、光線のあんばいもよろしく、実にいい表情を見せてくれました。南本牧運河のシンボルであり、唯一の橋としての貫禄充分ですね。

航過しながら、山口氏とカメラを構えて、橋のいいお顔をパシャパシャと。よく見ると、桁側面に航路を示す標識灯が設けられており、陸上の行き来だけでなく、水路のためにも役立っていることが実感できました。

77054.jpg
さて、肝心の水路の方はと申しますと、Mapionの地図上で測った幅が約100m、埠頭の裏側を走る運河ということで、揚搭設備が見られることを期待したのですが、予想に反してその類はほとんどなし。

写真右手に見られるように、鋼管の杭が何本か岸に沿って打ち込まれ、小型の本船や、独行艀クラスの繋留に備えているところもあったものの、岸壁やクレーンなど、陸とのつながりを示すものはありませんでした。

77055.jpgここは上の杭より少し手が込んでいて、鋼材を組んだフレームにゴムのフェンダーが取り付けられているもの。やはり護岸の様子から見て、陸上とのやり取りは考えられていないようです。

ここで山口氏、「この向こう、線路が走ってますよね?」と、またも鋭い観察力を披露。いわれてみると、建屋と護岸の間隔、電柱の並び方、いかにも引き込み線があるっぽい…。写真の直前で、踏切警報機が頭をのぞかせているに至り、線路の存在が決定的になりました。
帰宅後に検索してみると、「鉄道路線図」(神奈川臨海鉄道株式会社)がヒット。神奈川臨海鉄道の本牧線ということがわかりました。


(23年10月10日撮影)

(『南本牧運河を通る…3』につづく)

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タグ : 南本牧運河 横浜港 橋の裏側