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松江堀川めぐり…5

(『松江堀川めぐり…4』のつづき)

船頭さんが、「あそこにいる鳥は…、カルガモのヒナではありませんよ」と、指差した方を見ると…おお、カイツブリが! 小さくて、すばしこくて、本当にかわいらしい鳥です。すいすいと活発に動き回るばかりか、潜ったりもしてくれたので、カメラが追いきれず、残念ながらまたもピンボケ。

昨年、近江八幡で舟に乗ったときは、遠くにいるのを眺めただけだったので、嬉しくなりました。
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亀田橋をくぐります。この角度から見ると、桁の裏側や橋脚のディテールが見えるので、コンクリート桁橋なのがよくわかりますが、桁の厚みがないせいか、木製の欄干ともよくなじんでいます。復元橋として見るより、和風の近代橋として眺めても、悪くないスタイルです。

橋脚の中央部、鼓形の小さな橋名版が見えるでしょうか。堀川めぐりのコースに当たる橋、すべてに取り付けられており、名前から由来をあれこれ想像するのも、楽しいものですね。
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ふと右手の岸を見ると、石垣造りの、いかにも古そうな割下水が目に入りました。江戸時代以来のものでしょうか。

この後も、このような石造りの古い構造物を、いくつか楽しむことができました。
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水面上に枝を広げる木々は、さらに密になり、舟が無事にくぐれるのか、心配になるような緑の濃さ…。

このあたりの区間は、護岸らしい護岸もないので、こうして前方だけ見ていると、街中にいる気がまったくしません。
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今回のトリさん大賞(笑)。
一本の丸太の上に、マガモ、カルガモ、そしてカワウ(?)君がと、種類の違う水鳥たちが留まり、仲良くくつろぐ姿が妙におかしく、船頭さんともども大笑い。最初は、あまりにもわざとらしい(ゴメンナサイ)シチュエーションなので、よくできた飾り物かと思ったほどです。

船頭さんの解説によると、この丸太は、堀に棲む亀が安心して甲羅干しをできるように、特に何本か設けたものだそう。もっとも、トリさんたちの休憩所としての用途は、予想外のことだったようです。
撮影地点のMapion地図
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(21年2月6日撮影)

(『松江堀川めぐり…6』につづく)

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タグ : 松江堀川北田川

松江堀川めぐり…4

(『松江堀川めぐり…3』のつづき)

塩見縄手を振り返って。
船頭さんに、「ここから振り返った眺めは、堀川を代表する景色で、雑誌などにもよく使われます」と勧められて、カメラを向けてみました。

なるほど、緑に埋もれたような白壁と瓦屋根が美しく、さっぱりと整備された岸辺とよく調和して、こうして切り取ってみると、一枚の絵のようです。護岸の上には、いくつかのベンチが並んでいるのも見られながら、眺望をさえぎる柵などは設けられていないところに、景観を重視した姿勢が感じられます。
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塩見縄手を過ぎると、北田川は城山に沿ってさらに屈曲し、舟がほぼ南を向くまでになりました。ここで堀はぐっと幅を狭め、城山西堀川と名前を変えます。

前方に見える橋台地の張り出した橋は、稲荷橋。これも、木造桁橋に似せたコンクリート桁橋で、平成10年に改架竣工したもの。欄干はアルミ製とのことですが、表面の塗色が落ち着いているせいか、パッと見た限りでは、違和感がありません。
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上の写真の、すぐ右手になりますが、ここは四十間堀川との丁字流でもあります。写真は丁字流近くに架かる新橋を、オーニングの間からのぞき見たところ。

この奥右手には、今一つの乗り場である、ふれあい広場発着場があります。
平成9年12月から、翌10年3月の短期間、稲荷橋の架橋工事で西堀川が通れなくなり、四十間堀川を迂回するコースが採られたこともあったそうです。今回も予約の際、「四十間堀川を通ってくれませんか?」と、無理を承知でお願いしたのですが…現在は、営業コースに入っていないとのことでした。残念。
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城山の岸は、木々の枝が低く垂れ込め、対岸、内中原町の水辺も、草の生えた法面となり、幅が狭まったことも手伝って、今までとは打って変わった、山間に分け入るような雰囲気になってきました。

前方の水面に、水鳥の群れが見えますね。舟が近づいたら、逃げてしまうかな…。
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意外や、鴨さんたちはスッと群れを解いて、舟に水面を明け渡しはしたものの、東京の鴨諸君のように、慌てふためいて逃げはしませんでした。

それどころか、ボリボリと羽づくろいまでして、くつろいだ風ですらあります。ゆっくりと走る遊覧船に、すっかり安心しきっているのでしょう。写真はちょっとブレてしまいましたが、おかげで間近に、鴨たちのかわいらしい表情を楽しむことができました。
撮影地点のMapion地図
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(21年2月6日撮影)

(『松江堀川めぐり…5』につづく)

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タグ : 松江堀川北田川四十間堀川塩見縄手

松江堀川めぐり…3

(『松江堀川めぐり…2』のつづき)

丁字流の東側に架かる、宇賀橋。
木造桁橋に擬した立派な橋で、由緒があるように思われたのですが、創架は昭和39年、このさらに東に架かる、北堀橋の架け替えにともない、仮橋として竣工したもので、橋名も長い間「仮橋」のままだったそうです。

ここは北堀橋と並んで、松江城の天守を眺めるには、絶好のポイントとして有名なのだとか。舟は堀をめぐって、帰りにこの橋をくぐることになります。
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北東端の石垣を間近に見つつ、北田川を西へ。
見慣れている皇居―旧江戸城のものとは、ずいぶん雰囲気が違います。野面積みというのでしょうか、自然石に近い石を荒く積み上げたやり方で、野趣にあふれた、豪快な感じがします。

整形した石を、密に組み上げた石垣もよいですが、こういった荒々しい表情を見せる石垣も、かえって昔をしのばせて、むしろ貴重なのではないかとも思えました。
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北田川は、おそらくかつての山裾に沿って開鑿されたのでしょう、ゆるやかな屈曲をともなって、ほぼ北西に向かっています。左側の石垣は次第に低くなり、鬱蒼とした木々が、水面近くまで枝を垂らすようになりました。

右手には、低い石垣護岸と松並木が続き、これまた見事です。
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商家の家並みが途切れると、立派な塀をめぐらしたお屋敷が、松の間に見え隠れするようになりました。塩見縄手の武家屋敷群ですね。

松の緑と、白壁が水面によく映えて、しっとりとしたよい雰囲気です。
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この松は…、何だか豪快な枝ぶりですね。稲妻状に折れ曲がったばかりでなく、水面に大きく張り出して、もはや何本ものつっかい棒なしでは、自身を支えきれないようです。

船頭さんによると、この塩見縄手の松並木は、江戸時代以来の樹齢を誇るものも多く、市としても手厚く保護しているのだとか。枝や根が道路にはみ出したところは、クルマの方に交互通行をお願いし、また写真にも写っていますが、歩道は枝を避けるように、凹ませる工事を行うという徹底ぶり。
松に心あらば、ここは天国だ、と思っているかもしれません。
撮影地点のMapion地図
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(21年2月6日撮影)

(『松江堀川めぐり…4』につづく)

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タグ : 松江堀川北田川