加茂川・中海遊覧船に乗って…10

(『加茂川・中海遊覧船に乗って…9』のつづき)

79076.jpg深浦橋をふたたびくぐって、中海へもどります。

背後の山のせいでしょうか、この角度から見ると、瀬戸内や八代海あたりにありそうな、島々の間を分かつ狭水道のような雰囲気。行ったことがないので、こういう橋が架かっているのかはわかりませんが。



79077.jpg湊山公園の南端角、スロープのある立派な桟橋が2本。鳥取大医学部が近くにありますから、ボート部のものかな?

だとすると、陸閘のある堤防を隔てた向こうの建物は、艇庫でしょうか。



79078.jpgそしてその北側に伸びる、湊山公園のテラス、これは立派なものですね。中海に面して、南北500mに及ぶ水際ほとんど全てが、ご覧のとおり長大な階段状のテラスに! 水辺に開けた公園としては、国内有数の規模でしょう。

正面の水上に台船でも浮かべて、花火大会でもすれば、いちどきにたくさんの人が楽しめそう。
撮影地点のMapion地図

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疾走していた船がスロットルを戻すと、すでに旧加茂川の河口に近づいていました。先ほどここを出たときは気づかなかったのですが、右手に見える古い防波堤が、ひなびたいい感じの空気を醸し出しており、河口のささやかな船溜風景を、魅力あるものにしていたのです。

明治の末より前といいますから、もちろんこの防波堤ができるよりずっと昔のことでしょうが、阪鶴鉄道の運航する、舞鶴通いの汽船が米子を寄港地としており、賑わった時代もあったとのこと。
当時は汽船が横付けできる岸壁はなかったでしょうから、艀が港と本船の間を往復して、貨客を運んだことでしょう。今はひっそりとしているこの河口も、明治時代は艀がひしめいて、賑やかだったのではないでしょうか。

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そして、灘町橋をくぐった直後に開けた眺めにも、下ったときとは全く違った感動を覚えました。
屈曲の外側に肩を寄せ合う低い家並が、川面に姿を映すさまもさることながら、土地の低さからくるひたひた感、水路幅、そして街並みの上にかぶさる空の広さと、目に入るもの全てが塩梅よく、しっくりと収まった川景色に思えたのです。

うまく説明できないのがもどかしいのですが、修景や昔の復元でない町場の水路風景の、一つの理想形ともいえそうな何かを、この短い区間に感じてしまったのかもしれません。


(23年11月9日撮影)

(『21年2月6日の旧加茂川』につづく)

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加茂川・中海遊覧船に乗って…9

(『加茂川・中海遊覧船に乗って…8』のつづき)

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船着場のあたりから、下流側を望んだところ。お城のあった飯山・湊山が正面に立ちはだかり、川面に緑の影を落とす水路風景。

ちょっと説明しがたいのですが、山の迫る可航水路にどういうわけだか弱いところがあり、前後の見通しを山に阻まれているというだけで、軽いコーフンを覚えてしまうのです。

79072.jpgここから城跡の石垣が見えますよ、という船頭さんのお勧めに従ってカメラを向けると、木々の間にちらりと石垣が。天守台でしょうか。

中村家の築いた米子城は、五層の大天守と四層の小天守、「連立天守閣」というそうですが、山陰随一といわれる威容を誇ったとのこと。明治の初めに取り壊されたそうですが、湊山をめぐる内堀とともに今も残っていたら、連立天守を仰ぎながらの堀割遊覧で賑わっただろうなあ…と妄想。

79073.jpg
錆色に塗られた鈑桁橋は、愛宕橋。南岸にある愛宕町から採られたものでしょう。その向こうに橋脚がチラリと見える橋は、新加茂川橋。こちらは本流になる前の河川名が残っていますね。

米子はこのタイプの橋が多いですね。鈑桁好きな人が多いのかしらと妄想させるくらい(笑)。

79074.jpg屈曲の始め、山すそが開けゆくあたりに架かる、2径間のやはり鈑桁橋は、祇園橋。祇園町からの命名ですね。

川面がさざ波立っているのは、少し風が入ってきたこともありますが、我々の船が起こした引き波が鋼矢板の護岸に反射して、なかなか消えないためです。



79075.jpg祇園橋の南詰近くに、沈船…というより転覆船を発見。新旧加茂川とも繋留船が非常に少なかったので、この程度のことでも目を奪われます。

ああ、船底にぜんぜん貝がついていない! 汽水といっても、淡水に限りなく近いレベルなのでしょう。フジツボの当たり年とやらで、船底塗装後ひと月もしないうちに、フジツボが再付着し始めた経験を持つ我が艇には、うらやましい環境であります。
撮影地点のMapion地図

(23年11月9日撮影)

(『加茂川・中海遊覧船に乗って…10』につづく)

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加茂川・中海遊覧船に乗って…8

(『加茂川・中海遊覧船に乗って…7』のつづき)

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深浦橋をくぐると、河道はぐっと北に屈曲し、木の生い茂った二つの独立丘陵に挟まれたコースへ。両岸に緑濃い高地を見上げながら、先の見通せない屈曲をまさに分け入る可航水路は、神田川を例外として、関東ではまずお目にかかれない貴重な川景色。私が航行した中で近いものがあるとすれば、三浦市の油壺湾でしょうか。

米子城の築かれた湊山には、山麓をぐるりと半周するかたちで内堀があったそう。北~東側は埋め立てられましたが、今遡上している加茂川の最下流部は、この内堀の南側部分を利用した区間でもあるのですね。

79067.jpg北岸、湊山・飯山麓の河畔には遊歩道が整備され、何かオブジェのようなものがいくつか見られました。船頭さんによれば、これは「米子彫刻ロード」と呼ばれ、米子駅からここまでの道々に、彫刻家による作品が展示されているのだそう。

ご覧のように小高い場所に東屋も設けられて、河口風景を楽しむスポットしても悪くなさそう。彫刻を一つ一つ訪ねながら、水辺をお散歩するのも乙なものでしょう。

79068.jpg南岸・祇園町の街並み。壁や瓦は新しくなっているものの、家々のかたちは昔の姿をとどめており、いかにもかつての町屋を思わせます。

船頭さんの解説では、この向こうにある感応寺は、若くして亡くなった大名、中村一忠の墓があるお寺だそうです。写真には写っていませんが、家並のすき間からちらりと山門が見えました。

79069.jpgこの間の景色は、下航時に見た方がより面白かったので、先に折り返し点を。ドーム球場のような米子コンベンションセンターの見えるあたりで、船は180°回頭します。

河道はほぼ南東を向き、上流方にも間近に、いくつかの峰を突きだす低い山並みが。山を望める川っていいなあ。


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ここは大工町(実にいい町名です!)のあたりでしょうか、護岸の柵が途切れたところ、スロープで低めたあたりにタイヤのフェンダーが。米子で初めて見る、川の船着場です。

釣り人さんの姿も見られるように、扉もなく気軽に利用できそうなつくり。ここから観光船を発着させる計画でもあるのでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(23年11月9日撮影)

(『加茂川・中海遊覧船に乗って…9』につづく)

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