前川二閘門の変化…5
(『前川二閘門の変化…4』のつづき)
●前扉室ゲート越しに西、潮来市街方に伸びる前川の川面を眺めて。青空を映す静かな水面には、鴨たちが点々と浮かび、実にのどかな雰囲気。
いつか前川十二橋のコースで船頭組合に事前に交渉して、大洲閘門をくぐってみたいものと夢見てきましたが、どうも遅きに失したようですね。残念ですが、古豪極小閘門が稼働状態にあった川景色を、この目で眺められただけでもよしとしなければなりますまい。

●橋上南寄りから閘室、操作室を見下ろして。水位差が少ないこともあり、こうして見たかぎりでは、現役時とそう変わらない雰囲気。ここがセルフ操作に更新されず、旧来の有人運転式のまま残されたわけは、どのあたりにあったのでしょう。もちろん通航頻度の低さが、理由の一つとは思いますが。

●後扉室の向こうに伸びる河道に目をやると、南岸が新たに土盛りされ、低いながら堤防として強化されているように見えました。以前からこうだったかな? いずれにせよ、二つの閘門を含め、前川に大きな変化が訪れていることは感じられたものです。

●前扉室の前の護岸に、片足立ちでひょろ長く伸びて、魚を探す風情の鷺さんを一枚。いつもながら飄々とした表情で、周りの雰囲気まで可笑しみに包まれたような気分にさせてくれます。
●水郷を離れて、自宅へ帰る前にまず自艇に立ち寄り、カディのハッチ裏側、ラッチに下げる形であんば様のお札を奉安。手を合わせて、今年の水路行の安全をお願いしました。
これが正しいやり方なのかわかりませんが、十数年来この方法で奉って、大きな事故もないため、まずご機嫌を損ねるようなことはないものと思われます。
何より今年は、早々1日からお札の霊験を痛感させられたこともあり、やはり利根川高瀬舟の船頭や船主が崇敬したお社、あんば様のご加護あっての我が川ップネだと、敬意を新たにしたものでした。
(令和5年1月2日撮影)
(この項おわり)

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いつか前川十二橋のコースで船頭組合に事前に交渉して、大洲閘門をくぐってみたいものと夢見てきましたが、どうも遅きに失したようですね。残念ですが、古豪極小閘門が稼働状態にあった川景色を、この目で眺められただけでもよしとしなければなりますまい。

●橋上南寄りから閘室、操作室を見下ろして。水位差が少ないこともあり、こうして見たかぎりでは、現役時とそう変わらない雰囲気。ここがセルフ操作に更新されず、旧来の有人運転式のまま残されたわけは、どのあたりにあったのでしょう。もちろん通航頻度の低さが、理由の一つとは思いますが。

●後扉室の向こうに伸びる河道に目をやると、南岸が新たに土盛りされ、低いながら堤防として強化されているように見えました。以前からこうだったかな? いずれにせよ、二つの閘門を含め、前川に大きな変化が訪れていることは感じられたものです。

●前扉室の前の護岸に、片足立ちでひょろ長く伸びて、魚を探す風情の鷺さんを一枚。いつもながら飄々とした表情で、周りの雰囲気まで可笑しみに包まれたような気分にさせてくれます。

これが正しいやり方なのかわかりませんが、十数年来この方法で奉って、大きな事故もないため、まずご機嫌を損ねるようなことはないものと思われます。
何より今年は、早々1日からお札の霊験を痛感させられたこともあり、やはり利根川高瀬舟の船頭や船主が崇敬したお社、あんば様のご加護あっての我が川ップネだと、敬意を新たにしたものでした。
(令和5年1月2日撮影)
(この項おわり)

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前川二閘門の変化…4
(『前川二閘門の変化…3』のつづき)

●大洲閘門に到着、水際に降りて、閘室を見通せるところからのぞき込んでみると‥‥ああ、やっぱり。前後の扉室が開放されていました‥‥。
前川の水位低下化区間が周囲の河川と水面を一にし、東西を守っていた二閘門とも開放状態とあっては、お役御免だと感じても、あながち外れた妄想ではないでしょう。
●閘室上を渡る橋の上から、後扉室のゲート周りを眺めていたら、扉体の上にくつろぐ鳩さんの姿が。巻上機にかぶせられた、ステンレスのケーシング内に営巣しているのですね。
平成20年、初めて訪ねたとき(過去ログ『大洲閘門…1』ほか参照)から、鳩がいついているのを見ていましたから、ここはよほど環境がよいのでしょう。

●橋を渡って南岸に出、西側の前扉室を眺めてやろうと水際へ。そこそこ幅のある舗装道路が閘室を覆い、さして高さのないコンクリート生地のゲートが二つ、うっそり頭を出している風景‥‥。
ゲート設備だけ見るとうらぶれた雰囲気ながら、暗い感じがしないのは、水郷らしく周りが開けているのと、冬の穏やかな好天で陽光が降り注いでいるせいでしょうか。

●さて、水際に降りてみると、ひとつ衝撃が。
「この水門より先は
通行許可のない船は
入れません
※農業用水路のため
潮来市 土地改良区
潮来市」
●米島閘門にはなかったので、ようやく、といった感じもしましたが、ここで初めて、一般船艇の自由通航が禁じられた区間であることがわかったわけです。
一時的なものなのか、このまま河川の改修とともに、両閘門とも撤去の方向に進むのか‥‥。もともと通航量が僅少な区間でしたから、水郷からまた一つ、極小閘門のある風景が失われるであろう、そんな気がしてなりません。
【撮影地点のMapion地図】
(令和5年1月2日撮影)
(『前川二閘門の変化…5』につづく)

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●大洲閘門に到着、水際に降りて、閘室を見通せるところからのぞき込んでみると‥‥ああ、やっぱり。前後の扉室が開放されていました‥‥。
前川の水位低下化区間が周囲の河川と水面を一にし、東西を守っていた二閘門とも開放状態とあっては、お役御免だと感じても、あながち外れた妄想ではないでしょう。

平成20年、初めて訪ねたとき(過去ログ『大洲閘門…1』ほか参照)から、鳩がいついているのを見ていましたから、ここはよほど環境がよいのでしょう。

●橋を渡って南岸に出、西側の前扉室を眺めてやろうと水際へ。そこそこ幅のある舗装道路が閘室を覆い、さして高さのないコンクリート生地のゲートが二つ、うっそり頭を出している風景‥‥。
ゲート設備だけ見るとうらぶれた雰囲気ながら、暗い感じがしないのは、水郷らしく周りが開けているのと、冬の穏やかな好天で陽光が降り注いでいるせいでしょうか。

●さて、水際に降りてみると、ひとつ衝撃が。
「この水門より先は
通行許可のない船は
入れません
※農業用水路のため
潮来市 土地改良区
潮来市」

一時的なものなのか、このまま河川の改修とともに、両閘門とも撤去の方向に進むのか‥‥。もともと通航量が僅少な区間でしたから、水郷からまた一つ、極小閘門のある風景が失われるであろう、そんな気がしてなりません。
【撮影地点のMapion地図】
(令和5年1月2日撮影)
(『前川二閘門の変化…5』につづく)

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前川二閘門の変化…3
(『前川二閘門の変化…2』のつづき)

●管理橋からふたたび眺めた前扉室と、後扉室の扉体をのぞいたところ。もしかすると、次に訪ねたときは変わり果てた姿になっているかもしれないと思うと、さまざまな角度から記録しておきたいと、あちこちのぞき込んだものでした。
前回訪問時も、閘門の周囲は数台のクルマが停まり、釣り人さんで賑わっていましたが、この日も同様でした。扉体が開放されて鰐川と通水している分、釣果はよくなったのでしょうか。

●機能を止めた閘門に少々気落ちしながらも、堤防上から望む鰐川畔の水辺風景は雄大そのもので、快晴も手伝ってまあ、気持ちのよいこと。しばし景色を堪能してから、さて、大洲閘門に向かうとしましょう。
●前川に沿った道を西へ走りながら、川面の様子を観察。見たかぎり、水位低下をやめた分、ヒタヒタになっているような‥‥のは当然としても、どのくらい水位差があったのか。0.5mくらいでしょうか。
右手に見える田んぼの標高より、水面の方がわずかに高いか、同じくらいに見えますがいかがでしょう。排水はポンプで行われているのかな?

●道半ばを過ぎたあたりで、いきなり建造中の橋がヌッと現れ、平坦な風景の中だけに意表を突かれました。前後の形からして、これから築堤が伸びてくるようですね。
右手、重機の見えるあたりに、看板があったので読んでみると、東関東自動車道・水戸線の橋を造っているとのこと。長らく潮来が終点だった東関道もいよいよ延伸され、鉾田まで来ている片割れといずれつながるのですね。
【撮影地点のMapion地図】←場所は推定です。
(令和5年1月2日撮影)
(『前川二閘門の変化…4』につづく)

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前回訪問時も、閘門の周囲は数台のクルマが停まり、釣り人さんで賑わっていましたが、この日も同様でした。扉体が開放されて鰐川と通水している分、釣果はよくなったのでしょうか。

●機能を止めた閘門に少々気落ちしながらも、堤防上から望む鰐川畔の水辺風景は雄大そのもので、快晴も手伝ってまあ、気持ちのよいこと。しばし景色を堪能してから、さて、大洲閘門に向かうとしましょう。

右手に見える田んぼの標高より、水面の方がわずかに高いか、同じくらいに見えますがいかがでしょう。排水はポンプで行われているのかな?

●道半ばを過ぎたあたりで、いきなり建造中の橋がヌッと現れ、平坦な風景の中だけに意表を突かれました。前後の形からして、これから築堤が伸びてくるようですね。
右手、重機の見えるあたりに、看板があったので読んでみると、東関東自動車道・水戸線の橋を造っているとのこと。長らく潮来が終点だった東関道もいよいよ延伸され、鉾田まで来ている片割れといずれつながるのですね。
【撮影地点のMapion地図】←場所は推定です。
(令和5年1月2日撮影)
(『前川二閘門の変化…4』につづく)

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前川二閘門の変化…2
(『前川二閘門の変化…1』のつづき)

●堤防上に戻って、閘室を改めてのぞいてみると‥‥あっ、前扉室だけでなく、後扉室もゲートが開放されている!
ということは、前川が鰐川と同じ水位になったこと、つまり水位低下化河川でなくなったことを意味しています。これには驚かされました。どういったいきさつでこうなったのかはわかりませんが、水位差がなくなったということは、閘門が不要になったと考えて間違いないでしょう。

●南側に出て、後扉室ゲートを一枚。こちらも信号は消灯しており、生気が感じられません。
もう一つ気になったのは、どちらも扉体が全開でなく、通水だけを目的としたような、中途半端な開き方であったこと。つまり、水は通しても、船底の進入は拒みたい、という意思を感じたのでした。前扉室にも、「通船禁止」などと表記した看板はなかったものの、これではカヤック程度でも通れなさそうです。
●管理橋を渡ると、閘室の水面へ降りる階段の扉が開放されていたので、失礼して降りてみました。
前川の堤防がかさ上げ・強化されたとか、水田などの排水を他に取るようにしたとか、水位低下が不要になった理由は何でしょう。前川の西を守るもう一つの閘門、大洲閘門も同様なのでしょうか。

●閘室の水面近くから鰐川方、前扉室を見上げて。この様子だと、次に訪ねたら後扉室が撤去され、前扉室だけ‥‥つまり、単なる樋門になっているかもしれないと、マイナス思考になりながら眺めたものです。
何しろ同じ水郷の小閘門では、扇島閘門の前例がありますから、そう考えてしまうのも無理からぬところ。ああ、また水郷から魅力的な閘門風景が消えるのか‥‥(脳内ですっかり既定の事実に)。
【撮影地点のMapion地図】
(令和5年1月2日撮影)
(『前川二閘門の変化…3』につづく)

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●堤防上に戻って、閘室を改めてのぞいてみると‥‥あっ、前扉室だけでなく、後扉室もゲートが開放されている!
ということは、前川が鰐川と同じ水位になったこと、つまり水位低下化河川でなくなったことを意味しています。これには驚かされました。どういったいきさつでこうなったのかはわかりませんが、水位差がなくなったということは、閘門が不要になったと考えて間違いないでしょう。


もう一つ気になったのは、どちらも扉体が全開でなく、通水だけを目的としたような、中途半端な開き方であったこと。つまり、水は通しても、船底の進入は拒みたい、という意思を感じたのでした。前扉室にも、「通船禁止」などと表記した看板はなかったものの、これではカヤック程度でも通れなさそうです。

前川の堤防がかさ上げ・強化されたとか、水田などの排水を他に取るようにしたとか、水位低下が不要になった理由は何でしょう。前川の西を守るもう一つの閘門、大洲閘門も同様なのでしょうか。

●閘室の水面近くから鰐川方、前扉室を見上げて。この様子だと、次に訪ねたら後扉室が撤去され、前扉室だけ‥‥つまり、単なる樋門になっているかもしれないと、マイナス思考になりながら眺めたものです。
何しろ同じ水郷の小閘門では、扇島閘門の前例がありますから、そう考えてしまうのも無理からぬところ。ああ、また水郷から魅力的な閘門風景が消えるのか‥‥(脳内ですっかり既定の事実に)。
【撮影地点のMapion地図】
(令和5年1月2日撮影)
(『前川二閘門の変化…3』につづく)

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前川二閘門の変化…1

いつもは朝一番で着くところ、寝坊して昼近くとなったこともあり、駐車場は徒歩10分の山の麓、本殿の前は長蛇の列。かえってお正月らしい賑わいが体感できて、よかったかもしれません。

●お札をいただいた後は、これも恒例の水郷ドライブへ。冬の陽射しを浴びながら、新利根川に沿って東へ進みます。雲一つない澄んだ青空、開けた水辺風景‥‥ああ、水郷って何度来てもいいものですねえ。
今回は、潮来の前川にある二つの小閘門を訪ねてみようと思いました。特に鰐川と接するところにある米島閘門は、過去ログ「米島閘門…1」以来の再訪で、15年ぶりです。

●米島閘門に到着。堤防上に上がれば、広大な鰐川を渡ってくる川風が身に沁みるところですが、好天で暖かな日和であったのは何よりでした。
華奢に感じる堰柱の上に、少々大ぶりとも思える箱型の巻上機室が載った、頭でっかちでユーモラスな感じのする、小さなセルフ操作閘門。こうして並列するゲートを眺めたかぎりでは、15年前とあまり変わりがないように見えました。

●久闊を叙しつつスキンシップをはかろうと、鰐川の高水敷へ。閘門ゲートの右に併設された樋門ゲート、その規模ゆえにやけに目立つ螺旋階段‥‥特異な構造を持つ極小閘門らしい表情、いいですねえ。こちらから見ても、巻上機室壁面の塗装が少しはげ、年齢並みにくたびれた以外は、さしてお変わりないような。
あれ? と気づかされたのは、眺めて一息ついてから。閘門ゲートが中途半端に開いているのと、信号が点灯していないこと。点検か何かで、運転を止めているのかな?

盤上の銘、劣化しはがれて読みにくくなっていましたが、「西田鉄工株式会社 熊本県宇土市松山町」でしょうか。
【撮影地点のMapion地図】
(令和5年1月2日撮影)
(『前川二閘門の変化…2』につづく)

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