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利根川河口堰閘門を訪ねて…5

(『利根川河口堰閘門を訪ねて…4』のつづき)

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警報音が鳴り響く中、じりじりと後扉室の扉体が上がって、閘室内が見えてきました(動画はこちらをどうぞ)。船はすでにもやいを放ったのだか、側壁から離れて斜めになっていますね。

径間15mの開扉となれば、離れていても結構な質量感で迫力があります。扇橋閘門や荒川ロックゲートの速度に慣れていると、ちょっと遅いかとも思えますが、これは昭和46年という竣工年と、セルフ操作で安全性を見込んでいることから考えて、妥当なところではあるでしょう。

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293023.jpg側壁に見える湛水線からして、閘程は1mほどでしょうか。こういったディテールは、実際に通閘を目の当たりにしないとわかりません。本当にラッキーでした。

閘室を出てきたサッパをスナップ。先ほどは船首に出ていた人たちも、扉体からの滴をしのぐためオーニングの下に入っていますね。鴨猟のチャーターを専門に請け負っている船なのでしょうか、通閘を前提とした備えのように思えました。

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293025.jpg閘門を訪ねられただけでなく、通閘シーンもばっちり堪能できて、お腹いっぱいといったところ。背割堤の天端に上がって、常陸川水門のゲート群を眺めつつしばし休憩。常陸川水門の閘門は、15年前に過去ログ「常陸川閘門…1」で訪問済みです。

ここで天端の堤防道を、川面にはさまれた清々しい風景を眺めつつ下流側へ。もう一つ見ておきたい物件があったのです。
撮影地点のMapion地図

(令和5年2月12日撮影)

(『利根川河口堰閘門を訪ねて…6』につづく)

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利根川河口堰閘門を訪ねて…4

(『利根川河口堰閘門を訪ねて…3』のつづき)

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扉体があらかた閉まったところで、急ぎ前扉室を離れ、道々ディテールをスナップしながら下流側の後扉室に向かうことに。船が閘室を出てくるシーンが見たいですからね。

前扉室の番号をアップで一枚。書体もかっこいいですが、この板材の厚み(中空かもしれませんが)でできる影が、いい雰囲気を醸していますよね。周囲に点々と見える取り付け金具、二つ穴が開いているのに、ボルトが通っているのはどれも一つという不思議。

293017.jpgこちらは後扉室の堰柱側面に掲げられていた、工事のお知らせ。掲示の位置や内容からもわかるように、橋上を通るクルマに向けてのもの。

下の看板、水門設備整備工事については、この後、面白いものを見ることができました。近々回を改めて紹介しましょう。



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293019.jpg後扉室を望む場所に出られました。間に合ってよかった‥‥。扉体越しに、サッパのオーニングが見えますね。光線がよいので実にいいお顔。

右はゲート下流側、操作用把手周り。セルフ操作のプルスイッチは「河行」「非常停止」「連絡呼出」の3種。運転時間は7:00~17:00だそう。


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さらに左手には、こんな説明板も。立入制限、立入禁止水域の指定図ですが、水門が開放されるときは通航できるのですね。堰柱に掲げられた番号も、ただかっこいいだけでなく、一般船艇に向けたこういう告知にも役立っているのがわかりました。
撮影地点のMapion地図

(令和5年2月12日撮影)

(『利根川河口堰閘門を訪ねて…5』につづく)

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利根川河口堰閘門を訪ねて…3

(『利根川河口堰閘門を訪ねて…2』のつづき)

293011.jpgゲートを眺めてウロウロしていたら、対岸方向から船が近づいてきました。戸立て造りの船首、サッパぽいスタイルで、胴の間にオーニングを張っています。

間なしに、タァン! と鋭い音がして、思わず首をすくめました。銃声だ‥‥サッパの船首に乗っていた人が銃を構えていて、発砲したようです。水鳥の多い水域だし、鴨猟だろうと見当がつきました。


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銃声が鳴った瞬間、水面に浮いていた無慮大数の水鳥たちが、驚いて一斉に飛び立ちました。数が数だけに、まあ、凄いのなんの。羽音だけで、ザァーッと豪雨のような音がするのですね。

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空を埋め尽くさんばかりの大集団、映画の一幕を思わせる壮観に、口あんぐりで見とれてしまいました。鴨たちには申しわけないですが、この一瞬に立ち会えたことは幸運でしたし、またこれだけの鳥たちを養うに足る、大利根の豊かさも実感できたことではありました。

293014.jpg目線を川面に戻してみると、おや! 鴨猟のサッパがすぐそこにいて、しかも閘室に入ろうとしているじゃありませんか! 下流側へ通閘するんだ!

ということは当然、ゲートの運転が目の当たりにできるわけで‥‥このときこの場に居合わせたさらなる幸運に、目尻を下げつつも興奮で浮足立ちました。



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閘室に入ったサッパが、セルフ操作の把手を引いたようで、信号が赤に変わり、回転灯が回って警報音が鳴りだし、扉体が下がり始めました!

たまたま通閘に居合わせたことは、過去何度かありましたが、希少なことには変わりありません。強い風になぶられながら動画を撮ったりして、大いに楽しんだのでありました。

(令和5年2月12日撮影)

(『利根川河口堰閘門を訪ねて…4』につづく)

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利根川河口堰閘門を訪ねて…2

(『利根川河口堰閘門を訪ねて…1』のつづき)

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ススキの茂みと柵の間をカニのように横這いして、閘門の上流側が何とか望める場所に陣取りました。何分逆光とて黒くつぶれてしまいましたが、コンクリートの構造物が発散するこの質量感、間近でなくては味わえないもので、来てよかったとしみじみ。

293007.jpg少しディテールを拾ってみようと、左側の堰柱基部をズームでたぐって。半円形のバルコニーに惹かれますよね。一度立ってみたくなります。

三色信号の灯器、回転灯、スピーカーと通航船艇に向けた設備も見られ、現役閘門の鼓動が伝わってきます。扉はアルミ製ですが、もとは庇のように鉄製で、後に更新されたのでしょう。


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これは後扉室のものですが、堰柱に振られた番号、下流側は板状の素材を抜いて作ったものなのに、上流側は黒地に黄色のペイントなのですね。これは他の堰柱も共通仕様でした。

なぜか、閘門の前扉室のみこのペイント番号が施されていないあたり、仲間外れのようで少々哀れな気もしますね。なぜでしょう?

293009.jpg同じ場所から上流側を望んだところ。広大な川面に、堰柱同様番号を大書きした、水位観測施設が点々と並ぶ川景色、もうカッコいいのなんの。ホシハジロでしょうか、都内の川ではまずお目にかかれない、おびただしい数の鴨が浮かんでいるのも圧倒されます。

おまけに左手奥、萩原閘門まではるかに望め、飽きさせることがありません。下利根は本当に楽しいところですね!

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もう一つ目を奪われたのが、対岸近くに錨泊していたこの台船。グラブ式浚渫船なのか、クレーン船なのか判じかねていたら、国土交通省 霞ヶ浦河川事務所のツイートで、ゲート工事のための足場を組むのに出動したクレーン船と判明。

この幅で、閘門を通ってきたのかしら? それとも水門をいったん開放して通したのか、もしや解体して陸送してきたのか‥‥。
撮影地点のMapion地図

(令和5年2月12日撮影)

(『利根川河口堰閘門を訪ねて…3』につづく)

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利根川河口堰閘門を訪ねて…1

293001.jpg2月12日、1月に続いてあんば様に詣でてきました。お願いしていた一件が成就し、そのお礼参りというわけです。

朝一番でお参りした境内は、掃き清められた参道にまだ茅の輪があって、清々しい雰囲気。この後昇殿参拝に申し込み、各地から訪れた崇敬者とともに、神前に額づいて御礼申し上げてきました。


293002.jpg参拝の後はドライブがてら、未訪物件を二つ見て回ることにしました。まず訪ねたのは、利根川河口堰閘門。

常陸利根川と利根川の合流点近くにあり、背割堤上および、常陸川大橋~利根川大橋の道路も2車線かつかつで、しかも交通量も多いときては停めるところがなく、15年前(過去ログ『常陸川閘門…1』参照)は通過しながら写真を撮っただけで、長い間再訪する機会がなかったのでした。

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今回、Googleマップで停める場所を検討。背割堤上の下流側、管理道路が伸びていますが、十字路からすぐのところで閉鎖されているわけです。ここにチェーンが渡されていたとしても、クルマ2~3台分なら停められそうと踏み、入れなければスルーすればいいやと、北東側から進入。

結果は、釣り人さんのクルマが1台あったものの、余裕で停めることができ、胸をなでおろしました。風は強いですが幸い好天、閘門見物にうろついてみるとしましょう!

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高水敷に降りて、まずは側面から前後扉室の両ゲートを一枚。冬枯れのススキ原越しに15年ぶりの再会です。

右側、前扉室は下利根流域に点在する閘門・水門たちと共通の、直線的なあっさり目のデザイン。左の後扉室は、河口堰ゲートと揃えたとおぼしき、堰柱上に大きな巻上機室が載ったかたちで、ずいぶん印象が異なります。

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上流側、前扉室から攻めてみることに。利根川河口堰は、閘門を含めた堰柱すべてに番号が振られていて、前扉室手前の堰柱がそのアンカー、13番というわけ。

扉体の汚れや信号の灯器、スピーカーなどのディテールに、現役閘門の息吹を感じて吸い寄せられる思い。近づいて堪能とまいりましょう。
撮影地点のMapion地図

(令和5年2月12日撮影)

(『利根川河口堰閘門を訪ねて…2』につづく)

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