先々代の加藤洲閘門?

153024.jpg仲江間閘門にマイタゲート疑惑?」と、「水郷の閘門について・二題」の続きみたいなお話です。

水郷関連の絵葉書を探してさまよううち、「日本水郷」と題した、袋入り8枚組の絵葉書に出会いました。「天然色・国際規格判」の文字も誇らしげな、白黒写真をベースに、製版でカラー化した絵葉書です。

水郷大橋、帆引き船、香取神宮と、おなじみの風景を題材に、この手の絵葉書特有の、ちょっと強調し過ぎとも感じられる色彩が目に沁みるようで、時代を感じさせ味わい深いもの。それだけなら、「フーン、いいなあ」で済んだものが、以下の一枚が入っていたことで、即決定となりました。
そう、水郷名物、極小閘門です!

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裏面のキャプションを読むと、「日本水郷情緒 野趣にとむ十二橋入口付近」とありました。十二橋入口とくれば、これは加藤洲閘門? いわれてみれば、画面奥が南として、閘室が左に曲がっているあたり、確かにそれらしい! それにこの水路幅、舟がみっちりもやっている様子、新左衛門川以外、考えられません。

ゲートが、「水郷の閘門について・二題」の絵葉書に出てきた、先代加藤洲閘門とはまた違った形であること、「仲江間閘門にマイタゲート疑惑?」で触れたのと同様の、マイタゲート取り付け跡(?)らしい構造物がゲートの手前に見えることと、ダブルパンチでハートわしづかみの物件を目の当たりにし、もうコーフン状態。

上記の推測が正しければ、先々代の加藤洲閘門を写した、貴重な一枚ということになります。それだけでも嬉しいのですが、やはり気になったのは、マイタゲートが取り付け座だけで、扉体自身は姿が見えない点でした。

以下妄想すると‥‥。スライドゲートは水垂れが不快なため、増水時の閉鎖用として常時開にしておき、通常はマイタゲートで通航操作をするつもりでいたところ、スライドゲートの電動化で、マイタゲートを人力で開閉するより省力化がはかられたため、マイタゲートは取り外されたか、最初から取り付けられなかった‥‥といったあたりでしょうか。いきさつをご存知の方、ぜひご教示いただきたいものです!

153025.jpgさて、この絵葉書セットが発行された年代ですが、袋には一切奥付表記はなく、葉書自体にも、切手欄に「KAIGA.CO」と、発行所名らしいものがあるのみ。年代特定の手掛かりが乏しく、困っていたら、先代の銚子大橋を写したものが入っていたことから、この橋の竣工時、昭和37年11月以降ということはわかりました。

なるほど、30年代末なら、雰囲気的にしっくりくると思います。しかし、仲江間閘門は凄いなあと、改めて感じ入ったことではありました。昭和30年代か、それ以前の水郷における極小閘門のスタイルを、いまなお維持してかつ、現役なのですから!

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阿玉川閘門…4

(『阿玉川閘門…3』のつづき)

143036.jpg国道の橋がゲートに迫っているので、少し南へ下がるとご覧のとおり。艇で通行するときは、少々見通しの悪い場所かもしれません。いや、夏に通るときは、桁下にできた日陰で、涼しい水位調整待ちになる利点はありますね。

眺めながらあれこれ妄想していたら、右の堰柱に、ようやく竣工年の刻まれたプレートを発見。昭和34年9月「竣功」とのこと、四隅に締め込まれた、太いマイナスネジの頭にシビレてしまいました。

143037.jpg

143038.jpg橋の下で、ふと水際に目をやると、黒い小さなブイが。感心したのは「暗礁有り」と注意書きがあったこと。文字の書かれた球形ブイというと、新芝川のアレを思い出してしまいましたが、こちらは1個で完結しているのが違います。

簡単ではありますが、航行の安全を思うと、効果は決して少なくないことでしょう。東京の水路でも、マネをしていただきたいくらいです。

143039.jpg

143040.jpg前々回触れた、堤防と国道の築堤に挟まれた「谷間」からの眺め。見えるのは二つのゲートと青空のみ、誰もいない紡錘形の枯れた草原を、閘室が二つに割るという、何とも不思議で、静かな空間です。

川風に吹かれながらの閘門見物、楽しいひとときでした。未訪の「兄弟閘門」はまだ一つ、この東に笹川閘門があるのですが、これは次回のお楽しみとし、帰途につくことにしました。


(26年1月2日撮影)

(この項おわり)

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阿玉川閘門…3

(『阿玉川閘門…2』のつづき)

143031.jpgこの手の管理標識は、他の兄弟閘門でも見かけましたが、今回初めて意識したのが最下欄、「操作受託者 直轄管理」の項目。

本閘門は通航艇の乗員が把手を引いて動かす、セルフ操作ですから普段は無人ということですが、十六島にある仲江間閘門のように、近在の住人の方へ管理・運転が委託されている場合は、受託者の名前または、「委託管理」などと記入されるのでしょうね。

143032.jpg

143033.jpg管理橋から閘室を見下ろして。繰り返しになりますが、ゲート設備のゴツさ(?)にくらべると、閘室は実にちんまりと、ささやかなものに見えます。右は閘室側壁の操作把手と、非常停止の手順を説明したボード。

このくらいの規模の閘門が、江戸川の行徳可動堰や新川排水機場、旧中川~荒川間の木下川排水機場などに併設されたら、楽しいだろうなあ‥‥などと、例によって妄想がむくむく。

143034.jpg
南側に下りて、陽射しに輝く両ゲートを一枚。国道の橋の下から撮るかたちになりましたが、ぎりぎり橋桁が入らないポジションで、フレームに収めることができました。

143035.jpgほぼ同じ位置から、はじめましての阿玉川。利根川と平行する黒部川を結ぶ、全長0.8kmほどの水路ですが、ご覧のとおり釣り人さんで賑わっていました。ヘラブナ釣りの有名スポットのようですね。

大利根本流から、堤防と閘門で守られたいわば「堤内地」とあって、河畔の眺望は開け、逆光にキラキラ輝く川面も穏やか。艪走したら気持ち良さそうな川だなあ、というのが第一印象でした。
撮影地点のMapion地図

(26年1月2日撮影)

(『阿玉川閘門…4』につづく)

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阿玉川閘門…2

(『阿玉川閘門…1』のつづき)

143026.jpg基礎部分の水路側側面に掲げられていた、通航可能な艇の寸法表示。数字を見てもおわかりのように、いわゆる小型船舶を対象として造られたもので、東京の3閘門のように、大型のバージや水上バスといったたぐいを通すようにはできていません。

両岸4ヶ所の「量産型」閘門は、これと略同の閘室寸法を採っています。竣工時すでに、下流域をロングランするような旅客船の需要は、絶えていたことを示しているといえるでしょう。

143027.jpgこちらは堰柱南側にあった、石板製の銘板。読みづらいので内容を書きだすと、

設計監督 建設省関東地方建設局 利根川下流工事事務所 施工 鉄道建設興業株式会社
あれ? 竣工年が書いていない‥‥。



143028.jpg

143029.jpg堤防に面した南側は、陽がよく当たってディテールもくっきり。巻上機室の周囲、こちら側3面にのみ回廊が張り出しているのは、他の兄弟閘門と一緒ですね。

堤防道を渡す管理橋は、床板が鉄板製。写真では誰も写っていませんが、自転車や徒歩の人の交通量は、かなりありました。



143030.jpg
閘室を挟んで、いま一つのゲートを。背後に国道の橋が迫っているので、少々窮屈な印象ですが、閘室長の短さにくらべて、不釣り合いなほど堂々とした感じですよね。

閘室の左右は、堤防と国道の築堤によって谷間ができており、刈り込まれた草の平地が細長く続いていて、一種独特の雰囲気でした。子供だったら、駆け下りて行って遊びたくなるような、秘密の空間ぽい魅力があったのです。


(26年1月2日撮影)

(『阿玉川閘門…3』につづく)

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阿玉川閘門…1

(『草林樋門を訪ねて…4』のつづき)

143021.jpg草林樋門を離れた後は、利根川北岸を下って小見川大橋を渡り、国道356号線沿いにある、阿玉川閘門を訪ねてみました。初訪ということで、とりあえず利根川河畔から、両ゲートが並ぶところを一枚。

過去ログ「小見川閘門…1」、「萩原閘門…1」ほかでも紹介したように、この付近の閘門は、同じ図面から起こしたのか「量産型」といっていいくらい、よく似た外観をしています。

143022.jpg
すみません、閘門へ向かう道々、一つ引っかかってしまいました。河中に立つ、水位観測所です。上のように、枯れススキ越しに見ると、ちょっと風情のある雰囲気でしたが‥‥。

143023.jpg閘門の近くで水辺に出てから眺めたところ、水上に突き立ったそのさま、何ていうんでしょう、思った以上に力強くて、孤高感(?)が半端なく伝わってくる!増水したときなどは、また濁流に耐えている感じがして、もの凄いんだろうなあ‥‥。

ちなみに、真っ黒に見える妻面には、「26」の数字が大書きされていました。国交省「川の防災情報」の「観測所検索」によると、数字のとおり「26km地点(上層)」という名前だそうです。

143024.jpg

143025.jpg閘門に戻って、掲げられた「文字もの」から愛でることに。堰柱のかなり高いところにあった銘板。対岸の閘門たちは横書きでしたが、こちらは縦書きなのですね。信号の灯器や電路、大小のスピーカーなどに囲まれて、少々窮屈そうではありました。

右は、基礎部分に掲げられた注意事項。貼り替えてまだ年月が経っていないのか、カスレや色あせもありませんね。
撮影地点のMapion地図

(26年1月2日撮影)

(『阿玉川閘門…2』につづく)

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