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令和元年度川走り納め…11

(『令和元年度川走り納め…10』のつづき)

245051.jpg水門をふたたびくぐって、内川を出ることに。無銘橋の北詰を眺めていて、ふと思い当ったことが一つ。

羽田周辺の船溜めぐり…7」で、「床板の側面に、ぽつぽつと四角い穴が開いているのは、もとの高欄が取り付けられていた跡でしょう」と推測していたのですが、今回、角パイプの梁が断面を晒していたのを見て、下流側同様、持ち送りで管路を支えていた跡なのでは、と考えを改めました。細かいことではありますが‥‥。

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船着場を改めて眺めてみました。ポンツン桟橋二連で結構な長さがあり、まだ新しい感じがします。「大森ふるさとの浜辺公園船着場利用のしおり」(PDF)によれば、正式名称は「大森ふるさとの浜辺公園船着場」、全長40m。

竣工年月がなかったので再度検索すると、ありました。「大森ふるさとの浜辺公園・大森東水辺スポーツ広場」によると、平成29年4月の供用開始だそう。ここから船社による不定期便が発着した実績もあるのですね。

245053.jpg左手、平和島運河の北端部、公園に面した一角は、白いスマートな上架用クレーンが目立つ船溜。船宿の釣船が主にもやっているようですね。

船溜を守るように設けられた、コンクリート製の柵の上は水鳥がみっちり留まり、格好の休憩所になっているようです。近づいてズームでたぐってみると‥‥。


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ユリカモメたちが平たくツブれたり、首をくるんと突っ込んでお昼寝したりと、思い思いに暖かな日差しを楽しんでいるさまが見られて、ほっこり。「ファ~」と、赤い口中を見せて大あくびの子もいて、可愛らしいものでした。

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そのまま直進しガスミオ運河を東航。おや、大規模な仮橋が架かっていますね。南海橋もいよいよ架け替えでしょうか?
撮影地点のMapion地図

(元年12月31日撮影)

(『令和元年度川走り納め…12』につづく)

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タグ : 内川平和島運河ガスミオ運河水辺の鳥たち

令和元年度川走り納め…10

(『令和元年度川走り納め…9』のつづき)

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そして新装の内川水門と対面。堰柱は濃い紺色(?)に塗装され、扉体はもちろん巻上機室周り、左手の階段とすべて新調したようですね。「羽田周辺の船溜めぐり…7」の写真と、くらべてみてください。

面白かったのは、巻上機室回廊の柵を中心に並べられた諸々の装備が、更新前とほとんど変わっていないこと。おいらんのかんざしのような賑やかさは、更新後も受け継がれたのですね!

245047.jpg水門をくぐって上流側へ。10年前はクレーン船が入り、足場が河道を横断していて錆色が目立ったここも、今はさっぱりと落ち着いた雰囲気です。

足場もなくなったことだし、ここで遡上限界点に挑戦‥‥といけばよかったのですが、例の「呼ばれていない」(久しぶりだなあ)オーラに襲われたのか、あっさりと反転してしまいました。


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反転したのは、水門の裏側がどんな風貌になったのか、気になっていたこともあるかもしれません。さて正対してみると、おお、こっちの方が好みかも。ライトやスピーカーなどの装備は少ないものの、扉体の構造も見えるせいかディテールはゆたか。光線の具合も手伝っているでしょう。

巻上機室の側壁、陽射しを受けたせいでコルゲートっぽい板であることがわかります。扉体は先代と違うのが、ハシゴが2本設けられたこと。これでより厳つく、魅力が増した感じがしますね。

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そして何より惹かれたのが、右手の堰柱に掲げられた銘! 水門で抜き文字というのも珍しいですが、陽射しに影をつくったさまが実に風情があって、いい雰囲気じゃないですか。少しくずした書体も悪くありません。

あっ、その直下、見て下さいといわんばかりの位置に銘板がありますね。ズームでたぐったら、何とか読めるかな‥‥。

245050.jpgむう、ブレてしまいましたが、かろうじて判読できそうです。「内川水門耐震補強工事(その1)」と題したプレート。扉体の径間×天地が8m×6.05m、重量21.1t。メーカーは佐藤鉄工とのこと。

メーカーズプレートというと、普通はもっと目立たない場所にあるもの、という先入観がありましたが、比較的高い場所に掲げられたこれを目にして、何かメーカーの矜持というか、自己主張みたいなものを感じてしまうのは、思い入れがすぎるでしょうか‥‥。
撮影地点のMapion地図

(元年12月31日撮影)

(『令和元年度川走り納め…11』につづく)

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タグ : 内川内川水門

令和元年度川走り納め…9

(『令和元年度川走り納め…8』のつづき)

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245042.jpg「ふるさとの浜辺公園」の水域をぐるりと迂回して、貴船水門の北にある内川の河口に船首を向けました。二つの公園エリアをつなぐ浜辺橋を前にした風景は、ちょうど10年前「羽田周辺の船溜めぐり…6」で訪ねたときと、ほとんど変わりありませんが、河口の左側に、ポンツン桟橋が設けられていました。後で見てみましょう。

この日は潮位の高い日だったので、浅いこの区間の進入にも差し支えなかろうと、スロットルをコツンと前進に入れました。

もしかしたら多摩川のように、台風による堆砂で河床が上がっているかな‥‥と魚探の感を眺めていたら、浜辺橋を過ぎたあたりで2m。底状も平坦で、まず心配はなさそうですね。

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お久しぶりの内川水門。更新工事がなされたことは耳にしていたものの、あらら、以前とずいぶん印象が変わりましたね。

巻上機室の天地が高くなり、窓が小さく壁面もフラットなことも手伝って、ちょっと間延びしたような感じを受けます。堰柱と桁との間が空いていて、支承が見えるのも珍しい気が。そうだ、水門の更新工事があったということは、手前にある無銘のボロボロだった橋も、補強ぐらいはされたのかしら?

245044.jpg近づいてみると‥‥イヤ、補強のホの字もないですよ、これ。10年前と変わらない、放置状態のままじゃないですか。

前回は北側の橋脚を掲載したので、今回は南側のそれをスナップして、もはや希少な、ほめてやりたいくらいの腐朽っぷりを記録しておくとしましょうか。トリさんたち、お邪魔してごめんなさい、ちょっと入りますよ‥‥。


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うわああ‥‥。
湛水線付近で腐食消失したアングル材のタスキ、鉄筋の露出した橋脚、そして桁裏の錆びっぷりをご堪能ください。ここまで傷んだ橋を見られるのは、都内可航河川でもここだけなんじゃないかと(真顔)。

この荒廃に至ってまで放置されながらも、補修はもとより撤去も改架もされない理由は、どのあたりにあるのでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(元年12月31日撮影)

(『令和元年度川走り納め…10』につづく)

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タグ : 平和島運河内川内川水門

内川遊覧船に乗って…11

(『内川遊覧船に乗って…10』のつづき)

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川の駅の手前にあるいわば最後の橋、山王橋。橋詰には、巨大な人間の手を模したオブジェがあることで知られているんですが、放生津橋に劣らぬ低さに意識が全部持っていかれ、こちとらお手手どころではありませなんだ! イヤ、最後まで楽しませていただきました。

211097.jpg一周して戻ってきた川の駅新湊。すでに多くのお客さんが待っていて、我々と入れ替わりに乗船、賑やかに岸を離れてゆきました。

数隻のPWCとすれ違いながら、爆音を高めて出発する「万葉丸」に手を振ってお別れ。狭水路、低い橋、港湾風景やトリさんと、お陰さまで楽しかったです、お世話になりました!


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万葉線の駅に向かいがてら、河畔をぶらぶらとお散歩。高さの揃った家並みと、柵の全くない美しく整備されたテラス、どこまでも歩きたくなる雰囲気の水路風景。

しかし、これだけ多くの船艇がもやいながら、テラスにほとんど散らかったところや、汚れた様子が見られないのには感服しました。恐らく漁具を広げる作業スペースは別に確保するなど、インフラは整えられているのだろうと想像しましたが、各艇のオーナー一人一人の心掛けがよほどしっかりしていなければ、これほどの美観を保つことはできないでしょう。頭が下がります。

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寄り道しながら町並みを楽しんで、万葉線の中新湊駅に到着。ちょうど電車が到着したのですが、写真を撮ったりもたもたしていて逃し、この1本後に乗り、高岡へ向かいました。街中の小さな交換駅、地方私鉄のムード満点でいいですねえ。

211100.jpg立川志の輔さんの車内アナウンスを聞きながら約40分、高岡駅に到着。高岡駅の停留場も、富山のそれに負けず劣らず、2面2線の立派な路面電車ターミナル。

この日は高岡に宿をとり、翌日朝からの河川航路訪問に備えることにしました。何分目的地が山の中なので、たっぷり1時間半はバスに揺られなければなりません。
撮影地点のMapion地図

(29年9月23日撮影)

(『庄川峡の船旅…0』につづく)

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タグ : 新湊観光船内川

内川遊覧船に乗って…10

(『内川遊覧船に乗って…9』のつづき)

211091.jpg河道がふたたび左へ屈曲する手前、お次の放生津橋(ほうじょうづばし)が近づいてきたところで、ムムッと唸りましたね。低い橋すり抜け愛好家として、この橋は鬼気迫るものを放っていると(大げさだな)。

近づけば近づくほど、「万葉丸」のハードトップと桁下の余裕が、ほとんどないことがリアルに伝わってくる超絶な低さ。ハッチのちょっとした凹凸ですら、カンナで削り落としたくなるような、そんな気持ちにすらさせるギリギリっぷりです。

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おおお! もうスキマといってよいレベル。

211093.jpg‥‥凹凸を削りたくなる気持ち、わかっていただけたかしら? 漁船が揃って上部構造物を低めているのも、むべなるかな。

右写真、隣接する水管橋(?)も放生津橋ほどではないですが、イイ感じの低さ。古びたRC桁で手すりがあるあたり、人道橋のようでいい雰囲気です。


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ご当地の顔としてよく紹介される、両橋詰にガラス張りのあずまやをあつらえた橋、東橋。ちょっと駅舎のような雰囲気でもあります。

くぐったときにちょうど、和装の女性たちが橋を渡って降りてくるところで、あでやかな着物姿に目を奪われました。呉服関係のイベントでもあるのかしら。

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遠ざかる東橋と、両岸に続く家並を船尾から。近くで仰ぐと、ちょっと派手かしらと思えた東橋も、遠目に見ると、端正な川辺の街場に溶け込んで、すっかり川景色の一部になっていました。繋留船には、ふたたび例のタイプの漁船が出現。陽光を浴びて白く輝き、茶・黒系の家並みと好対照をなして、これまたよいものでした。
撮影地点のMapion地図

(29年9月23日撮影)

(『内川遊覧船に乗って…11』につづく)

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タグ : 新湊観光船内川