7月22日の多摩川水門めぐり…8
(『7月22日の多摩川水門めぐり…7』のつづき)

●くぐりながら桁裏を仰いで。水門のものは扉体のすぐ向こうまでで、幅員のほとんどは土堤道を渡す橋のものですね。
外から見える場所だけでなく、中の桁全てを浅いアーチ状のRC桁で揃えているので、見上げるとずらりと肋骨状になっていて、なかなか印象的です。目立たないところにも、それとなく意匠的な心配りをしているように思えますね。
●奥にメザシでもやう漁船、右手に伸びるレンガと石材の護岸と、堤内地の水面もお変わりないようで何より。
レンガの護岸が支えるのはさして広くない街路で、その向こうはすぐ屋並みの低い住宅地。今の潮位なら艇からの目線でも、余裕で路面が見渡せます。堤外ではわからない、この地域の本当の地標高が、実感できるときでもあります。

●堤防と家並みがおりなす懐に抱かれた、静かな水面でゆっくり回頭。水門の両側に立つ2本の木、以前は剪定されてそんなに目立ちませんでしたが、今はよく枝葉を茂らせて、よいアクセントになっています。
レンガの排水機場建屋も、穏やかな表情で変わらぬ姿を留めていました。妻の右に見える電灯の笠もいい感じで、原形に近いディテールを保っているようです。

●水門をふたたびくぐる手前で見上げてみたところ。こちらの高欄にも「ロクゴウ」の紋が3つ、それにスピーカーとパトランプ、水位計測機器らしいラッパも。
木が茂ると、水門の鑑賞には具合がよくありませんが、径間をはさむようにして両岸に1本づつというのが、古い水門相応の、落ち着いた雰囲気を醸しているようでいいですね。この猛暑ですから、かえって涼しげに見える効果も期待できそうです。
(30年7月22日撮影)
(『7月22日の多摩川水門めぐり…9』につづく)

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●くぐりながら桁裏を仰いで。水門のものは扉体のすぐ向こうまでで、幅員のほとんどは土堤道を渡す橋のものですね。
外から見える場所だけでなく、中の桁全てを浅いアーチ状のRC桁で揃えているので、見上げるとずらりと肋骨状になっていて、なかなか印象的です。目立たないところにも、それとなく意匠的な心配りをしているように思えますね。

レンガの護岸が支えるのはさして広くない街路で、その向こうはすぐ屋並みの低い住宅地。今の潮位なら艇からの目線でも、余裕で路面が見渡せます。堤外ではわからない、この地域の本当の地標高が、実感できるときでもあります。


レンガの排水機場建屋も、穏やかな表情で変わらぬ姿を留めていました。妻の右に見える電灯の笠もいい感じで、原形に近いディテールを保っているようです。

●水門をふたたびくぐる手前で見上げてみたところ。こちらの高欄にも「ロクゴウ」の紋が3つ、それにスピーカーとパトランプ、水位計測機器らしいラッパも。
木が茂ると、水門の鑑賞には具合がよくありませんが、径間をはさむようにして両岸に1本づつというのが、古い水門相応の、落ち着いた雰囲気を醸しているようでいいですね。この猛暑ですから、かえって涼しげに見える効果も期待できそうです。
(30年7月22日撮影)
(『7月22日の多摩川水門めぐり…9』につづく)

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タグ : 六郷水門
7月22日の多摩川水門めぐり…7
(『7月22日の多摩川水門めぐり…6』のつづき)

●六郷水門に至る澪筋は真っ直ぐではなく、下流側に少し曲がりくねった形です。少々緊張させられますが、ムード満点で探検気分を盛り上げてくれる水路ではありますね。
写真のように紅白の竿を刺した澪標をたどり、こんもり繁った葦原の間に突入。このすぐ上流側にも葦原の切れ目があるので、間違えないようご注意。
右の写真は、二本目の澪標を過ぎたあたりの水深の感です。この日、7月22日10:00の推算潮位が1.09m。大潮の干潮時なら、0.4m前後になってしまうような浅さで、やはり多摩川下流の探索は、日中潮位の高い日なればこそ、を実感します。地元艇のご苦労がしのばれますね。

●澪筋に入ると、両側は葦の密生した緑の壁が迫り、とたんに視界がきかなくなるほど。微風とともに渡ってくる草いきれ、サラサラと音を立てる葦原の風情‥‥。東京の可航水路の中でも、一二を争うのどかさを感じさせる川景色です。
しかし、5年前の5月に訪ねたときは、葦の背がもっと低く、密度もこれほどではなかったような。増水で流されたとか、ときどき手入れしているとか、季節の関係もあるのかしら。

●六郷水門、お久しぶりのご対面です。変わらぬ端正なたたずまいですが、5年前とくらべると、手前左右にもやっていた繋留艇が姿を消し、水門自体もコンクリート部分に補修の跡か、まだらに白いところが見られるという変化が。
●補修はもちろん結構なことですが、せっかく原型に近い姿を保ってきたのですから、も少し気遣いが欲しいところではあります。
ロ×9に郷で「ロクゴウ」の紋章も健在。過去ログ「六郷水門…1」でも触れたとおり、旧六郷町の町紋を掲げたもので、六郷町なき今は六郷水門の紋章みたいになっていますが、この手のエンブレムを、しかも目立つ位置に掲げた水門って、他にもあるのでしょうか。
【撮影地点のMapion地図】
(30年7月22日撮影)
(『7月22日の多摩川水門めぐり…8』につづく)

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写真のように紅白の竿を刺した澪標をたどり、こんもり繁った葦原の間に突入。このすぐ上流側にも葦原の切れ目があるので、間違えないようご注意。
右の写真は、二本目の澪標を過ぎたあたりの水深の感です。この日、7月22日10:00の推算潮位が1.09m。大潮の干潮時なら、0.4m前後になってしまうような浅さで、やはり多摩川下流の探索は、日中潮位の高い日なればこそ、を実感します。地元艇のご苦労がしのばれますね。

●澪筋に入ると、両側は葦の密生した緑の壁が迫り、とたんに視界がきかなくなるほど。微風とともに渡ってくる草いきれ、サラサラと音を立てる葦原の風情‥‥。東京の可航水路の中でも、一二を争うのどかさを感じさせる川景色です。
しかし、5年前の5月に訪ねたときは、葦の背がもっと低く、密度もこれほどではなかったような。増水で流されたとか、ときどき手入れしているとか、季節の関係もあるのかしら。

●六郷水門、お久しぶりのご対面です。変わらぬ端正なたたずまいですが、5年前とくらべると、手前左右にもやっていた繋留艇が姿を消し、水門自体もコンクリート部分に補修の跡か、まだらに白いところが見られるという変化が。

ロ×9に郷で「ロクゴウ」の紋章も健在。過去ログ「六郷水門…1」でも触れたとおり、旧六郷町の町紋を掲げたもので、六郷町なき今は六郷水門の紋章みたいになっていますが、この手のエンブレムを、しかも目立つ位置に掲げた水門って、他にもあるのでしょうか。
【撮影地点のMapion地図】
(30年7月22日撮影)
(『7月22日の多摩川水門めぐり…8』につづく)

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7月22日の多摩川水門めぐり…6
(『7月22日の多摩川水門めぐり…5』のつづき)
●腰を上げようと水門に近づいたら、ふたたび電車の通過音がしたので、振り返って元運河の水面にお別れの一枚。「運河橋梁」の名前がわかったのも収穫でした。
写真ではよくわからないかもしれませんが、左手の護岸はフェンダーこそ残されているものの、フラットは緑地と柵が設けられていて、荷揚場としての機能は失われています。

●扉体の端面をものしようと頑張ってみたのですが、見事に失敗。扉体はフロントローラー式スライドゲートという形式こそ維持されたものの、更新後のすっきりした溶接構造で、装飾豊かな堰柱とは対照的です。
水門をくぐった両岸のテラス、10年前は東側のテラスを掲載したので、今回は西側を。猛暑も手伝ってか夏草の勢いは繁く、レンガの法面やテラスごと呑み込まれそうですね。

●お次は対岸、六郷水門を目指して河道を横断しましょう。こちらも岸近くの浅場に葦が密に繁って、遠目に見るとモコモコとした緑のかたまりに、水門が埋もれているよう。どこか可愛らしさを感じさせる風景です。

●そうそう、以前から気になっていた物件‥‥というか、船を一つ。河道のど真ん中に、オーニングをかけたポンツンボートが錨泊しているんですよ。
今回初めて近づいてみたんですが、船外機は2基がけ、ブイやら胴長やら道具類が雑然とあって、古びてはいるけれど、放置されているわけではなさそう。シジミ採り漁師さんのベースか何かでしょうか?
(30年7月22日撮影)
(『7月22日の多摩川水門めぐり…7』につづく)

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写真ではよくわからないかもしれませんが、左手の護岸はフェンダーこそ残されているものの、フラットは緑地と柵が設けられていて、荷揚場としての機能は失われています。


水門をくぐった両岸のテラス、10年前は東側のテラスを掲載したので、今回は西側を。猛暑も手伝ってか夏草の勢いは繁く、レンガの法面やテラスごと呑み込まれそうですね。

●お次は対岸、六郷水門を目指して河道を横断しましょう。こちらも岸近くの浅場に葦が密に繁って、遠目に見るとモコモコとした緑のかたまりに、水門が埋もれているよう。どこか可愛らしさを感じさせる風景です。

●そうそう、以前から気になっていた物件‥‥というか、船を一つ。河道のど真ん中に、オーニングをかけたポンツンボートが錨泊しているんですよ。
今回初めて近づいてみたんですが、船外機は2基がけ、ブイやら胴長やら道具類が雑然とあって、古びてはいるけれど、放置されているわけではなさそう。シジミ採り漁師さんのベースか何かでしょうか?
(30年7月22日撮影)
(『7月22日の多摩川水門めぐり…7』につづく)

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5月4日の六郷水門
(『5月4日の鉄塔澪筋』のつづき)
●水位の高い日となれば、浅い水路の奥にある物件こそ訪ねてみたくなるもの。葦原をくねる水路の向こうにたたずむ、レンガの水門・六郷水門を久しぶりにくぐってみることに。
住宅地に接しているせいもあって、堤防道を走る自転車も多く、散策する人、釣りを楽しむ人と水門の周りは程よく賑やか。大河川に面した水門の中では珍しい、人いきれにまみれたというか、「地先」感(?)がないところが特徴といえるかもしれません。

●おっと、風でちょっと横流れしてしまいました。猫耳のある扉体、レンガやコンクリートの肌も変わらず美しく、よく整備されているようですね。
あっ、正面にいくつか、設備が追加されたんだ。20年9月5日に撮った写真と、くらべてみましょう。

●こうして見くらべてみると、向かって右側の電光掲示板、そして径間上部、例の「ロ×9+郷」の紋章が3つ掲げられた高欄の中央に、監視カメラほかの機器類が追加されたのがわかります。
(過去ログ『六郷水門…1』『六郷水門…2』参照)
●右の写真は、くぐりざま見上げたところですが、二つの監視カメラはわかるものの、他に使途不明なものが…。
右の、パンチングメタルのカバーで覆われた、ラッパが下を向いているのは、音響式の水位計測機? 中央から突き出た金具の先に取り付けられている、黒いスリットの入った箱は、水門閉鎖時に締め出された艇とやりとりするための、マイクといったところでしょうか?
●水門や護岸のレンガの肌を楽しみながら、船溜で反転、ふたたび水門をくぐりつつ眺めた、葦原の水路。
多摩川の流路がいきなり広がっているのでなしに、短いながらも高水敷を割った、草深い水路の奥にあるあたりが、この水門の魅力を倍加させているように思えます。時刻はすでにお昼近く、水門を出たら、澪筋から外れた浅瀬に錨泊して、お弁当を広げることにしましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(25年5月4日撮影)
(『夕凪橋の架け替え工事』につづく)

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住宅地に接しているせいもあって、堤防道を走る自転車も多く、散策する人、釣りを楽しむ人と水門の周りは程よく賑やか。大河川に面した水門の中では珍しい、人いきれにまみれたというか、「地先」感(?)がないところが特徴といえるかもしれません。

●おっと、風でちょっと横流れしてしまいました。猫耳のある扉体、レンガやコンクリートの肌も変わらず美しく、よく整備されているようですね。
あっ、正面にいくつか、設備が追加されたんだ。20年9月5日に撮った写真と、くらべてみましょう。

●こうして見くらべてみると、向かって右側の電光掲示板、そして径間上部、例の「ロ×9+郷」の紋章が3つ掲げられた高欄の中央に、監視カメラほかの機器類が追加されたのがわかります。
(過去ログ『六郷水門…1』『六郷水門…2』参照)

右の、パンチングメタルのカバーで覆われた、ラッパが下を向いているのは、音響式の水位計測機? 中央から突き出た金具の先に取り付けられている、黒いスリットの入った箱は、水門閉鎖時に締め出された艇とやりとりするための、マイクといったところでしょうか?

多摩川の流路がいきなり広がっているのでなしに、短いながらも高水敷を割った、草深い水路の奥にあるあたりが、この水門の魅力を倍加させているように思えます。時刻はすでにお昼近く、水門を出たら、澪筋から外れた浅瀬に錨泊して、お弁当を広げることにしましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(25年5月4日撮影)
(『夕凪橋の架け替え工事』につづく)

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