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12月12日の横浜水路…5

(『12月12日の横浜水路…4』のつづき)

275091.jpg航程の半ばを過ぎると、右手に見えてくるのが入江川小派常磐川。この奥に、先ほど通った鉄橋の撤去現場があります。

点々と水鳥の群れが浮かび、こちらも静謐そのもの。寄り道してみたい気持ちはあるものの、もうずいぶん道草を食ってしまったのですから、ここはぐっとこらえなければなりません。

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貨物線の鉄橋をくぐってから振り返って。帷子川で往復、入江川第二派川、そしてここで各1回と、今日は合計4回も高島線の橋をくぐったわけです。

何分貨物線の重要度も下がっているご時世とあって、どの橋も揃ってくたびれた風情。橋脚は全面石張りとなかなか豪華な感じですが‥‥あ、左に何か書いてある!

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し ず か に い け

あっハイ、と背筋が伸びそうな命令口調。護岸や橋に書いてある、この手の徐航指示は大好きです。謹んでコレクションに加えさせていただきました。

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入江川第四小派川、唯一の船影がこのバージ「栄丸」。バックに見えるサイロ群やバージ上のダクトから、製粉会社だと見当がつきました。今は亡き、小名木川の東京製粉(『5月14日の内部河川…3』ほか参照)を思い出します。

275095.jpg入江川第四小派川を出て港内へ、スロットルを倒して増速、帰路につくことに。

左手に出田町埠頭を眺めながら走っていると、岸壁上の倉庫に「バナナ1号上屋」なる文字を発見、走りながら一枚。いや、扱品目が書いてあるのは当然ながら、バナナとあると何か微笑ましいような感じがして、思わず惹かれたのでした。
撮影地点のMapion地図

(令和3年12月12日撮影)

(『12月12日の水路風景…1』につづく)

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タグ : 入江川第四小派川横浜港

12月12日の横浜水路…4

(『12月12日の横浜水路…3』のつづき)

275086.jpg高架下水路の硬質な眺めと、みっちりの船溜が発散する船いきれを同時に楽しめる入江川第二派川。都内で近い雰囲気があるのは古川下流部くらいになり、横浜ならではの水路風景といってよいでしょう。

ここを直進すれば、子安浜で運河の漁村風景も堪能できるのですが、今回は次の丁字流で港内に出て、帰路につかなければいけません。

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横転した沈船が目に入り、水鳥がちょこんと留まっているのも可愛らしく、思わずスナップ。

都市部の河川・運河では不法繋留船の一掃が進んだせいか、沈船に出会うのもまれになったため、目を引かれてしまったのでした。貝の付き方からして、浸水・横転してから少なくとも1年くらいは経っているものと思いますが、こんな風にならないよう、日ごろの点検は怠りなくしたいものです。

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まっすぐ進みたいのをガマンして右へ折れ、入江川第四小派川に入りました。延長こそ約500mですが流路幅は60mほどあり、小派川の名に似つかわしくない、埋立地の運河らしい風貌を持つ水路です。

雲がだいぶ多くなってきて、夕方のように撮れてしまいましたが、時刻はまだ9時を回ったところ。水面だけでなく両岸ともに静かで、引き波を立てるのがはばかられるような雰囲気でした。

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最初にオッ、と惹かれた物件は、左手にあったこのクレーン‥‥テルファーというべきでしょうか。地図によると三菱倉庫とありました。

ゆるくハの字に開いた脚、3フロア分の高さを支えているだけあってスラリと長く、天地が絞られた形とあいまって、細く頼りなげながらスマートな感じもします。現役時はレールが水面上まで伸びて、艀荷役に活躍していたのでしょうが、ご覧のとおり脚からこちらは切断されていました。

275090.jpg古賀オールで拝見した「鋼板剪断機械」のメーカーズプレート以来、この手のクレーンのホーロー看板風の銘板には、惹かれるものがあります。先端近く、側面に見えたのでズームでたぐってみると‥‥。

いや、期待を裏切りませんでした。「カネカ」の紋に「2屯-3屯」の表記が渋くてたまりません! メーカーは鹿島製作所。紺色の地に白抜き文字もいいですね。
撮影地点のMapion地図

(令和3年12月12日撮影)

(『12月12日の横浜水路…5』につづく)

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タグ : 入江川第二派川入江川第四小派川高架下水路