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入江川第二派川に拾う…4

(『入江川第二派川に拾う…3』のつづき)

77146.jpg子安浜の尽きたあたり、入江川本流・入江川第一派川との十字流から、東側を見たところ。ちょっと入ってみたい気はあったのですが、中央の台船から出ているロープがどうも怪しげで、引っかけたらことと結局入らずじまい。

お客様ご同乗で安全第一となれば、小心にターボならぬスーパーヒーターがかかり、特に「呼ばれていない」感じはしなくとも及び腰に。ブイ列の左、岸沿いが航路なのかしら?

77147.jpgしかし、この北東角、護岸のひたひたぶりに惹かれるものがある…。昔は何が建っていたんでしょうね。

ん? 護岸の角近くにある錆色のアイから、右手水中に伸びるロープ、さっきの台船のもやいでしょうか。となると、岸沿いに歩かせても引っかかりそうですね。う~ん、正しい航路はどこなんだろう。


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何もせずに帰るのも業腹(?)なので、入江川の上流側にほんのちょこっと、鼻先を突っ込んでみました。ものすごく消極的な未踏破水路航行。

まあ、ご覧のとおりすぐ上流に繋留船が詰まっていることもあり、あまり遡上はできなそう。おりしも向こうの鉄橋上を、東海道線の電車が通過してゆきました。
撮影地点のMapion地図

77149.jpgだいぶ話が飛んで恐縮ですが、帰路に目にしたものの中から、気になった物件をひとつ。京浜運河(東京側の、ね)の品川埠頭橋東詰近くまで来ると、クリスタルヨットクラブの建物が工事中…いや、解体でしょうか(過去ログ『京浜運河点描』参照)。

ヨットクラブといっても、ハーバーにあるヨットオーナーの同好会でなく、レストラン船・レディクリスタルを擁して、船上でのパーティなどを提供する施設で、今や珍しくなくなった、レストラン・クルーズ業のはしりともいうべき存在です。

映画「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」でも、ロケ地として使われていましたが、お話の舞台となった平成2(1990)年がちょうど開業の年で、まさに最新のウォーターフロント・スポットだったころですね。

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レディクリスタルはどこへ…と見回してみると、対岸に新しい桟橋が造られ、船体もいつものようにきれいでした。廃業したのではなさそうです。帰宅後、同社のサイトを見てみたら、この写真を撮った10月に、対岸の天王洲シーフォートスクエアへ移転したとのこと。

クリスタルヨットクラブが開業したころは、林立するタワーマンションはもちろん皆無、対岸には東品川清掃作業所(過去ログ『桜探しに出かけてみたら…2』参照)があり、周囲はほとんどが倉庫街と、まだまだお仕事ブネの船影濃かったころ。
ここまで水辺が変貌すると、誰が予想しえたでしょう。オジサン2人(一緒にしてごめんなさい)、トシをとるわけだとしみじみしながら、夕陽を浴びて帰路を急いだのでした。
撮影地点のMapion地図

(23年10月10日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 入江川第二派川入江川入江川第一派川京浜運河高架下水路

入江川第二派川に拾う…3

(『入江川第二派川に拾う…2』のつづき)

77138.jpg秋の陽射しに照らされ、水面に姿を映す子安浜の風景を写真で眺めるうち、珍しくキャプションなしで写真を並べて、悦に入ってみたい気持ちが湧き上がってきました。ディテール豊かな景色だけに、余計な感想を省いてみるのも、たまには面白いかと思ったのです。

というわけで、いささか不精ではありますが、以下8枚を無言で垂れ流させていただきます。「水上生活ハト」の写真とか、語りたくてムズムズするような写真もあるけれど、ここはグッとガマンするぞ! なお、前回訪問時この区間の詳細は過去ログ「入江川水系を眺める…9」~「入江川水系を眺める…12」をご覧ください。

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タグ : 入江川第二派川高架下水路

入江川第二派川に拾う…2

(『入江川第二派川に拾う…1』のつづき)

77133.jpg「萩原龍 記念マリーナ」(過去ログ『入江川水系を眺める…6』参照)の手前にある水管橋が、潮時もあって結構なギリギリ状態で、ちょっとしたすり抜け気分が味わえました。

この桁下高では、ハードトップ艇の通航が難しくなる場合もあるでしょうが、すぐ右手に分流する入江川第四小派川から外の水面に出られるので、運河めぐりでもしないかぎり問題はないのでしょう。

77134.jpgふと高架下に目をやると、岸近くにたゆたっているフェンスの上で、鴨さんたちが羽づくろいをしたり、平たくつぶれてお昼寝したりと、思い思いにくつろいでおり。

フェンスの一節一節に、等間隔でとまっているさまが可愛らしく、毎度のことながらトリ好きとしてはタマランものが。上手く撮れなかったのが悔やまれます、はい。


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頭上が料金所となり、橋脚も2本脚になったあたりで、高架下に入り込んで入江川水系独特の雰囲気を満喫。フェンダーをずらりとまとった橋脚、西側の低い水辺に軒を連ねる造船所や桟橋付きの工場と、都内とは一味違った高架下水路の風景です。

77136.jpg先代橋のレンガ橋脚がそのまま残されている、新浦島橋(過去ログ『入江川水系を眺める…8』参照)をくぐって。前回は北側の、一部崩落している橋脚を紹介しましたが、写真はいま一つの南側橋脚。こちらはあまり崩れておらず、しかも明らかに後の補修と思われる、新しいレンガが積まれていますね。

このあたりの街中はよくご存知の山口氏も、この「隠れた名所」(なのか?)は初めてだったようで、カメラを向けてはしきりと感心しておられました。

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新浦島橋を境界線として、東側に広がる光景こそ入江川水系の白眉たる、子安浜。

一本脚となり右側に片寄せた高架と、左の背後に点在する高層ビル群に挟まれるようにして息づく、都会の「浦」風景! 青空の下にいならぶ漁船群と改造桟橋たち、今回も賑やかな船いきれを満喫できそうです。
撮影地点のMapion地図

(23年10月10日撮影)

(『入江川第二派川に拾う…3』につづく)

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タグ : 入江川第二派川高架下水路水辺の鳥たち

入江川第二派川に拾う…1

(『三井倉庫を眺めて』のつづき)

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三井倉庫をぐるりから堪能した後は、そのまま微速前進、入江川第二派川(過去ログ『入江川水系を眺める…1』以下のシリーズ、およびGoogleマップ『入江川水系』参照)を深部へ。まずは千若町1丁目側の、今なお残る古い護岸を楽しみながら進むとしましょう。

冬の低い陽射しが、草生した赤レンガの護岸を照らし、なかなかキレイ。上の練習場で打ちっぱなしをしていたら、足元がレンガだなんて、まず気づくことはないでしょうね。

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千若町1丁目の西端角は、石材・レンガ・コンクリート、そのまた上に崩壊したレンガ壁が見られ…と、層をなす奇観が味わえる、入江川水系の名所の一つ(と思っているのは船頭だけ)。

地面を掘り下げずとも、累代に渡る遺構の重層が目の当たりにできる場所は、そうそうないように思えます。

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北西岸は一転して、大谷石らしい石組みの上に、レンガ壁の残骸が部分的に残っており、どのような歴史を経てこうなったのか、想像をかきたてられますね。古地図を調べてみれば、土地の利用からある程度見当はつくかもしれません。

77131.jpgこれらの「地層護岸」を見て思うのは、テラス整備が急ピッチで進む小名木川の、保存された旧護岸の展示方法です。

ご覧のように、護岸をかさ上げした年代が記入され、地盤沈下の歴史が一目瞭然。千若町のそれも、小名木川並みを望むのはぜいたくにしても、何がしかの解説が欲しくなりますよね。これだけ豊かなディテールを見せてくれ、ひと目で歴史が感じられる護岸って、やはり貴重なものでしょうから。

77132.jpg村雨橋をくぐって、旧海岸線に沿った区間に進入。首都高横羽線が左手からカーブを切って水路上に入り、右手は東神奈川ランプと箱桁が交錯する、高架下水路のアプローチ。

こちらも久々の訪問とあって、何か変化はないか、キョロキョロ見まわしながらの微速航行です。
撮影地点のMapion地図


(23年10月10日撮影)

(『入江川第二派川に拾う…2』につづく)

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タグ : 入江川第二派川小名木川高架下水路

三井倉庫を眺めて

(『大岡川に拾う…3』のつづき)

77116.jpg大岡川を出た後は、横浜港を北上し、瑞穂埠頭に憩う米軍の揚陸艇や港内曳船を眺めながら、次なる名所・千若町の三井倉庫(過去ログ『入江川水系を眺める…1』参照)へ。

恐らく戦前に竣工したものと思われますが、その魅力的な外観はもちろん、艀から荷役のできる、数少ない現役クレーン付き倉庫としても惹かれる存在。久々の訪問とあって嬉しくなり、調子に乗ってぐるりから撮った写真を垂れ流します、お目汚しまで。

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タグ : 入江川第二派川三井倉庫横浜港