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12月12日のフネブネ…3

(『12月12日のフネブネ…2』のつづき)

275121.jpgここを通るたび、ついまじまじ見てしまうラック式艇置場。狭い敷地内に、まるで本船の装載艇のように高所に置かれた艇、秘密基地のような、どこか夢のある光景ではあります。

以前来たとき(『入江川第二派川に拾う…2』参照)は、「萩原龍 記念マリーナ」と看板が掲げてありましたが、写真のように看板は枠だけ残して失われていました。

もっともGoogleストリートビューで見ると、裏側の道沿いには同名の看板があったので、名称を変えたわけではないようです。台風か何かで落ちたのかな?

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京浜運河を東航中、行逢した通船にカメラを向けて。船首波から水煙が上がり、アップトリムで突き進んでゆく、実にさっそうとした姿が魅力的で、鳥たちが競争を挑んでいるのもいいですね。

船名は「DORAGON」‥‥えーと、一瞬、龍のことかと思いましたが、1字多いですね。きっと別の意味があるに違いない‥‥。

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275124.jpg左折して塩浜運河に入るいつものコースをたどれば、見えてくるのが超アップトリム放置船「MARINA」!

初出が平成30年12月「12月9日のフネブネ…2」、2度目は31年4月「5年ぶりに横浜へ…3」で、ついに3年が経過したものの、放置状態は変わらず。表面もだいぶ傷みが目立って、悲壮感漂う雰囲気になってきました。何とかならないのでしょうかねえ‥‥。

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突き当りを右折して千鳥運河に入れば、千鳥橋寄りの奥は官庁船の船溜。川崎海上保安署の桟橋には、何度かここで顔を合わせた巡視艇「しおかぜ」が。グレーの船体色も美しく、まめに手入れされていることがうかがえます。

おおっ、その向こうに見える船影は! 今回、初めましてになる新顔ですね。じっくり拝見してゆきましょう。
撮影地点のMapion地図

(令和3年12月12日撮影)

(『12月12日のフネブネ…4』につづく)

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タグ : 入江川第二派川京浜運河塩浜運河千鳥運河巡視艇

12月12日のフネブネ…2

(『12月12日のフネブネ…1』のつづき)

275116.jpg「ハワード・O・ローレンツェン」の後ろには、音響測定艦2隻のほか、ご覧のようなクレーン船やLCU‥‥中型揚陸艇2隻も接岸していて、後詰めの根拠地らしい雰囲気です。

ノースドックには、帷子川を出て瑞穂鉄橋に向かった道々にも北西角周りを間近に眺められ、楽しめました。以下はそのときのスナップです。


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こちらはハーバータグともいうべき大型曳船。丸みを帯びたいかにも曳船らしいスターンに「MG NATHANAEL GREENE」、「BG ZEBLON PIKE」と船名が。

275118.jpgさらに奥へ進むと、小型舟艇の上架スペースがありました。小型曳船とLCMがみっちりのズラリ‥‥同型艇が水線下を見せて並んだところって、やはり目を引かれますよね。

スロープやリフトなど、上下架のための施設は見えなかったので、移動は先ほどのクレーン船で行うのでしょうか。


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このクラスのランディング・クラフトだと、何でも「大発」呼ばわりしたくなる悪いクセがありまして‥‥まあしかし、バウランプ付きの艇って夢がありますよね。プレジャーでもこの手があったらとよく妄想します。

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入江川第二派川を奥へ進み、入江川小派台川の入口をのぞいた直後、もやっていた船艇の中でも強烈だったのが、この古風なスタイルの通船!

イヤ、もの凄いボロボロっぷり‥‥。今までさまざまな放置船を見てきましたが、傾きもせずちゃんと浮いているのに、表面だけここまでベロベロに剝がれ放題って、何とも異様なものが。船名は「みらい2世」、おそらくこの水域を終焉の地とするのでしょうが、悲壮感漂いながら、どこか貴重な瞬間を目にしたような、そんな気持ちになりました。
撮影地点のMapion地図

(令和3年12月12日撮影)

(『12月12日のフネブネ…3』につづく)

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タグ : 横浜港入江川第二派川

12月12日の横浜水路…4

(『12月12日の横浜水路…3』のつづき)

275086.jpg高架下水路の硬質な眺めと、みっちりの船溜が発散する船いきれを同時に楽しめる入江川第二派川。都内で近い雰囲気があるのは古川下流部くらいになり、横浜ならではの水路風景といってよいでしょう。

ここを直進すれば、子安浜で運河の漁村風景も堪能できるのですが、今回は次の丁字流で港内に出て、帰路につかなければいけません。

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横転した沈船が目に入り、水鳥がちょこんと留まっているのも可愛らしく、思わずスナップ。

都市部の河川・運河では不法繋留船の一掃が進んだせいか、沈船に出会うのもまれになったため、目を引かれてしまったのでした。貝の付き方からして、浸水・横転してから少なくとも1年くらいは経っているものと思いますが、こんな風にならないよう、日ごろの点検は怠りなくしたいものです。

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まっすぐ進みたいのをガマンして右へ折れ、入江川第四小派川に入りました。延長こそ約500mですが流路幅は60mほどあり、小派川の名に似つかわしくない、埋立地の運河らしい風貌を持つ水路です。

雲がだいぶ多くなってきて、夕方のように撮れてしまいましたが、時刻はまだ9時を回ったところ。水面だけでなく両岸ともに静かで、引き波を立てるのがはばかられるような雰囲気でした。

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最初にオッ、と惹かれた物件は、左手にあったこのクレーン‥‥テルファーというべきでしょうか。地図によると三菱倉庫とありました。

ゆるくハの字に開いた脚、3フロア分の高さを支えているだけあってスラリと長く、天地が絞られた形とあいまって、細く頼りなげながらスマートな感じもします。現役時はレールが水面上まで伸びて、艀荷役に活躍していたのでしょうが、ご覧のとおり脚からこちらは切断されていました。

275090.jpg古賀オールで拝見した「鋼板剪断機械」のメーカーズプレート以来、この手のクレーンのホーロー看板風の銘板には、惹かれるものがあります。先端近く、側面に見えたのでズームでたぐってみると‥‥。

いや、期待を裏切りませんでした。「カネカ」の紋に「2屯-3屯」の表記が渋くてたまりません! メーカーは鹿島製作所。紺色の地に白抜き文字もいいですね。
撮影地点のMapion地図

(令和3年12月12日撮影)

(『12月12日の横浜水路…5』につづく)

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タグ : 入江川第二派川入江川第四小派川高架下水路

12月12日の横浜水路…3

(『12月12日の横浜水路…2』のつづき)

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ホンモノのGoogleマップで入江川小派台川・入江川第五小派川を表示

確かめたい件、その2は何かと申しますと、入江川水系(平成20年にGoogleマップ上に作成した入江川水系を参照)の派川のうち西端に位置する二つ、入江川小派台川と、入江川第五小派川。

数ヶ月前、帷子川に行こうとまだ決めていなかったころ。何の気なしにGoogleマップでこの2河川を見てみたら‥‥あっ、小派台川を横断して、足場が構築されている! ええと、もしかしたら、埋め立て?

まさかと半ば疑いながら、あれこれ検索してみると‥‥ううん、悪い予感が当たってしまいました。
【横浜市神奈川区】運河埋め立て&竜宮橋は撤去?!『東高島駅北地区』再開発工事最新情報」という昨年8月にアップされた記事。なるほど、2河川を含む一帯を再開発するのですね。この記事の時点で、すでに埋め立てが進んでいますから、Googleマップの写真はそれよりずっと前、準備段階をとらえたものということになります。

記事中の写真、工事説明板にもあるように、小派台川の奥部と、第五小派川の角の前後を埋め立てる計画。前回見た、廃線の鉄道橋を撤去するのも、この工事の一環であり、巨大足場も工事車輌用通路だったことがわかります。前回は思わせぶりな書き方をしてすみません。

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ここ、実は未踏破水路だったんですが‥‥時すでに遅し。まあ、そんなわけで、埋め立ての進捗だけでも見ておこうと、まずは竜宮橋から小派台川をのぞいてみました。

むう、工事説明板にもあったとおり、奥部には鋼矢板が見え、すでに閉塞されていることがわかります。ランドクロスの架けられた足場、竜宮橋の仮橋、迂回路だったのですね。

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第五小派川の入口、星野橋からのぞいてみると‥‥こちらはブイのフェンスで完全閉塞。土嚢が山積みされているのも見られました。珍しい“ナンバーズ・カナル”、入江川水系が縮小してゆくのは寂しいですが、再開発ともなれば致し方ありません。

275084.jpg大きな変化をこの目で確かめられたこともあり、寂しい反面充実感はある寄り道でした。そのまま入江川第二派川を進み、次の分流点で港内へ出て、帰路につくとしましょう。

橋名の書体が私好みの村雨橋、「航路」の横断幕が掲げられているにしては、足場のたぐいが見えないなと思ったら、奥に併設された橋の橋脚に、耐震補強の工事中でした。

275085.jpg村雨橋をくぐれば、左手から入ってきた首都高横羽線の下、繋留船がメザシにみっちりともやう、船いきれムンムンの高架下水路の光景が広がります。

ああ、何度通ってもいいですねえ。ご当地横浜の水路も、繋留船が一掃される区間が増えただけに、この水路風景がより貴重なものに思えて、ココロ踊るものがあるのです。
撮影地点のMapion地図

(令和3年12月12日撮影)

(『12月12日の横浜水路…4』につづく)

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タグ : 入江川第二派川高架下水路

12月12日の横浜水路…2

(『12月12日の横浜水路…1』のつづき)

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入江川第二派川に入るといやでも目を奪われるのが、三井倉庫。過去何度か紹介しましたが、自艇の行動範囲内で、これほど素敵な艀荷役設備を持つ倉庫はなく、やはりカメラを向けてしまうのでした。この位置から見ると、背後左手のタワーマンションと対照的な雰囲気がまたよろしく、角の曲面と社紋の妙もあいまって、矍鑠たる風格を感じたものです。

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うろこ雲をバックに空を突くクレーン‥‥いいですねえ。しかし、社紋とロゴの赤は色褪せた感じもなく鮮やかですし、壁面のクリームもきれい。よく見ると、一番右の樋から左側は色が少し濃いので、最近塗りなおしたのでしょうか。

最初に訪ねた平成20年11月のときは、曲面に掲げられた社紋は塗られていませんでしたから、外壁の改修も何回かに分けて行われたことになります。大切にされているようですね。

275078.jpgさて、確かめたい件その1であります。過去ログ「入江川水系を眺める…2」でも触れた、東高島駅からの枝線を渡していた廃鉄橋が撤去されたとウェブ上で拝見。その進捗を見ておきたくなったのでした。

三井倉庫の角を曲がると、巨大な鋼材組み足場と、航路部分におなじみ既製桁「ランドクロス」が。桁の撤去には、こんなに大きな足場が必要なのか‥‥。

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275080.jpg足場をくぐって北側に出て、ゼブラ塗装のうっすら残ったとご対面。桁を失った後の姿は、石張りもあいまって遺跡感が半端ありません。

桁とともに、西側の橋脚もすでに撤去済みでした。かつて港湾の物流を担った、鉄道の痕跡が失われていくさま、水路からその過程に立ち会えた、としみじみした一幕ではありました。
撮影地点のMapion地図

(令和3年12月12日撮影)

(『12月12日の横浜水路…3』につづく)

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タグ : 入江川第二派川三井倉庫