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広島の水上バスが?

そうそう、一つコレハ! と思った一件があったのだった。忘れないうちにきちんとメモしておこう。ちなみに一人で気づいたのでなく、幣ブログでも「エスエスNANO1」ほか乗り組みでおなじみ、ZEN船長のご指摘によるものです。

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25年6月23日、ああ、初めて見る小型水上バスタイプの船がいるなあ、と何の気なしに撮ったこの船。「6月23日のフネブネ」で紹介しました。

白い船体は薄汚れ、窓ガラスはすすけ、船底塗料もはげちょろげて、見るからに長い間放置された様子です。

208017.jpg甲板室後部の側面、「勝どき」のロゴの下に「IZAKAYA CRUISER KACHIDOKI」と書かれており、帰宅してから検索はしてみたのですが、特にそれらしきものはヒットせず、正体はわからずじまい。

何分、道々に撮ったフネブネの一枚だったので、忘れてそのままになってしまいました。ZEN船長からご指摘があるまで、一度見た船影をすっかり忘れていたのですから、お恥ずかしい限りではありますが‥‥。で、4年ぶりに前歴が判明したのです!

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広島の水上バス、「スイスイ」!

ご指摘にアッと思って、全体のフォルムから窓配置まで、照らし合わせてみるとまさに同一船体。いや、さすがに早とちりかな? 少なくとも略同の、同じ図面から起こされた兄弟船には違いない! 21年7月5日、広島訪問時に何度も出会い、写真も数枚撮っていながら感づかないとは、おつむの老化ぶりに情けなくなります。

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以前、「水上バス『カワセミ』のこと」、「『クイーンリバー』時代の『カワセミ』の写真を‥‥」で、水辺ラインの「カワセミ」が、大阪で活躍していたのを回航され「里帰り」したこと、また回航時の写真を撮っていた方がおられたことを紹介しました。

写真の船が「スイスイ」だとすれば、それよりはるかに遠い広島から瀬戸内を通り、遠路はるばる回航されてきたことになります。こういった低舷側浅喫水の河用客船を、海上回航するには様々なご苦労があると思います、一度担当された方のお話をうかがってみたいものですね。

遠く瀬戸内から波涛を越えて、東京の川にやってきた「スイスイ」(かどうかはわかりませんが)。4年前に撮った様子では、せっかくの苦労も報われないような落魄ぶりでしたが、その後どうなったのでしょうか。どこか、よい落ち着き先があったことを、願わずにはいられません。

そうそう、「スイスイ」の履歴に触れたサイトがありました。「遊覧船すいすい(ピンク色)」(廣島ぶらり散歩)によると平成元年就航、22年7月引退とのこと。これが本当なら、引退後間もなく東京に回航されたことになります。他の水上バスや遊覧船についても、広島の川のことなら実に詳しく調べられているサイトです、ご一読をお勧めします。

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タグ : 水上バス旧江戸川元安川

広島の水上バス…7

(『広島の水上バス…6』のつづき)

9056.jpg右手、平和公園側の岸にもやっている、派手な塗装のヤマハSRV…。昨日本川の船溜で見た、アレだ!

ここで船員さんが、「あれはね、『雁木タクシー』いうて、雁木のあるところならどこへでも行ってくれるフネです」。雁木とは、岸のところどころにある、石段のことですね。

私の顔に「乗ってみたい」と書いてあったのか、船員さんは親切にも、ボートに乗っている初老の男性に、大声で料金のことを訊いてくれたのですが、やりとりをする間もなく、我々の水上バスはあっという間に通り過ぎてしまいました。いや、お気持ちだけでも嬉しいです…。

9057.jpg元安川の最上流の橋、元安橋を見上げたところ。平成4年に、戦前風のデザインに復刻されて竣工した、美しい装飾のある橋です。

もちろんこうして、裏側から見れば、現代の構造であるのはわかりますが、橋脚を含めて戦前らしい感じがよく出ており、なかなか魅力的です。

9058.jpg終点、元安橋船着場が見えてきました。干潮なのですから当たり前ですが、昨日とは打って変わって、すっかり高さが低くなり、雰囲気が違って見えます。

ここでぐるりと転回して、桟橋に着けるのでしょうが、水位が低く、可航幅が狭まるこの時間帯、乗っているこちらまで緊張しそう…。

9059.jpgおっ、桟橋の下流側にちょこんと繋がれているこの作業艇、イイ感じ…。

ええと、カロライナスキフでしたっけ(確証なし)? 紺色の船体に、赤く塗ったハンドレールがよく映えて、いかにも働き者といった雰囲気。下げられた看板には「緊急巡廻船」とありました。

9060.jpg見事な転回ぶりで桟橋に達着。東京に倍する干満差、澪筋をたどる面白さと、初めての広島の川は驚きの連続でした。

楽しいお話を聞かせてくださった船員さんと、がっしり握手してお別れ。お世話になりました! また機会があったら、ぜひ訪ねたいものです。
撮影地点のMapion地図

(21年7月5日撮影)

(『雁木タクシー…1』につづく)

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タグ : 広島元安川アクアネット広島水上バス

広島の水上バス…6

(『広島の水上バス…5』のつづき)

9051.jpg下路式の橋が少ない、などとこぼしていたら、下路式の橋が出現…。ポニートラスの本川橋です。

現在、平和公園のある中島町一帯は、かつて広島随一の繁華街で、この橋の創架も安土桃山時代に遡り、当初は猫屋橋と呼ばれていたとのことです。


9052.jpg近づいてみると、石張りの装飾が施された橋脚、リベット組みのトラスと、星霜を感じさせる外観…。

Wikipedia「本川橋」によると、なんと橋脚は明治30年竣工の先代橋のものを、そのまま使っているとのこと。爆心地から近いだけに被爆損傷し、現在のトラスは戦後、昭和24年に架けられたものだそうです。

9053.jpgびっしりともやった繋留船の列を横目に、昨日渡った丁字形の橋、相生橋に近づくと、いよいよ本川ともお別れ。船員さんの話に耳を傾けつつ、写真を撮ったりしていたので、本当にあっという間の遡上でした。

ここで船はぐっと面舵を切り、元安川に入るのです。

9054.jpgこれも昨日眺めた分流点の突端、「滋仙寺鼻」の丸みのある護岸を右に見ながら、180度近い回頭で、元安川に進入。

右へ左へと、澪筋をたどる下流部もスリリングな面白さがありましたが、分流点を実感しながらぐるりと回るここも、ある種この航路のハイライトとも言えるのではないでしょうか。


9055.jpg滋仙寺鼻を回り切ると、目前に原爆ドームの姿が広がりました。

干潮時なので、昨日見た川の様子とはだいぶ表情が異なり、岸辺には長々と砂洲が露出して、石垣が美しい護岸も、ずいぶんと高く見えます。
おや、ドーム前の石段下には、舟が一艘もやっていますね。何だろう?
撮影地点のMapion地図

(21年7月5日撮影)

(『広島の水上バス…7』につづく)

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タグ : 広島本川アクアネット広島滋仙寺鼻元安川水上バス

広島の川景色拝見…3

(『広島の川景色拝見…2』のつづき)

9008.jpgふたたび相生橋を渡り、原爆ドーム前から元安川を眺めつつ歩いていると…。
おお! 水上バスが遡上してきた!

石材で化粧した美しい桁橋、元安橋をくぐり、こちらに向かってくる白い船体…あれこそ、時間が押している中ここにやって来た、最大の目的でもありました。

9009.jpgザアザアと水切り音をたてながら、眼前を横切ってゆく船を見送って…。バウに書かれた船名は「きらら」。船体中央にも見えるように、宮島とここ、平和公園を結ぶ航路に就航しているのです。

当たり前ですが、宮島~平和公園間となれば、航程のうち結構な距離が川…。広島を訪ねる機会があったら、ゼヒ乗ってみたいと思っていたのです。

9010.jpg元安橋橋詰の下流にある、元安橋桟橋。待合室付きのポンツン桟橋です。

船が走っているのを見て、とりあえず、運航していることは確認できたので、ホッとしました。(以前『廃止された』との話を聞いたことがあったので…)どうやら今の船が最終便だったようで、切符売り場は閉まっていましたが、時刻表でもあったら、もらってゆきましょう。

9011.jpg時刻表とリーフレットが置いてあったので、一枚づついただいて帰ることに。先輩によると、この日の用事が済んだら、翌日5日は宮島を観光してから帰京するとのことでしたので、もらったリーフレットを見せて、帰路は水上バスでどう? と提案してみようと思ったのです。

看板にある時刻表を見ても、約1時間おきに便があり、1本逃したからと言って、慌てることもなさそうですね。(詳細は『アクアネット広島』参照)


9012.jpg桟橋をのぞき込むと、2隻の水上バスがもやっていました。青白のツートンと、後ろはピンク一色。手前の船は、キャブを片寄せして張り出させており、この角度から眺めると精悍な感じがします。

時計を見ると、もう予定の時刻ギリギリ…。明日はこの船たちの、どれかに乗れることを祈りつつ、大慌てで帰路につきました。
撮影地点のMapion地図

(21年7月4日撮影)

(『宮島航路…1』につづく)

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