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秋の水郷三昧…20

(『秋の水郷三昧…19』のつづき)

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下るにつれて、川面に鴨の群れがちらほら見られるようになりました。もう水鳥が渡ってくる季節なのですね。

198097.jpg夕方の冷気が堪えるのでしょう、どの鴨さんも首をうずめ、むくむくと羽を膨らませておまんじゅうのよう。東京の川と違って、舟が近づいても飛んで逃げたりせず、間近で可愛らしい姿を堪能できるのが、トリ好きとしては嬉しいですね。

中高の古そうなコンクリート桁橋、万代橋が見えたあたりで、今度は白鳥を一羽発見! 先ほどの中洲の乗り場といい、白鳥によく出会う日ではあります。


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中洲にいたのと同じ、コブハクチョウのようです。こちらもまったく逃げるそぶりは見せず、ゆったりとマイペースで流している風情。餌付けはされているのかな?

こんな近くで、しかもちょうどこちらを振り向いてくれた瞬間が撮れて、これまた嬉しいものが。同乗のお客さんからも、歓声があがりました。小首をかしげたさまは愛らしいものの、一人ぼっちのせいかどこか寂しげにも見えます。

198099.jpgピントが合っていなくてごめんなさい。舟の転回地点、国道が渡る北辰橋の手前で、数羽のコブハクチョウに餌を与えている人が。人馴れした感じからして、やはり餌付けされていたのですね。

船頭さんによると、一人ぼっち君の方は気が弱いのか、いつも群れから離れて暮らしているとのことでした。小野川遊覧のアイドル的存在なのはいいですが、それを聞くと少々哀れではあります。
撮影地点のMapion地図

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帰路、すっかり陽の陰った川面を、哀愁を漂わせて泳ぐ一人ぼっち君。見たところ毛づやも良いので、栄養状態は悪くないものと思いますが、元気で暮らしてほしいものです。

楽しかった水郷三昧の一日は、暮れゆく小野川の川景色と水鳥たちという、風情のある風景で〆となりました。

(28年11月6日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 佐原小野川水郷

秋の水郷三昧…19

(『秋の水郷三昧…18』のつづき)

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198092.jpg横利根閘門を離れたその足で水郷大橋を渡り、佐原は小野川にやってきました。15時を過ぎ陽も傾いて、少し冷え込んできましたが、水郷三昧の最後を締めくくろうと、小野川の遊覧船にも乗ってみることに。

伊能忠敬生家前の乗り場に着くと、何やら人だかりが。見れば、カメラマンとアナウンサーとおぼしき女性が舟に乗っており、ロケが始まるようですね。小野川の魅力を大いに喧伝していただきたいものです。

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198094.jpgちょうど次の便が出るところだったので、急いで手続きを済ませ、飛び乗るようにして舟へ。桟橋を離れて間もなく、帰り舟が遡上してきました。好天もあってか、結構な人気のようで何よりであります。

川面まで降りると、さすがに冷気が身に沁みますが、しだれ柳の並木に、質感の良い擬木の柵を連ねた石垣の護岸、風格にあふれた家並みと、しっとりとした街場の川景色を眺めるのは楽しく、それだけで身体の温まるような気すらします。

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今回、改めて気づかされたことが一つ。写真の中橋をくぐる際、大谷石らしい橋台を眺めていたら‥‥おお、水面近く、方杖ラーメンか、アーチの支承らしい痕跡が! 「平野橋はアーチだった?」で見たものと、よく似ています。

何分川幅が限られているため、下部構造のある橋はただでさえ狭い可航幅を狭めるので、簡素な鋼桁橋ばかりになった現状は、致し方のないところではありますが、ここが方杖橋だったら、くぐるのもぐっと興味が増しただろうと思うと、惜しいところではあります。
撮影地点のMapion地図

(28年11月6日撮影)

(『秋の水郷三昧…20』につづく)

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タグ : 佐原小野川水郷

1月2日の小野川…2

(『1月2日の小野川…1』のつづき)

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舟が下り始めて間もなく、河畔の石垣や家並がすっかり修復され、元の姿を取り戻していることがわかり、嬉しくなるとともに、その間のご苦労がしのばれて、何ともいえない気持ちになりました。

震災後の水郷を訪ねて…2」の写真と、くらべていただくとわかりますが、写真左手は石垣が大きく崩壊していた部分で、違和感なく修復されています。右手に見えるお宅も、瓦が落ちてブルーシートをかけられていたのですが、真新しい瓦でふき直されていました。

112027.jpg船頭さんによれば、修復だけでなく、被災したお宅の中には、一から建て直した例もあるとのこと。しばらく下ってから船頭さんの指す方を見ると、なるほど、瓦だけでなく、白木の壁も新しそうなお宅が。

自治体から手が差し伸べられるにせよ、地元の皆さんに、街並みを維持してゆこうという強い意志がなければ、ここまでのことはできないでしょう。水郷随一の河港街・佐原の心意気を見た思いでした。

112028.jpg成田線鉄橋のすぐ南にある、開運橋の桁側面には、「一時停止」の表示が。この向こうには2ヶ所、地震ではらみ出した石垣を、網でくるんだ砕石の山で押さえてあるところがあり、可航幅が狭くなっているからです。

トラ模様のポールが航路標識として、それぞれの前に2本づつ立てられ、水面下にも張り出しがあることを示していました。いわば応急処置に近いのですが、今は被害の大きい部分が最優先で修復されるでしょうから、差し支えのないところは、当分このままなのでしょう。

112029.jpgおおお、この艇は! 「震災後の水郷を訪ねて…4」で見た、噴出した土砂に持ち上げられ、傾いて座り込んでいたあの艇! 救出されたのですね。

船体がかなり傷んでいたこともあり、このまま処分されるのでは、とばかり思っていたので、立派に浮いているのを目にしたときには、正直嬉しくなりました。以前乗っていた先代艇と同系列の艇、ということも手伝い、気になっていたこともあるでしょう。

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そして今回、もっとも驚かされたのが、利根水郷ラインを渡す北賑橋の手前まで来たとき。何と、土嚢で仮の堰が造られ、堰き止められていたのです! 

向こうの水位が、明らかに低いのがわかりますね。左側には一部切れ目が造られて、水の吐け口となっているようです。不謹慎とは思いながら、物珍しさにまじまじと見入ってしまいました。驚きのあまりききそびれてしまったのですが、何か、上流側の水位を高めなければならない理由があったのでしょうか。

道々で船頭さんに、土砂が盛り上がったあの区間は、通れるようになったかしらと問うと、「それが、まだなんですよ。工事が済めば、利根川まで出るコースもできるんだけどねえ…」との答えだったので、昨年6月に「小野川の復旧工事」で見た改修は、まだ完工していないことは察せられたものの、まさか堰き止められているとは…。

ともあれ、小野川可航区間の復旧が成り、利根川までのコースがふたたび楽しめるようになる日が来ることを、お祈りしています。
撮影地点のMapion地図

(25年1月2日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 佐原小野川水郷

1月2日の小野川…1

(『謎の切合水門…4』のつづき)

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十六島を後にして、佐原の街にやってきました。震災からまだ間もないころの様子は、「震災後の水郷を訪ねて…1」のシリーズで紹介しましたが、その後なかなかゆっくり訪ねる機会がなく、申しわけなく思っていたのです。

今回は、久々に小野川の観光舟を楽しみながら、河畔と街並みの復興ぶりも拝見しようと、まずは忠敬橋周辺の中心部へ。樋橋上流のここから見ても、修理中なのか、足場に囲まれている建物が目につきますね。

112022.jpg樋橋の橋詰にある伊能忠敬旧宅は、フェンスと足場にすっぽり覆われて、どうやら改修工事中のようですね。伊能忠敬記念館利用案内によれば、やはり震災の復旧工事中とのことでした。

佐原市街の象徴ともいえる建物だけに、修繕にも細心の注意がはらわれていることでしょう。この日、内部の見学はできるようでしたが、案内にも書かれているように、工事の進捗によっては入れない場合もあるとのことです。

112023.jpg忠敬橋橋詰から西を見たところ。震災で瓦が落ち、ブルーシートがかかっていた家も、ふき替えがだいぶ進んだようで、真新しい瓦が陽光を反射しているのを見ることができました。

しかし、写真のように、工事中の家もまだまだ多く、完全な復旧にはなお時間が必要なようです。あれ、写真中央、西詰北側の角地には白い壁の3階建てがあった(この写真の左側の建物)のですが、取り壊されて更地になってしまいました。

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しばらく買い物がてら街を散策して、樋橋の乗り場に戻り、乗り合い舟の最終便へ。

ちょうど乗り込んだところで、樋橋の放流時刻が重なり、ジャージャー橋の通称にたがわぬ姿を間近で拝めたのはよかったのですが、風が強いとあって、飛んでくる水しぶきもかなりのものでした。

112025.jpg舟は忠敬橋の下まで後進のまま進み、船首をめぐらして小野川を下ります。川面を抜ける風はもちろん冷たいものの、舟上はこたつでぬくもっているとあって、それほどつらいわけではありません。

ここから見たかぎり、両岸の石垣はだいぶ改修が進んだようですが、下流の様子はどうでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(25年1月2日撮影)

(『1月2日の小野川…2』につづく)

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タグ : 佐原小野川水郷

小野川の復旧工事

(『ホワイトアイリス出港』のつづき)

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気になっていた川とは、佐原の市街地を流れる小野川。昨年「震災後の水郷を訪ねて…3」ほかでも触れたように、震災時の被害は大きく、噴出した土砂で河道が埋まってしまった惨状に、言葉もありませんでした。治水上も、また河川航路の途絶を考えても、一日も早い復旧が望まれたでしょうから、現状を少しでも見ておきたかったのです。

国道356号線、利根水郷ラインの北賑橋上から眺めた、小野川の下流側。おお、だいぶすっきりしている! 両岸に盛り上がっていた土砂はすっかり取り去られ、護岸や道路には工事の跡が見られますね。
撮影地点のMapion地図

98057.jpg両岸の水際には、護岸から少し離れた位置に、しっかりと鋼矢板が打ち込まれ、足下を固めています。もやっていた船影がすっかり見られなくなっていたのは、少々寂しくもありましたが、噴出した土砂の上に座り込んでいたあの様子を思うと、致し方のないことではあります。

川の方は工事も進んで、いわば目鼻がついてきたように感じられましたが、沿岸の家屋はまだ被害の跡をそこここにとどめており、道路は波打って鉄板で仮補修されているところもあり、傷跡はなお深いようでした。

98058.jpg北賑橋の上には、小野川の復旧工事を説明する看板が、何枚か掲げられていました。

左から二枚目のものに、「平成24年8月26日まで」とあり、ずいぶん早く出来上がるんだなあ、と思っていたら、その下に「河川災害復旧工事(23災河第85号その5)」とありましたから、今後も「その6」「その7」と、工事が続くのかもしれません。

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こちらは施工のイメージを断面図で描いたものと、CGによる完成予想図。鋼矢板を、護岸と間隔を開けて打ち込んでいたのは、水際に土を盛り、草の生えるスペースを設けるためだとわかりました。

「復旧河床高」とあるのは、護岸の竣工後、噴出した土砂で浅くなった河底を、本来の河床まで掘り下げるということなのでしょうか。ということは、現状ではまだ水深は浅く、遊覧舟の航行には適していないのかもしれませんね。
ともあれ、小野川が元の姿を取り戻し、舟行きが楽しめるようになることを願ってやみません。

98060.jpgおまけを一枚。帰り道、江戸橋ジャンクションで渋滞したのを幸い、解体中の三菱倉庫を撮ってみました。高い目線から眺められることはめったにないので、こりゃラッキー、とニンマリ。左側の屋上、階段室の出入口でしょうか、釣鐘のような形が印象的でした。

その後もっと工事が進んで、覆いもすっかり取り去られ、中が丸見えになったときもあったようですが、この時点での記録ということで…。
撮影地点のMapion地図

(24年6月24日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 佐原小野川水郷三菱倉庫