fc2ブログ

「エメラルダス」を探して…1

(『英艦「アルビオン」拝見!…4』のつづき)

222021.jpg
河口から隅田川に入って、“捜索”開始。探している船は、奇しくもこの1日前、8月4日に東京都観光汽船が就航させた、松本零士氏デザインの水上バス「エメラルダス」。「ヒミコ」、「ホタルナ」に続く3番船というわけです。

まずは都大路たる、日の出~浅草間の隅田川航路を当れば、いずれ出会えるだろうと踏んだわけです。あっ! さっそく「松本型」が下航してきたぞ!‥‥う~ん、「ホタルナ」でしたか。展望デッキにはお客さんが鈴なりで、川風で涼を取りつつ景色を楽しまれているようですね。

222022.jpg勝鬨橋をくぐってしばらくすると、中央大橋をくぐって早くも2隻目の「松本型」! おお、今度こそ「エメラルダス」かな?

むむ、残念(ごめんなさい)‥‥1番船「ヒミコ」でしたか。就航して早や15年、このレトロフューチャー的な姿も、すっかり隅田川に馴染みましたね。


222023.jpg

222024.jpg「ヒミコ」を見送りながら、佃島は住吉神社に目をやると、おおお、あの幟、普段は佃川派川に埋められていて、3年に一度の本祭のときだけ掘り出されて、掲げられるという‥‥。

すごくレアな川景色に出くわせて、まあ嬉しいこと。今年のお祭りは8月3日~6日だったそう。水路とは密接な関わりのある神様の幟、霊験もあらたかに違いありません。よ~く拝んでおこう。

222025.jpg
結局「エメラルダス」に出会えないまま、吾妻橋まで上ってきてしまいました。これで浅草の船着場にいなかったら、戻って豊洲行きだなあ、などとぼやいていたら‥‥ん? アレは!
撮影地点のMapion地図

(30年8月5日撮影)

(『「エメラルダス」を探して…2』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 隅田川水上バス住吉水門

7月10日の水路風景…14

(『7月10日の水路風景…13』のつづき)

194066.jpg月島のバースを出て本流に戻り、勝鬨橋の中央径間をくぐると、いつもながら隅田川にやって来た実感がわき上がります。

道々、引っかかってばかりで忘れかけそうでしたが、工事中の水門たちの様子を見に来たのでした。どういうわけだか、隅田川東岸の水門群は、軒並み更新工事中。どれも顔なじみの水門ときていますから、気にならないはずはありません。

194067.jpg
その一つ目、月島川水門が見えてきました。おお、扉体が巻き上げられるスペースを挟む形で、筋交を入れたのですね! 

水門の更新工事はいくつか見てきましたが、このタイプは初めて。対岸から見てもさぞ目立つことでしょう、巻上機室のデザインも含めて、完成が楽しみになりました。

194068.jpg
正面にはクレーン台船が陣取っているので、少し上流側からも通り過ぎざま一枚。左側、管理棟はほぼ完成しているようですね。

しかしこの筋交、見た目は頼もしい感じでよいものの、この水門のみに採用された理由は、何かあるのでしょうか。

194069.jpg続いて、前回通ったときは構造がすっかり取り払われ、径間を角落しで塞いであった佃島の住吉水門。こちらは完成状態で、更新後の初邂逅となりました。

更新前と同じく、鉄骨組みのどこか軽快な面持ち。グレー系の塗色にチョイ、チョイと朱を引いたのが控え目なお洒落のようで、水門の小ささと併せ、いじらしい感じがしたものです。


194070.jpg
例によって、正面からいいお顔を、と思ったら、あんまりうまく撮れなかった‥‥。やはり水門は、冬の抜けるような青空と、鋭い陽光のもとで愛でたいものであります。

何より目を引かれるのが、どうやら電灯を仕込んだ行灯式とおぼしき銘板。しかも書体が勘亭流っぽいですね。塗色と合わせて、江戸風味を狙ったのっかしら。管理棟も水門に似て、こぢんまりと可愛らしいものですが、こちらの書体は普通のゴシック系でした。

ところで、上下流から延伸してきて、水門に迫りつつあるテラス、どのように処理されるのでしょう。極小の可動橋でも設けて、艇が出入りするときは把手を引いてセルフ操作、モーターライズされた小橋が跳ね上がる‥‥なんてことになったら面白いナ、などと妄想してしまいました。
撮影地点のMapion地図

(28年7月10日撮影)

(『7月10日の水路風景…15』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 月島川水門住吉水門隅田川台船

27年度川走り納め…8

(『27年度川走り納め…7』のつづき)

186036.jpg6月7日の水門…2」で撤去されたのに気づいた、住吉水門の工事進捗は如何、と近づいてみると‥‥。

管理橋が撤去されたくらいで、外見に大きな変化は見られなかったものの、右手の管理棟が新築されたのか、単にリフォームしただけなのか、面目を一新していました。建屋正面には都のマークに「住吉水門」と大書きされ、以前と違ってアピールもしっかり。堰柱や巻上機室のデザインは、どんなものになるのでしょうね。

186037.jpg
前回は説明板が撮れなかったので、雪辱とばかり舵を切って接近。流れも複雑で、通航船の引き波も絶えない水域とあって、3度再挑戦して、ようやく見られるものが1枚撮れました。

「住吉水門耐震補強工事(その1)」、いや、補強じゃなくて、上回りはほとんど新築だと思うのですが。「その1」が27年11月までとすると、この時点ですでに「その2」にかかっていたことになります。おっ、完成予想図もある! 見たかぎりは鉄骨組みの堰柱のようで、雰囲気的には従来とあまり変わらなそう。巻き上げ装置はチェーンのようですね。

186038.jpg
続いて「3月29日のお花見水路…4」で触れた、月島川水門の工事の様子も。巻上機室は完全に撤去、左手の管理棟もすっぽり足場で覆われています。住吉水門同様、こちらも改築するのでしょうか。

186039.jpg豊洲への移転も迫っていることだしと、築地市場の川表側の全景を撮っておくことに。空も晴れ渡って光線の塩梅もよろしく、冬の陽をいっぱいに浴びたいい姿を拝めました。

魚介運搬船の横着けもできなくなり、桟橋構造も有名無実化してしばらくたちますが、大川口を賑やかに彩ってきたその存在感は衰えを見せていません。最後の日まで、その威容を誇ってほしいものです。


186040.jpg
周囲の風景ともだいぶなじんできた感のある新第一橋、築地大橋をくぐって港内に出てみましょう。通航船の引き波もだいぶ落ち着いてきて、ぬめったような肌を見せる川面に、青空が映りなかなか爽快な水路風景、冬ならではの澄んだ水と空気が嬉しくなります。
撮影地点のMapion地図

(27年12月31日撮影)

(『27年度川走り納め…9』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 住吉水門月島川水門隅田川橋梁築地大橋隅田川

6月7日の水門…2

(『6月7日の水門…1』のつづき)

173031.jpg荒川の可航区間を上がり切ったとなれば、秋ヶ瀬取水堰に挨拶しないわけにはまいりません。

もっともご存じのとおり、秋ヶ瀬橋から上(かみ、ね。念のため)は、動力船の入れない水域。神社でいえば、ふもとの拝殿から、山上の奥の宮をはるかに遥拝するような、だいぶ距離感のある水門鑑賞ではあります。ペラに斜め線の標識が、何やらお社の紋章のように見えてきました。

173032.jpg
以下は帰路のスナップです。芝川水門に少し近づいて、戻ってきた青空をバックに格好の良いところを。

あ、巻上機室の塗っていないこちらの面、壁が剥落して、鉄筋が見えているところが‥‥。かわいそうなので、補修してあげたいですね。

173033.jpg隅田水門から旧綾瀬川に入り、隅田川を桜橋まで下ってきて、久しぶりに撮ったのが山谷堀水門(すみません、正式名称は未確認です)。

ゲートが堤防を切断しておらず、後付けで三方を囲まれているというのが変わっていて、結果的に樋門といってよい構造になっています。堰柱の色からして古そうなので、可航河川時代からのものを流用しているのでしょうか。


173034.jpg
三領水門に続き、今回の驚愕物件その2。隅田川を佃島まで下ってきたら‥‥。
住吉水門が撤去されていた!

都内可航水路の水門としては、恐らく最も径間の狭い水門だっただけに、驚きと悲しさもひとしお。一回だけだけれど、恐る恐るくぐったこともあったなあ‥‥(過去ログ『住吉水門をくぐる』参照)。

はめ込まれている黒い角落しは、過去ログ「住吉神社へお参り…2」で見たものと同じなのかな? 堤防には説明版のようなものも掲げられていたので、近寄って眺めたかったのですが、こちらも余裕がなく次回へ持ち越し。しかし、中にもやっていたフネブネは、どうしているのでしょうね。

173035.jpg
かつてをしのぶよすがにと、本流側からいいお顔に撮れた一枚を探してはみたものの、残念ながらほとんど該当なし。も少し目を向けておけばよかったなあと、今さらながら反省しきりであります。

18年12月31日に撮ったものを、過去ログ「大晦日の水門たち」より再掲。新たに設けられる水門は、どのような姿になるのでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(27年6月7日撮影)

(この項おわり)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 荒川隅田川秋ヶ瀬取水堰芝川水門山谷堀水門住吉水門