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5月5日の仲江間…5

(『5月5日の仲江間…4』のつづき)

235021.jpgころあいと見たのか、船頭さんが「もういい?」と声をかけてきたので、「ありがとうございました。結構です。」と返したところ、棹を突いて舟を回しにかかりました。

ほんの限られたアングルでしたが、閘門ファンとしては間近で実見してこその想いがあり、しかも水上からは10年ぶりとあって、訪ねてよかったとしみじみ。


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船首に立ったまま人道橋をくぐったところ、偶然銘板を発見! 棹を突いてゆっくり歩かせていればこそ、また閘門を通航していたら、そっちに意識が向いて気づかなかったでしょうから、これはラッキーといっていいでしょう。

無骨な無銘橋とはいえ、集落には欠かせない生活道路。竣工は1984(昭和59)年3月、佐原市によるもの。施工は永井建設株式会社、製作は川鉄鉄構工業株式会社とありました。橋自体は実用一点張りなものですが、銘板はなかなか立派ですね。

235023.jpg帰路はふたたび、巨大魚が派手に水音をたてて跳ねるたびに歓声を上げ、青空の下消失点まで伸びゆく、仲江間ならではの水路風景に陶然となり‥‥と、水郷情緒(?)をしゃぶりつくすひととき。

ちょっと気になったのは、往復とも、右へ左へと何かを避けるように舵を切ることがたびたびあり、ズッ、ズッと底を擦るような軽いショックもあったこと。以前通ったときもこうだったかなあ‥‥。

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船頭さんに「以前通ったときより、浅くなった気がするんですけど‥‥」とたずねてみると、小さくうなずいて一言。

舟が通らなくなったからねえ‥‥。

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考えてみれば、ここは広大な田圃からの落し水を受けて、与田浦へ流す排水路。可航状態を維持するには、堆積する泥土をさらうなど、絶えざる整備が必要なのはいうまでもありません。

排水のための水深は維持されるでしょうから、舟航路として荒廃してきたということは、可航水深までさらうことが難しくなってきた、ということでしょうか。かつては観光協会主催で、佐原~仲江間~十二橋駅船着場のチャーター便があり、我々も利用させてもらいましたが、さらに浅くなったら、今後はどうなるのでしょう。少々心配な現状ではありました‥‥。

(元年5月5日撮影)

(『「水郷佐原あやめパーク」で遊ぶ』につづく)

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タグ : 仲江間 水郷

5月5日の仲江間…4

(『5月5日の仲江間…3』のつづき)

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235017.jpg仲江間閘門を囲んで息づく、微高地集落へ進入。少しはらみだして傾いた右のお宅の塀、ゲート前の無骨な人道橋と、変わらぬ風景を眺めながら奥へ。

人道橋の下、テンダーが一杯もやってありましたが、棹やら廃材やらが山積みになり、おまけに水線付近から草まで生えて、久しく使われていない様子。通航も減ってきたのでしょうか、ちょっと心配になる光景です。

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後扉室ゲートの直前まで近づいてもらい、逆光ながらぐっと仰いでみました。昨年1月2日の記事とくらべていただけるとわかるように、改修工事の結果、扉体の巻上装置が従来のスピンドルからラックに更新されたのです。

更新後の様子は、すでにGoogleストリートビューで確認はできていたのですが、極小閘門ファンとしては、やはり実際にこの目で確かめたいもの。スピンドルのころは、堰柱上に高々と突き立っていた2本のさやが失せ、だいぶおとなし目になった印象を持ちました。

235019.jpg扉体は水上にあって薄目に開けられ、閘室内の水を代謝させている点も以前と変わらず。

しかし、巻上機器周りを更新したのですから、ついでに扉体を塗り替えたり、堰柱を補強したりと何らかの補修がされてもよさそうなものですが、一切それが見られないあたり、使用頻度の低さを感じさせて、少々寂しいものがあります。

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船頭さんがサービスしてくれて、扉体にぶつかる直前まで舟を寄せてくれたので、伸び上がって前扉室の様子ものぞくことができました。

あちらも後扉室同様、巻上機器周りのほかは一切、手を入れられていないようですね。予算など厳しい面もあるのでしょうが、数少ない極小閘門の一つであり、十六島における利根川方への唯一の玄関口でもある仲江間閘門としては、ちょっと気の毒になるような最小限の更新ではありました。
撮影地点のMapion地図

(元年5月5日撮影)

(『5月5日の仲江間…5』につづく)

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タグ : 仲江間閘門 仲江間 閘門 水郷

5月5日の仲江間…3

(『5月5日の仲江間…2』のつづき)

235011.jpg船首に陣取って仲江間を堪能していたら、バシャン、バシャンと引き波とは違った大きな水音が、しきりに聞こえるように。後ろを振り返ってみると、生白い大きな魚が思い切り跳ねているのが見え、驚かされました。

おお、これがハクレンというやつかな? ウェブ上の記事や動画でも、群れで跳ねる様子が記録されているのを何度か見たことがあります。

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私にとっても、こんな近くで盛大に跳ね回るのを目にするには初めてでしたが、同乗の連れが受けた衝撃は大きかったようで、手持ちのスマホを構えて真剣な表情になり、魚が跳ねるたびに歓声を上げて撮っていました。というわけでここに掲げた4枚、連れのベストショット(笑)です。

上の写真、杭を避けて岸に寄せたところ、こんな狭いすき間でも飛び出してくるのが凄いですね。手前の一匹、ちょうど水面に顔を出した瞬間が固定されて、なんとも可笑しみのあるとぼけた写真になりました。

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ハクレン(?)の跳躍力は予想以上で、結構な距離を空中移動し、盛大な水柱を上げて砲弾のように着水します。イヤ、見てください! この写真ではヒレを広げて姿勢も真っ直ぐに、まるでトビウオさながらの華麗な飛翔ぶり!

船の中にも飛び込んでくるときがあり、乗っている人が怪我をした、なんて動画を拝見したこともあるので、少々恐ろしくもあったのですが、船体にドシンとぶつかることこそあれ、幸い飛び込んでくるには至りませんでした。

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見事な飛行ぶりを見せる魚がいる一方で、中には岸の法面に着地してしまい、ビチビチビチ、と音を立てて跳ねまわりようやく着水、といううっかり君も。

とにかく跳ね方もさまざまで、眺めていて飽きさせません。魚の方からすれば、静かな水路をかき回されて驚き、おかんむりだったとは思いますが‥‥ごめんね。ともあれ、仲江間でこんなに熱く盛り上がったことはかつてなく、大いに楽しめたのでした。

そうそう、ハクレンが跳ねるのを初めて見たのは、先代艇で江戸川を遡上した平成一桁。航跡に沿ってえらい量の巨大魚が次々と跳ね出してくるさまに、口あんぐりで見入ったことを思い出しました。

235015.jpg利根川堤防に近い集落のいらかと、仲江間唯一の屈曲が視界に入ってくれば、終点である仲江間閘門はもうすぐ。

行き足がしぼられ、爆音と引き波の水音が絶えれば、まことに静かな極小閘門風景です。アングルは限られますが、水上からしか目にできないものもあるはず。立ち上がってカメラを構えました。
撮影地点のMapion地図

(元年5月5日撮影)

(『5月5日の仲江間…4』につづく)

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タグ : 仲江間 水郷

5月5日の仲江間…2

(『5月5日の仲江間…1』のつづき)

235006.jpg男性の船頭さんの舵さばきで、舟はゆっくりと回頭、与田浦を東航し始めました。真水の匂い、緑濃い開けた景色、水際に点々とたたずむ釣り人さんたち‥‥。

眠ったように穏やかな水郷の風景を、舟上から眺められる幸せ。サッパは滑るように水面を切り裂いて、仲江間の北口を目指します。


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仲江間北口に架かる、無銘橋が迫ってきました。RC桁に親柱もないガードレールの高欄と、実用一点張りの外観ですが、取付道路をぐんと盛り上げて桁下高を稼いでいるあたり、水郷の可航水路らしさが感じられて、よいものです。

過去の記事を見返してみたら、仲江間をサッパで訪ねるのは3回目、平成21年7月の「仲江間ふたたび」以来、何と10年ぶりです。嬉しさにニヤケながら進入、北端からしばらく、繋留船と水辺の並木が続く区間を抜けると、いよいよ‥‥。

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さえぎるもののない、一直線の爽快な水路風景が! これが生きた可航水路なのですから、毎度のことながら深い感動がありますわ!

235009.jpgひたすら真っ直ぐに南下して航程ほぼ半ば、水門が左右に相対する用水路との十字流が見えてきました。

おお、橋が以前と違う! 工事現場の足場とさして差のない仮設のものから、鋼製のがっしりとした、恒久的な人道橋に改架されていたのです。10年も経ったのですから騒ぐのもあれですが、幸運にも仮設橋二代とこれ、三代に渡り変遷を目にできたことになります。

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帰路、南側から眺めた十字流の風景も。いくつか架かる農道のRC橋のほか、目立った建造物に乏しい仲江間ですから、ここはある種見どころといってよい場所。

広大な田圃の中にぽつんと、水門や排水機場が肩を寄せ合うさまはどこかメルヘンチックで、箱庭的な感じに惹かれたものでした。
撮影地点のMapion地図

(元年5月5日撮影)

(『5月5日の仲江間…3』につづく)

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タグ : 与田浦 仲江間 水郷

1月2日の水郷風景…5

(『1月2日の水郷風景…4』のつづき)

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注水用のバイパスがあったのなら、排水用のそれもあってしかるべき。見回して探すまでもなく、同じ岸の後扉室近くに、写真のようなゲート設備らしきものを発見。

こちらは埋め込み式でなく、曲がりなりにもコンクリートの堰柱を備えたもの。赤錆びたスピンドルが貫通していることから、ようやくゲート設備と見当がつくくらいで、風化し生垣に半分埋もれた姿は、単なる古びた柵のようであり、見逃してしまってもおかしくない雰囲気でした。

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215028.jpg初訪時も紹介しましたが、前扉室ゲートの堰柱に掲げられたメーカーズプレートを。改修時のもののみで、竣工時のそれは外されてしまったのか、見当たらないのが寂しいところです。「有効巾 2.744m」は、まさに極小閘門を実感させるグッとくる数字! いいものです。

右も以前紹介した操作盤、「操作禁止」の文字を連ねた黄色いテープがはがれかけて、供用を止められてかなりの時間が経過したことを示しています。初訪時とくらべたら、一度塗りなおされて、プレートも「ゲート操作盤」から「香北ゲート操作盤」に変わっていたのですね。



215029.jpg逆光でゴーストが出てしまいましたが、仲江間樋管の裏側も。橋が架けられたので、正面から狙えるようになりました。緑青色の銘板が渋くていいですねえ。

仮に樋管も含めて改修されるのなら、なおさらサッパで通っておいてよかったなあ、としみじみ。樋管を通ったとき、どこにいたのかハトがバサバサと飛び出てきて、驚かされたっけ‥‥。

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爽快な直線水路の終端、集落に挟まれこっそりひっそり在って、星霜を経た風格ある閘門の滋味を教えてくれた、仲江間閘門。もしこれでお別れだとしたら、心からお礼をいいたい気分です。

さて今後は、施設ぐるみ更新されて、加藤洲や大割同様セルフ操作閘門に生まれ変わるのか、それともゲート周りのみの更新に留まるのか‥‥。次の訪問でどんな変化を見せてくれるのでしょう、寂しくもあり、また楽しみでもあります。

(30年1月2日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 仲江間 仲江間閘門 閘門 水郷