1月2日の水郷風景…5

(『1月2日の水郷風景…4』のつづき)

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注水用のバイパスがあったのなら、排水用のそれもあってしかるべき。見回して探すまでもなく、同じ岸の後扉室近くに、写真のようなゲート設備らしきものを発見。

こちらは埋め込み式でなく、曲がりなりにもコンクリートの堰柱を備えたもの。赤錆びたスピンドルが貫通していることから、ようやくゲート設備と見当がつくくらいで、風化し生垣に半分埋もれた姿は、単なる古びた柵のようであり、見逃してしまってもおかしくない雰囲気でした。

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215028.jpg初訪時も紹介しましたが、前扉室ゲートの堰柱に掲げられたメーカーズプレートを。改修時のもののみで、竣工時のそれは外されてしまったのか、見当たらないのが寂しいところです。「有効巾 2.744m」は、まさに極小閘門を実感させるグッとくる数字! いいものです。

右も以前紹介した操作盤、「操作禁止」の文字を連ねた黄色いテープがはがれかけて、供用を止められてかなりの時間が経過したことを示しています。初訪時とくらべたら、一度塗りなおされて、プレートも「ゲート操作盤」から「香北ゲート操作盤」に変わっていたのですね。



215029.jpg逆光でゴーストが出てしまいましたが、仲江間樋管の裏側も。橋が架けられたので、正面から狙えるようになりました。緑青色の銘板が渋くていいですねえ。

仮に樋管も含めて改修されるのなら、なおさらサッパで通っておいてよかったなあ、としみじみ。樋管を通ったとき、どこにいたのかハトがバサバサと飛び出てきて、驚かされたっけ‥‥。

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爽快な直線水路の終端、集落に挟まれこっそりひっそり在って、星霜を経た風格ある閘門の滋味を教えてくれた、仲江間閘門。もしこれでお別れだとしたら、心からお礼をいいたい気分です。

さて今後は、施設ぐるみ更新されて、加藤洲や大割同様セルフ操作閘門に生まれ変わるのか、それともゲート周りのみの更新に留まるのか‥‥。次の訪問でどんな変化を見せてくれるのでしょう、寂しくもあり、また楽しみでもあります。

(30年1月2日撮影)

(この項おわり)

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1月2日の水郷風景…4

(『1月2日の水郷風景…3』のつづき)

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利根川の堤防沿い、前扉室の周りを見回してみたら‥‥ありました。管理橋の手すりに「通行止」が。手作り感あふれる後扉室のそれと違って、こちらは道路工事の看板をそのまま利用したもの。閘門も老齢ではありますし、通航頻度が低いとはいえ、電設もそろそろ更新の時期を迎えていることでしょう。何か工事があっても、おかしくはありません。

いや、それはそれとしてここ、前に訪ねたときは橋はかかっていませんでしたよね? さすがにクルマは通れないようですが、集落内の交通の便は、架橋でかなり改善されたのではないでしょうか。

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さて、せっかく久しぶりに訪ねたことだし、あれこれ眺めて堪能しようとうろつき開始です。まずは管理橋の上から閘室をのぞき込んで。閘室内にはシートをかぶったサッパがもやわれています。一見した様子から、結構な間放置されているような雰囲気ですね。

今まで取りこぼしていたディテールも、いい機会なので拾っておきましょう。左手前の閘室側壁上、柵の下端を凹ませて、コンクリートの出っ張りを逃げているような箇所がありますね。近づいてみると‥‥。

215023.jpgどこか豆腐のようなコンクリート塊、中央やや左にパイプが埋めこまれているのがわかります。これだけ見ると、道路標識でも立っていた跡みたいですよね。

側壁と一体で造りつけられていることから、閘門関連の何かだとは見当がつきそうですが、これでけでは説明が難しいので、対岸の同位置にあるものを示した方が、わかりやすいでしょう。下の写真です。

215024.jpgご覧のとおり錆色のハンドルがあり、穴の位置にはスピンドルが突き出しています。穴位置が閘室と反対側に少し片寄せてあったのは、このためだったとわかりますね。

閘室側壁に接して、スピンドルとくれば‥‥もうこれは小さなゲートの開閉設備、注水用バイパスだと思って間違いなさそうです。

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反対側からもう一枚。穴にはフランジが備えられて、ハンドルの荷重を支えるようになっています。

仲江間閘門を通る!…4」で、通航時に観察していてもわかったように、注排水は扉体を細目に開けることで行い、バイパスを操作している様子はありませんでした。まあ、全てスイッチ一つで動かせることを考えれば、わざわざ人力でハンドルをヨイショヨイショと回す気も失せますし、そもそも改修時にバイパスを閉鎖していた可能性もあります。
いずれにせよ、極小閘門でもちゃんとひととおりの設備をしてあったことがわかり、興味をそそられるものがありました。
撮影地点のMapion地図

(30年1月2日撮影)

(『1月2日の水郷風景…5』につづく)

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1月2日の水郷風景…3

(『1月2日の水郷風景…2』のつづき)

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横利根閘門からいったん十六島の内陸に入って、農道を南下することしばし。与田浦と利根川を結ぶ長大なエンマ、仲江間の南端にやってきました。

215017.jpg訪ねたのはもちろん、大好物の極小閘門・仲江間閘門(仲江間二重水門)。まずは北側から、お久しぶりのご挨拶。

堤防に沿った微高地上の集落に挟まれたみっちりぶり、堰柱上に高々と突き出たスピンドルのさやと、独特の雰囲気もお変わりなくて何よりです。訂正、変化はありました。ちょっとした、しかしとても気になる変化が‥‥。アップで見てみましょう。

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通 行 止
ゲート手前の管理橋に、板にテープ留めした簡単なものながら、ご覧のような標記が。

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集落の小径から管理橋に上がり、後扉室をのぞき込んでみたところ。扉体は低く開放されており、奥の全扉室も細目に開けられているのか、流入があり閘室内の水面に波紋を生じています。足場など、工事が始まった様子は見られませんね。

仲江間閘門にマイタゲート疑惑?」でも紹介した、スライドゲート前後に見られる両側壁の形、意識を吸い寄せられますのう。まあ、取付ボルトなどの痕跡が全く見られないことから、作って準備だけしておいて、扉体は結局設備しなかったと見て、まず間違いはないように思えます。

215020.jpg後扉室側は柵があって閘室横に入れないので、前回同様、集落の外側をぐるりと迂回して、利根川方、前扉室へ向かうことにしました。

管理橋から数えると600m弱、徒歩で10分はかかるという大迂回路で、気温の上がらないこの日は少々ツライものがあったのですが、青空と閘門の魅力に背中を押されて、堤防沿いをほてほてと歩いておもむいたのでした。
撮影地点のMapion地図

(30年1月2日撮影)

(『1月2日の水郷風景…4』につづく)

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秋の水郷三昧…13

(『秋の水郷三昧…12』のつづき)

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おばさんたちにお礼をいって中洲の乗り場を離れ、十六島の風光を楽しみながら移動。まだ帰るものですか、せっかくの好天、水郷三昧日和なのですから。

与田浦畔の無名橋から、麗しの直線水路・仲江間(過去ログ『仲江間をゆく…1』以下のシリーズ、『仲江間ふたたび』ほか参照)を眺めて。キラキラと陽光を乱反射しながら消失点に伸びゆく、エンマの中のエンマ! 相変わらず素晴らしい。

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198063.jpg県道101号線を南下し、横利根閘門にやってきました。「震災後の水郷を訪ねて…6」以来、実に5年ぶり。今日は少しゆっくり見て回ろうと、うろつき開始。

船着場のある河畔から、まずはマイタゲートの変わらぬ威容を一枚。あれ? 説明板、以前からこんなに詳しかったかな? 沿革だけでなく古写真、詳細図面までと読みでのある構成です。竣工当時の写真は、「関宿水閘門と横利根閘門の写真」でお目にかけたのと、同じものですね。

198064.jpgまずは横利根水門から見てやろうと、テラスをずんずんと下流側へ。震災直後には、大きく崩落していた左手の法面やテラスも、美しく修復されて元どおりに。ああ、よかった‥‥。

あっ、水門の堰柱(巻上機室)や橋も、塗り替えられてだいぶ雰囲気が変わりましたね。水門を間近で見上げたくて、体力の衰えもかえりみず、法面をわしわし直登しました。


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天罰てきめん、肩で息をつくていたらく(泣)。呼吸を整えてから、やおら水門を仰いで、目前に迫るどっしりとした質量に、すこぶる満足。大利根の雄大な川景色を背負った艶姿、直登した甲斐がありましたわい。
撮影地点のMapion地図

(28年11月6日撮影)

(『秋の水郷三昧…14』につづく)

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仲江間ふたたび

(『仲江間閘門を通る!…5』のつづき)

11041.jpg仲江間閘門を後にして、我々の乗ったサッパは仲江間を北上、一路、与田浦は十二橋駅桟橋へ向かいます。

最大の目的であった、閘門通過が終わってしまったので、少々気の抜けたような感じではありましたが、この仲江間を走ることも、それに劣らず楽しみにしていたのです。
何しろ…


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四周遮るもののない水田の真ん中を、約2km、一直線に貫く可航水路なのですから!

昨年5月に訪ねたときは、その素晴らしさに、記事中で「エンマの中のエンマ」と、手放しで褒めちぎったものです(過去ログにはまだアップしていません、ごめんなさい)が、今回もその魅力は変わらず、青々とした夏らしい水田が、よりエンマの美しさを引き立てているように思えたものです。

11043.jpgひとつ気になっていたのは、仲江間の半ばにある、用水路との十字流に架かった橋。

橋と言っても、工事の足場に使うような、鉄板を渡しただけのものですが、この橋がとても低く、オーニング(シートを張った屋根)のないサッパでなければ、くぐれない高さでした。
今回の舟は、オーニングがありますから、その点どうかなと、ちょっと心配になったのです。

11044.jpg近づいてみると、橋はコンクリート製の管渠のようなものを、下に2段かませてかさ上げされており、オーニングのある舟でも、余裕で通れるようになっていました。

さすがに、佐原の観光協会が宣伝している航路だけあって、この点抜かりはありませんでしたね。失礼しました!


11045.jpg風が運んでくる、いい匂いの草いきれを嗅ぎながら、船首に陣取って楽しんでいると、2kmの距離もあっという間。

繋留船の列と並木が見え始めたら、仲江間の終点ももうすぐです。
撮影地点のMapion地図


この後は、すでにタイトルでご覧に入れた、お気に入りの極小閘門・扇島閘門や、与田浦の東の玄関口・浪逆浦閘門を訪ねたのですが、都合により、水郷のお話は一旦お休み、続きはまたの機会とさせていただきます。

(21年7月20日撮影)

(『扇島閘門みたび…1』につづく)

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タグ : 仲江間 水郷