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5月4日の中防水路・東側水門

(『5月4日の墨田川造船』のつづき)

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穏やかな日和だったので、沖に出てもつらくはあるまいと第三航路を南下、久しぶりにゲートブリッジへ。暖かくなってきたので、抜けるような青空というわけにはいかないものの、空気は割と澄んでいて、シャープなディテールが楽しめました。

265007.jpgここまで来たことだしと、中防水路の東側水門にも立ち寄ってみることに。前回、令和元年10月の訪問時は曇りだったので、陽射しの下で眺めてみたいと思ったのです。

右は中央防波堤の東の突端近くから、西を見たところ。埋め立て、盛り土した上に造成された海の森はこんもりとして、結構な高さのあることがわかります。江東区で最も標高が高い場所、といわれるのもうなずけますね。

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265009.jpgこちらもお久しぶりです、東側水門。まだ正式名称がわかっていないので、勝手にこう呼んでいるのですが。水門はやはり、好天下で眺めるのが一番ですね。

前回と特に変化はないものの、コンクリート生地の部分が少しくすんで、貫禄が出てきたかな? というくらい。正面から見ると締切堤の傾きで、水平があいまいになりそうな眺めもお変わりなく。

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陽の当たっている南側から見ると、よりメリハリがついていい感じに。前回と同じことをいって恐縮ながら、やはり目が行ってしまうのは「通行止」の電光掲示。

都管理の水門だと、水曜日など平日に作動点検を行うことが多いので、こちらも点検運転で扉体を開放することが、月に一度はあるに違いないでしょう。そのときを狙って、こうサッと瞬間的に出たり入ったりできないものか‥‥など、あらぬ方に妄想が及んでしまうのでありました。
撮影地点のMapion地図

(令和3年5月4日撮影)

(『5月4日のフネブネ』につづく)

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タグ : 東京ゲートブリッジ東京港臨海大橋中防水路東側水門

中防水路の新水門…2

(『中防水路の新水門…1』のつづき)

240016.jpg第二航路を迂回して、中防水路西口に到着。全長200mの締切堤に、ぽつりと水門が配されているのは同様ですが、こちらは片勾配でなく、水門の管理橋を目指して盛り上がった形のため、見た目にも安定感があります。

締切堤越しに青い桁橋、中防大橋(『6月14日の中防水路…2』参照)や、左手には環境局の中防合同庁舎ほか、ビル群が顔を出しているので、東側ほど寂しい感じはしません。

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西側水門に右手から迫って。東側との大きな違いは一目瞭然、巻上機室の上屋を備えていないこと。もっとも、前回参照したPDFで、東側水門には「水門操作室」とありましたから、東西ゲート・揚排水機場とも東側で集中管理するのかもしれません。

排水機場の径間や、電光掲示板・信号のレイアウトは左右逆となったほかは、おおむね東側と略同でしょうか。いや、こちらの方がよりどっしりとした感じだな‥‥。

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正面から。どっしりとした感じ、違いがわかりました。堰柱の水面近く、扉体より手前の部分が、ちょうどスフィンクスの前足みたいに、ぐっと張り出しているのですね。

これは東側も同様ですが、角にはゴム製、側壁には木製のフェンダーがそれぞれ備えられ、船舶の通航を前提としたつくりになっているのです。一般艇が通航できるかはともかく、仮にメンテナンス船艇の出入り時程度にせよ、やはりいずれは開いて「通行可」の表示になることは、間違いないようです。

240019.jpg左手から見て。排水機場径間には、吐口の太いパイプがのぞけているのも、東側水門との違い。

日常風波にさらされる、沖合の埋立地という土地柄のせいか、構造も骨太で実に堅牢な感じがします。上屋を略したのは、人目に触れる頻度が低いからかしら、とも考えましたが、この点どちらもあまり変わりはないはずで、単なる操作室の有無なのかもしれませんね。
撮影地点のMapion地図

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中防水路を出て左手、第一航路に面した上組のバースをふと見てみたら、おお、クレーンがずいぶん増えていますね。

前回(『8月13日の川景色…3』参照)見たのがもう3年も前なので、当然ではありますが。背後に何もない、地先感満点の風景に屹立するスレンダーなクレーン群は、独特の魅力があって惹かれます。

(元年10月27日撮影)

(『10月27日のフネブネ…1』につづく)

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タグ : 中防水路西側水門東京港

中防水路の新水門…1

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徳島のお話をいったん休ませていただき、10月27日に訪ねた、中防水路の新しい水門ほかを垂れ流させていただきます。フネブネや道々の物件については後ほどまとめて、まずは水門から。

都内で最も沖合に位置する水路、中防水路(私が勝手に名付けました、はい)が「海の森水上競技場」に転用され、一般船艇の入れない閉塞水面となってしまったのは、「ゲートブリッジをお散歩…3」、「中防水路西口の様子」ですでに触れました。

出入りができないとなれば、自然に足が遠のいてしまうのが人情とはいうものの、閉塞工事もだいぶ前に終わり、なおかつ締切堤には水門が設けられたとのこと。都内でもっとも新しい水門の表情は如何と、久しぶりに訪問してみる気になったのです。

240012.jpg当日はあいにくの曇りで、水面は穏やかではあるものの、ゲートブリッジも背景に溶け込みそうな、重苦しいグレー一色。

中央防波堤の東端を回り込むと、凹凸の乏しい風景の奥にぽつりと、水門が見えてきました。空模様も手伝ってか、どこか寒々とした、寂しそうな感じが第一印象でした。

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微速で水門に近づきながら、正対する位置に艇を持ってきて、まず初対面の一枚。締切堤が左上がりで勾配がついているため、水平感覚がおかしくなりそうですね。

右に併設された2径間のこれは、塵芥除けの格子を備えていることから、揚水機の呑口でしょうか。全閉された扉体は堤防高より低いことから、高潮を防ぐなど防潮の用途はなく、単に競技場の内水面を一定に保つためとわかります。巻上機室は、堰柱と同様直線的なデザインですが、明るいグレーの塗色とともに、中央に大きな明り取りを配した姿は引きしまった印象で、悪くありません。

240014.jpg一見して何より気になったのは、この信号と電光掲示板の表示。

通行止」って‥‥。もしかしてこれ、信号が青を現示して、電光掲示板が「通行可」になるときが来るということでしょうか? 競技がないときは、内水を代謝させるため開放されることもあるのかしら、と余計な期待を抱かせてしまう罪作りな表示。

う~ん、閉塞され一般船艇とは無縁の存在となったと思っていたが、中防水路はまだ死んだわけではないのか? 年にほんの数日でも、自由通航が許される“開放日”もありうるのか? などなど、あれこれ栓のない妄想をしてしまいます。

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北側から見たところ。水門、揚水機場とも結構な厚みがあって、視点によっては大きく印象が変わりますね。いずれ背後に見えるゲートブリッジのシャフトから降りてきて、水門を眺めながら締切堤を渡れるようになるのでしょうか。

ところで、この水門の名前が気になりますよね。検索しても名前はヒットしなかったのですが、「海の森水上競技場整備工事」(PDF)のパース画によれば、キャプションに「水門、揚水施設 水門操作室」「東側水門」とありました。ここでは仮に「東側水門」としておき、正しい名称がわかったら、タグともども追記訂正させていただきましょう。

水門に併設されたあれは、揚水機場で正しかったようです。西側水門には排水機場が設けられているようなので、東西で機能を分担しているのですね。
撮影地点のMapion地図

(元年10月27日撮影)

(『中防水路の新水門…2』につづく)

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タグ : 中防水路東側水門東京ゲートブリッジ東京港臨海大橋

中防水路西口の様子

(『南前堀が!…4』のつづき)

209036.jpg途中のもろもろはすっ飛ばして、気になることころだけ先にやってしまいます、その2。以前ゲートブリッジの上から見た、中防水路の閉塞状況が気になりました。せっかくなので、水上からも眺めておきましょう。

南前堀を出た後、昭和島あたりで運河を外れて港内に出ればよかったのですが、思い立ったのが京浜運河をだいぶ北上してから。第一航路に出て、北上した航程分また南下するというオロカなことに。

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まあ、百日近く走らせていなかったので、木っ端ブネを運動させるにしくはなしと、スロットルを倒して南風で波の出始めた航路を飛ばしました。

途中、ちょっと第二航路に寄り道して、たたずまいのよいクレーンを一枚。東洋埠頭(株)の川崎支店・豊洲営業所だそうで、クレーンの力量は500t/h、扱っている荷は石炭のようですね。

209038.jpg中防の突端、赤い灯台が見えてきました。陸上の風景からだんだんと凹凸が乏しくなり、地先感が横溢する眺めに変わってゆく面白さ。

中央やや右手に見える、海底トンネルの換気塔ですか、いつ見てもインパクトのある外観ですよね。カタチも色合いも、墓石のような、宗教施設のような‥‥ともかく浮世離れした感じがします。


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中防の突端をかわして、中防水路を正面に見た瞬間、左に見える警戒船が、まあえらい勢いで旗を振りながらすっ飛んできまして、とても近づける雰囲気ではありません。仕方なく、遠くから眺めるにとどまりました。

錆色の鋼矢板は完全に水路を塞いでおり、もちろん進入はできません。先日、「完全にふさがれる前に、一度通っておかないと‥‥。」などと愚考しておりましたが、遅きに失したのでありました。残念、無念。ああ、東京の可航水路がまた減ってしまった‥‥。

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致し方なし、波で転がされる艇上から、ズームでたぐって何枚かパシャパシャと。

ここから眺めたかぎり、以前紹介したバージから不燃ごみを荷役する「揚陸施設」、すでに撤去されたようですね。三崎町や堀船からのバージ便、どこか新たに揚陸施設を造って受け入れるのかしら(だからぐぐれと)。
撮影地点のMapion地図

(29年8月13日撮影)

(『8月13日の巡視船艇』につづく)

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タグ : 中防水路東京港

ゲートブリッジをお散歩…3

(『ゲートブリッジをお散歩…2』のつづき)

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トラスに近づくにつれ、中防水路の様子が視界に入ってきました。ズームでたぐり寄せると、南北端に複数のクレーン船や警戒船が見え、航路を狭めて何か基礎工事のようなことをしています。

検索してみると、「海の森水上競技場」(東京オリンピック・パラリンピック準備局)がヒット。うひゃ~、閉塞水面になってしまうのか! ボート競技場になるのは以前から報じられていましたが、まさか前後を塞がれて、外から出入りできなくなるとは思いませんでした。完全にふさがれる前に、一度通っておかないと‥‥。

207032.jpg第三航路が真下を通っているとあって、出船入船は繁く、歩きながらときどき立ち止まって、下をのぞきつつ進むのも楽しみの一つ。残念ながら、本船の通航には出くわせませんでしたが。

風で細波立つ水面も、ここから見下ろすと縮緬じわのよう。何度目かにのぞき込んでみたら、ちょうど一隻のプレジャーが北上するところで、第三航路のブイとともに一枚。

207033.jpgクルマで通過していれば、どうということはないのでしょうが、二本の足で進む身にしてみれば、一見ゆるく見える橋上の勾配は、結構コタエるもの。トシだなあ‥‥。

しかし、強い風が汗をさっと乾かしてくれることもあって、汗だくのびしょ濡れになることは避けられ、助かったものでした。いよいよトラスも近づいてきて、テンションも上がってきます。水面から仰ぐばかりだったトラスの、中にいよいよ入れるんだ!

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うひょ~!

さえぎるもののない天空に、雄大な幾何学模様を描く上部トラスの構造! 橋上の眺望がよくないという点から、設計者にあまり好まれないともいわれるトラスですが、むしろ利用者に鮮烈な感動を与えて、「橋を渡った!」という実感が深くなり、好印象なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

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何分吹きさらしの高所なだけに、トラスの中に入るとどこか安心感が。頭上に何もない状態より、縦横に走る構造に囲まれていた方が、守られているような感じがするものですよね。

(29年5月28日撮影)

(『ゲートブリッジをお散歩…4』につづく)

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タグ : 東京ゲートブリッジ東京港臨海大橋中防水路