8月13日の上平井水門…1

(『8月13日の新砂水門』のつづき)

209051.jpg荒川を遡上して、中川水門から中川へ入りましょう。このすぐ上流にある上平井水門の、更新工事を見ておきたかったのです。

この時間帯は、中川から荒川への流れがあり、写真でも硬くさざ波立った水面が、荒川の流速で右へ押しやられているのがわかります。長声を鳴らしつつ進入、ガクガクと振動する艇に流速を感じながら、水門をくぐりました。


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出てすぐ左へ向き直ってみると、第三径間の扉体と巻上機室がすっかり取り外され、かつてと雰囲気がガラリと変わった上平井水門の姿が、前方に広がりました。

角落しで塞がれた径間に接して、ジブを高々ともたげたクレーン船、曳船などがもやい、叢雲をバックにどこか勇壮な雰囲気。近づいて観察してみましょう。

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堰柱はすっかり足場で覆われ、中の様子はうかがい知れません。径間を塞ぐものは角落しというより、細長い角棒状の鋼函のようですね。

手前、台船上に積み上げられたコンクリート塊に、「6.1t」「6.6t」などと、0.1t単位で重さを大書きしてあり、また土嚢も多く積まれているのも気になります。クレーンが作業する際のカウンターウェイトなのか、もしかしたら、鋼函の中に入れて重石にでもするのかしら、などと妄想。

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一見して、何よりショックというと大げさですが、実際残念に思ったのが、鋼製部分の汚れや褪色です。

209055.jpg扉体には泥色の湛水線が付着し、美しいマルーンに塗り上げられた梁も、水垂れ状の痕が無数に付き、全体に薄汚れた印象は否めません。

上平井水門といえば、カラーリングのセンスの良さと、大面積の扉体や梁を活かした、塗装の美しさに惹かれたものですから、これは残念を通り越して、哀れを誘いました。何分この規模ですから、工事は長きにわたるものと思いますが、この姿がずっとさらされると思うと、同情を禁じ得ませんでした。
撮影地点のMapion地図

(29年8月13日撮影)

(『8月13日の上平井水門…2』につづく)

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25年度川走り納め…3

(『25年度川走り納め…2』のつづき)

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141012.jpg荒川の里程標でいう、3kmから6km地点に至る大屈曲区間のほぼ中間点、首都高小松川線の荒川大橋をくぐります。この上下流が桁橋であることも手伝ってか、主塔を持つ橋ならではの、目線が上に持ってゆかれるような楽しさありますね。

くぐりざま裏側を見上げてみると、両側面の持ち送りがわずかに出ているほかは、極めてフラットな箱状構造。水面の波紋が、桁裏一面に光の模様を描き出していました。

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総武線のトラスでも、いいタイミングで電車が通過してくれました。この次の橋、平井大橋から上流は減速区域のため、このあたりからスロットルをしぼって、行き足を落とし始めます。

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面舵を切ってさらに減速、荒川とお別れして、長声を吹鳴しつつ中川水門へ進入。相変わらずの頼もしい面構えですが、扉体はだいぶ色あせてきたような‥‥。背後が今日のような青空だと、色の薄さが際立って、ちょっと気の毒ではありますね。

ちなみに、この時点での流れは荒川から中川へ向かっており、中川に流れ込んだところで、左(上流側)へ逆流していました。写真ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、水門の向こうの水面に、左へ押しやられる流れが波紋を作っています。

141015.jpg中川水門をくぐり左へ舵を転ずれば、ツートンの大結構、上平井水門が。2河川を高潮から守るその威容、何度見ても圧巻というほかなし。マルーンに塗り上げられた管理橋の桁(?)は変わらずキレイですが、こちらも扉体はだいぶ色あせてしまったようですね。

第3径間をくぐって、そのまま直進、綾瀬川へ。いくつか気になっていたことがあって、しばらくぶりの探訪と相成りました。
撮影地点のMapion地図

(25年12月29日撮影)

(『12月29日の綾瀬川…1』につづく)

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2月10日の中川下流部…7

(『2月10日の中川下流部…6』のつづき)

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114037.jpgこちら側からはお久しぶりの中川水門。あっ、この角度から見ると、スカイツリーとツーショットになるんですね。もっとも手前に、清掃工場の煙突がかぶさってしまいますが。

この日は朔の大潮、干潮に向かう時間帯とあって、この距離からでもわかるほど、さざ波を立てて水が流れ込んできています。中川水門名物といってよいでしょう(過去ログ『中川水門の水位差』参照)。

114038.jpgそして中川・綾瀬川の合流点といえば、マルーンにスカイブルーのツートンカラーが美しい、上平井水門。

太陽にほぼ正対し、光量過多気味ではありますが、かつしかハープ橋を背に輝く4径間の扉体を眺められて、もうゴキゲン。先週のタイトルにも掲げましたが、仰いでよし、遠くから愛でてよしの格好よさ、こちらも久しぶりに堪能させていただきました。


114039.jpg合流点から、すでに綾瀬川へ進入していますが、ご容赦ください。綾瀬川の最下流部、ハープ橋の下にある繋留施設にもやうのは、通船タイプの艇「かわかぜ」。

最近塗り替えたのでしょうか、汚れも見えずキレイな船体で、よく整備されているようです。以前は「かわかぜ」の上流側に、超小型浮きドック(過去ログ『初めての綾瀬川…1』参照)がいたっけなあ。


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ハープ橋をのぞけば、これが綾瀬川の第一橋になるのでしょう。山吹色、と呼びたくなるあたたかみのある塗装が素敵な、東四ツ木避難橋。

このあたりの橋は、水平に架かっていないものがいくつかあるので、カメラのズームで生じるゆがみとあいまって、平衡感覚がおかしくなりそうな仕上がりになってしまうのが、何ともはやではあります。
撮影地点のMapion地図

(25年2月10日撮影)

(『2月10日の綾瀬川下流部…1』につづく)

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最強可航河川・中川散歩…1

(『中川に向かう』のつづき)

30016.jpg中川水門を振り返ると、先ほど道を譲った艇が、少し増速して突っ込んでゆくところでした。

以前も触れましたが、ここは潮時によっては結構な流速があるところなので、進入にはちょっとした覚悟(私だけ?)がいる水路でもあります。

さて、今回中川を訪ねた理由は、『「関東舟運構想」で大妄想』を読み返していて、中盤ルートのメインラインとして選ばれた中川の、それも奥部を味わってみたい欲望が湧きあがってきたことと、構想の中で言及されている幻の運河、「川藤運河」の接続点付近まで、できれば行ってみたくなったこと、の二つ。

まあ、自分の書いた記事でムラムラ来るとは、我ながら世話がない話ではあります。

このあたりを母港としている艇長さんたちはよくご存じのように、中川は東京湾に接続する大河川の中でも、有数の可航域を持つ川です。

河口から「川藤運河」の推定接続点である、吉川市の新方川合流部付近までをMapionの「キョリ測」で測ってみると、約32km。荒川の秋ヶ瀬橋までの可航域延長、34.5kmにくらべると、数字の上では、一見大したことがないように思われるかもしれません。

しかし荒川は、秋ヶ瀬取水堰で水面が分断されており、それ以上の遡航ができないわけです。対して中川は、さらに上流まで可航域が伸びている上、いくつかある支派川にまで可航域が及んでいるあたり、艇で遡上する側から見ると、ぐっと魅力的です。

そして何より、放水路として徹底的な河道改修を施され、広い川幅を持つ荒川にくらべ、中川はまだ、平野を乱流していたころの面影を随所に残して(ほとんどが直線化されたとはいえ)おり、川幅も適度な狭さがあって、内陸深く分け入ってゆく充実感は、他の川の比でないことが挙げられるでしょう。

その上、綾瀬川のように極端に低い橋が一つだけあり、上流の滞在時間が制限されるとか、江戸川のように洲が多く、澪筋の把握が難しいなどの憂いがないとくれば、これはもう、最強可航河川(!)と呼んでもいいのではないか、とさえ思えてくるのです。

長くなりましたが、その奥部まで繋留船の姿が途切れない中川には、「可航河川好き」としての血をたぎらせる魅力があるわけで、潮時はあまり良くないにもかかわらず、久しぶりにのんびりとした遡上を楽しんできました。

30017.jpg中川・上平井の両水門をくぐり、2径間のトラス橋・上平井橋に近づくと、橋詰近くではクレーン船や台船がもやって、何やら工事中の模様。護岸工事かな?

台船たちのディテールもさることながら、意識を吸い寄せられたのは、手前に繋がれていた曳船の姿。あれはもしかして…。
撮影地点のMapion地図

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大好きな超小型曳船、「第十六富士」じゃないか! (過去ログ『3月23日の曳船たち』ほか参照)船底は塗り替えられていますが、この特徴あるスタイル、間違えようがありません。

元気でやっているようで何より。しかし、ガンネルがずいぶん傷んでいるなあ…。もやうときには、ちゃんとフェンダーを入れてほしいものですが、やはり仕事柄、荒っぽい使い方をされるのは、致し方のないところではあります。

30019.jpg上平井橋を過ぎ、屈曲区間に入ると、以前はあった私設の桟橋や船溜がきれいに一掃され、護岸にはテラスが完成していました。なるほど、台船やクレーン船も、この工事をしていたのですね。

しかし、船溜のなくなった水面は、がらんとしてしまって、何だか寂しいものがあります。

30020.jpg平和橋の近くでは、まだ盛んに工事をしており、ご覧のとおり浚渫船も動いていました。

そうそう、この区間は浅瀬が多いから、もうまんべんなく浚ってもらえるとありがたいんだよなあ…などと、ブツブツ言いながら通り過ぎたのですが、そんなうまい話はそうそうありますまい。おそらく、テラスの工事をしている一部の区間だけで終わるのでしょう。


(22年5月2日撮影)

(『最強可航河川・中川散歩…2』につづく)

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