7月20日の水路風景…6
(『7月20日の水路風景…5』のつづき)

●その後、閘門様を通って水位低下化水域を出て、臨海部の運河地帯を抜け、神田川・日本橋川へ。薄曇りのせいか、おなじみの物件たちもいま一つ浮かぬ表情に見えます。
聖橋も曇り空をバックに、ちょっと重苦しい雰囲気。隣接している巨大足場、だんだんなじんできて、昔からそこにあったような、違和感がなくなってきた気が‥‥。

●日本橋を過ぎ、江戸橋に近づいたあたりで、首都高の間から、独特の塔屋をいただいた懐かしい姿が見えてきました!
あっ、もう完成したのかな?

●建て替えたビルの周囲に、ファサード保存された旧三菱倉庫の外壁! まだ足場が少し残っていますから、完成はもう少し先のようですね(過去の写真は、タグ『三菱倉庫』参照)。壁面と石張り、どちらも美しくリニューアルされ新品同様で、旧倉庫の竣工当時を思わせます。
かつてテルファー(クレーン)が突き出していた部分の壁面も、窓枠などモディファイされてはいるものの、よく復元されていて違和感がありません。これからも永く、物流の拠点だった時代をしのばせてくれるでしょう。
【撮影地点のMapion地図】
(26年7月20日撮影)
(この項おわり)

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聖橋も曇り空をバックに、ちょっと重苦しい雰囲気。隣接している巨大足場、だんだんなじんできて、昔からそこにあったような、違和感がなくなってきた気が‥‥。

●日本橋を過ぎ、江戸橋に近づいたあたりで、首都高の間から、独特の塔屋をいただいた懐かしい姿が見えてきました!
あっ、もう完成したのかな?


かつてテルファー(クレーン)が突き出していた部分の壁面も、窓枠などモディファイされてはいるものの、よく復元されていて違和感がありません。これからも永く、物流の拠点だった時代をしのばせてくれるでしょう。
【撮影地点のMapion地図】
(26年7月20日撮影)
(この項おわり)

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9月9日の川景色…2
(『9月9日の川景色…1』のつづき)
●外濠通りを渡すコンクリートアーチ、鎌倉橋。日本橋川では、湊橋、錦橋と並んで、コンクリート打ちっぱなしの復興橋梁ではありますが、湊橋がかなり前にタイル張りにリニューアル、錦橋も先日触れたように、補修されて見違えるようになりましたから、独り残されたこの橋の去就が、気になるところではあります。
装飾のないシンプルな造作ながら、側面より張り出させた高欄の下端に丸みをつけ、橋詰には同じく曲線でまとめられたバルコニーを設けるなど、ディテールに昭和初期のモダニズムが感じられます。今はご覧のくたびれた外観ですが、錦橋同様「光り輝く」ときが訪れるのでしょうか。
●PWCの引き波に翻弄され、首都高の橋脚に危うくぶつかりそうになりながら、ヨロヨロと近づいて常磐橋を一枚。やはりブレてしまったか。
前回「常磐橋哀歌」で見たときに気になっていた、アーチの輪石が外れかかっていたあたりには、上からネットがかぶせられ、径間中央に「航行注意」と大書きされた看板が掲げられていました。一日も早く補修されて、渡ることができるようにしていただきたいものですね。

●そしてこれは有名な、三菱倉庫の「描き割り幕」!
「小野川の復旧工事」のコメント欄で、元まぐろ屋さんにお知らせいただきましたが、近くで見てその異様さというか、面白さを実感。賛否はありましょうが、工事中にこういう気遣い方をした例はあまりないでしょう。
●日本橋川を出た後は、小名木川に寄ってみました。さっき、閘門様の休日の表情を眺めたこともあり、扇橋閘門のそれも見てみたくなったのです。
頭から足指の先まで、ちりちり焦がされながら一直線の微速航行をしばし。お昼寝中のお扇橋閘門は、堰柱の白い肌を、陽射しでさらに白く反射させて、見るからに暑そうな風情でした。

●最後は汐見運河、京葉線の高架が上ってゆくあたりで空を見ていると、高架の向こう、まあ、夏真っ盛りを絵に描いたような、超弩級入道雲の大群落!
アップをもたついているうちに秋がようやくやってきて、季節外れの画像になってしまいましたが、月初めのこのころは、「秋は永遠に来ないんじゃないかしら?」と思わせるような猛暑でしたね。今や、この暑さも懐かしくなるような涼しさです。
(24年9月9日撮影)
(この項おわり)

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装飾のないシンプルな造作ながら、側面より張り出させた高欄の下端に丸みをつけ、橋詰には同じく曲線でまとめられたバルコニーを設けるなど、ディテールに昭和初期のモダニズムが感じられます。今はご覧のくたびれた外観ですが、錦橋同様「光り輝く」ときが訪れるのでしょうか。

前回「常磐橋哀歌」で見たときに気になっていた、アーチの輪石が外れかかっていたあたりには、上からネットがかぶせられ、径間中央に「航行注意」と大書きされた看板が掲げられていました。一日も早く補修されて、渡ることができるようにしていただきたいものですね。

●そしてこれは有名な、三菱倉庫の「描き割り幕」!
「小野川の復旧工事」のコメント欄で、元まぐろ屋さんにお知らせいただきましたが、近くで見てその異様さというか、面白さを実感。賛否はありましょうが、工事中にこういう気遣い方をした例はあまりないでしょう。

頭から足指の先まで、ちりちり焦がされながら一直線の微速航行をしばし。お昼寝中のお扇橋閘門は、堰柱の白い肌を、陽射しでさらに白く反射させて、見るからに暑そうな風情でした。

●最後は汐見運河、京葉線の高架が上ってゆくあたりで空を見ていると、高架の向こう、まあ、夏真っ盛りを絵に描いたような、超弩級入道雲の大群落!
アップをもたついているうちに秋がようやくやってきて、季節外れの画像になってしまいましたが、月初めのこのころは、「秋は永遠に来ないんじゃないかしら?」と思わせるような猛暑でしたね。今や、この暑さも懐かしくなるような涼しさです。
(24年9月9日撮影)
(この項おわり)

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小野川の復旧工事
(『ホワイトアイリス出港』のつづき)

●気になっていた川とは、佐原の市街地を流れる小野川。昨年「震災後の水郷を訪ねて…3」ほかでも触れたように、震災時の被害は大きく、噴出した土砂で河道が埋まってしまった惨状に、言葉もありませんでした。治水上も、また河川航路の途絶を考えても、一日も早い復旧が望まれたでしょうから、現状を少しでも見ておきたかったのです。
国道356号線、利根水郷ラインの北賑橋上から眺めた、小野川の下流側。おお、だいぶすっきりしている! 両岸に盛り上がっていた土砂はすっかり取り去られ、護岸や道路には工事の跡が見られますね。
【撮影地点のMapion地図】
●両岸の水際には、護岸から少し離れた位置に、しっかりと鋼矢板が打ち込まれ、足下を固めています。もやっていた船影がすっかり見られなくなっていたのは、少々寂しくもありましたが、噴出した土砂の上に座り込んでいたあの様子を思うと、致し方のないことではあります。
川の方は工事も進んで、いわば目鼻がついてきたように感じられましたが、沿岸の家屋はまだ被害の跡をそこここにとどめており、道路は波打って鉄板で仮補修されているところもあり、傷跡はなお深いようでした。
●北賑橋の上には、小野川の復旧工事を説明する看板が、何枚か掲げられていました。
左から二枚目のものに、「平成24年8月26日まで」とあり、ずいぶん早く出来上がるんだなあ、と思っていたら、その下に「河川災害復旧工事(23災河第85号その5)」とありましたから、今後も「その6」「その7」と、工事が続くのかもしれません。

●こちらは施工のイメージを断面図で描いたものと、CGによる完成予想図。鋼矢板を、護岸と間隔を開けて打ち込んでいたのは、水際に土を盛り、草の生えるスペースを設けるためだとわかりました。
「復旧河床高」とあるのは、護岸の竣工後、噴出した土砂で浅くなった河底を、本来の河床まで掘り下げるということなのでしょうか。ということは、現状ではまだ水深は浅く、遊覧舟の航行には適していないのかもしれませんね。
ともあれ、小野川が元の姿を取り戻し、舟行きが楽しめるようになることを願ってやみません。
●おまけを一枚。帰り道、江戸橋ジャンクションで渋滞したのを幸い、解体中の三菱倉庫を撮ってみました。高い目線から眺められることはめったにないので、こりゃラッキー、とニンマリ。左側の屋上、階段室の出入口でしょうか、釣鐘のような形が印象的でした。
その後もっと工事が進んで、覆いもすっかり取り去られ、中が丸見えになったときもあったようですが、この時点での記録ということで…。
【撮影地点のMapion地図】
(24年6月24日撮影)
(この項おわり)

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●気になっていた川とは、佐原の市街地を流れる小野川。昨年「震災後の水郷を訪ねて…3」ほかでも触れたように、震災時の被害は大きく、噴出した土砂で河道が埋まってしまった惨状に、言葉もありませんでした。治水上も、また河川航路の途絶を考えても、一日も早い復旧が望まれたでしょうから、現状を少しでも見ておきたかったのです。
国道356号線、利根水郷ラインの北賑橋上から眺めた、小野川の下流側。おお、だいぶすっきりしている! 両岸に盛り上がっていた土砂はすっかり取り去られ、護岸や道路には工事の跡が見られますね。
【撮影地点のMapion地図】

川の方は工事も進んで、いわば目鼻がついてきたように感じられましたが、沿岸の家屋はまだ被害の跡をそこここにとどめており、道路は波打って鉄板で仮補修されているところもあり、傷跡はなお深いようでした。

左から二枚目のものに、「平成24年8月26日まで」とあり、ずいぶん早く出来上がるんだなあ、と思っていたら、その下に「河川災害復旧工事(23災河第85号その5)」とありましたから、今後も「その6」「その7」と、工事が続くのかもしれません。

●こちらは施工のイメージを断面図で描いたものと、CGによる完成予想図。鋼矢板を、護岸と間隔を開けて打ち込んでいたのは、水際に土を盛り、草の生えるスペースを設けるためだとわかりました。
「復旧河床高」とあるのは、護岸の竣工後、噴出した土砂で浅くなった河底を、本来の河床まで掘り下げるということなのでしょうか。ということは、現状ではまだ水深は浅く、遊覧舟の航行には適していないのかもしれませんね。
ともあれ、小野川が元の姿を取り戻し、舟行きが楽しめるようになることを願ってやみません。

その後もっと工事が進んで、覆いもすっかり取り去られ、中が丸見えになったときもあったようですが、この時点での記録ということで…。
【撮影地点のMapion地図】
(24年6月24日撮影)
(この項おわり)

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三菱倉庫の解体工事
(『常磐橋哀歌』のつづき)
●さて、日本橋川関連で気になるモノがもう一つ。江戸橋南詰にある、三菱倉庫本社ビルです。「日本橋が洗われたらしい…1」でも触れたように、外壁をある程度保存しつつ、敷地内に高層ビルを新たに建てるとのこと。工事の進捗はと江戸橋に近づくと…。
あらら、早くも塔屋が消え失せている! 見慣れた場所に、あるべきものが無くなったときの違和感は、これまで何度も体験してきましたが、今回はモノがあの強烈な塔屋だっただけに、まるで空が広くなったような感じすら受けました。

●江戸橋をくぐって、右手を仰いだ瞬間、あらららら、と「ら」が二つ増えるくらいの落胆が襲ってきました。外壁を残しているのは東西の部分だけで、河畔の倉庫としてもっとも重要なディテールである、かつてクレーンの付いていたあの部分が、ごっそり解体されてしまっている!
●「日本橋の本社を高層オフィスビルに建て替え、三菱倉庫」(日経不動産マーケット情報)に掲載された完成予想図を見ても、道路側も中央部分は外壁を残さないようですから、これは既定の方針だったのでしょう。
ううん、かつての川とのつながりが髣髴できて、よいものだったのですが…。もちろん、完全になくなってしまうよりは、はるかにましではあります。
●しかし、本当に皮一枚残して、傷つけずに上手に解体していくものだ…と、改めて感心させられました。首都高から眺めたら、間近なだけにもっと凄い印象でしょうね。
ちなみに上掲の記事によると、竣工予定は26年8月とのことです。

●改修工事が始まって以来の観察対象(とはいいながら、しばらく来られなかったのが何とも)である、亀島川流頭部・日本橋水門の進捗状況も一枚。
右径間の扉体・巻上機室の取り替えが終わり、新旧2径間でしばらく落ち着いていましたが、今や左径間の工事たけなわ。グリーンの旧扉体から、保護色のようなライトグレーの新扉体に塗装も替えられるのは、先に工事の終わった亀島川水門と同様ですね。
【撮影地点のMapion地図】
(24年6月3日撮影)
(『6月3日の芝浦運河地帯…1』につづく)

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あらら、早くも塔屋が消え失せている! 見慣れた場所に、あるべきものが無くなったときの違和感は、これまで何度も体験してきましたが、今回はモノがあの強烈な塔屋だっただけに、まるで空が広くなったような感じすら受けました。

●江戸橋をくぐって、右手を仰いだ瞬間、あらららら、と「ら」が二つ増えるくらいの落胆が襲ってきました。外壁を残しているのは東西の部分だけで、河畔の倉庫としてもっとも重要なディテールである、かつてクレーンの付いていたあの部分が、ごっそり解体されてしまっている!

ううん、かつての川とのつながりが髣髴できて、よいものだったのですが…。もちろん、完全になくなってしまうよりは、はるかにましではあります。

ちなみに上掲の記事によると、竣工予定は26年8月とのことです。

●改修工事が始まって以来の観察対象(とはいいながら、しばらく来られなかったのが何とも)である、亀島川流頭部・日本橋水門の進捗状況も一枚。
右径間の扉体・巻上機室の取り替えが終わり、新旧2径間でしばらく落ち着いていましたが、今や左径間の工事たけなわ。グリーンの旧扉体から、保護色のようなライトグレーの新扉体に塗装も替えられるのは、先に工事の終わった亀島川水門と同様ですね。
【撮影地点のMapion地図】
(24年6月3日撮影)
(『6月3日の芝浦運河地帯…1』につづく)

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日本橋が洗われたらしい…1

●2月13日は、用事があってマリーナへ。用足しと艇の掃除が済んだらすぐに帰るつもりだったのですが、この時季としては暖かで、しかも好天だったこともあってムズムズしだし、やっぱり小1時間でも走ってこようと、もやいを解くことに。事実上の本年初出航です。
風は少しあったので、隅田川など広いところへ出ると、さすがに寒風が身に沁みますが、お天気とあって水辺の人出も多く、おなじみ永代橋も陽射しに輝いて、ディテールもくっきりのいい表情です。

雨の降らない日が続いたこともあって、水の透明度も高く、浮流物も少ないので、気持ちの良い川走りが楽しめます。

日本橋水門が更新工事中ということもあり、積んであるものが気になります。扉体にしては厚みもなく、一枚の幅も狭いですから、巻上機室の側壁か何かかしら。

巻上機室の載るガーダーはすでに架設を終え、すでに上屋の工事に取り掛かっているようです。やはり台船に積んであったのは、側壁だったのでしょうか。
足場に隠れてよく見えませんでしたが、扉体はすでに差し込まれたのでしょうか、それとも単なる角落とし?
【撮影地点のMapion地図】

●建て替え決定の報道がされたこともあって、カメラを向けずにはおられない三菱倉庫本社ビル(三菱倉庫/本店ビルを125億円で建替え 物流ニュースのLNEWS)。
水上からではアングルが限られてしまいますが、こちら側からでも十分鑑賞に堪えるこのディテールを、こうして仰ぎ見られるのはあとどのくらいなのでしょう。報道では、外観を保存しながら、とのただし書きがついていますので、あるいは丸の内のいくつかのビルで見られるようなやり方が、採用されるのかもしれません。
【撮影地点のMapion地図】
(23年2月13日撮影)
(『日本橋が洗われたらしい…2』につづく)

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