大川で砂船が爆発

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朝日新聞のニュースサイトを開いたら、「停泊中の運搬船が爆発、1人死亡3人けが 大阪・大川」というタイトルが目に入りました。

大川とあるなら、海の本船でなく川船…以前、淀川を水上バスで遡上したとき(『砂船づくし…1』『砂船づくし…2』参照)に見た、あの砂船の可能性が高いかも…、と思いつつ記事を開いたところ、やはり、砂船船隊の一隻だったのです。以下、記事より引用させていただきます。


停泊中の運搬船が爆発、1人死亡3人けが 大阪・大川

11日午前7時8分ごろ、大阪市北区長柄東3丁目の大川右岸に停泊していた砂利採取・運搬船「成和丸」の男性船長(72)から、「船内でプロパンガスが爆発した」と119番通報があった。大阪府警によると、船内にいた60代の男性が死亡し、別の男性や船長ら3人が重軽傷を負った。府警が爆発の原因を調べている。

 都島署と市消防局などによると、成和丸の船内にいた男性(45)が頭にけがをするなど重傷、船長も軽傷という。近くの別の船にいた男性(60)も、爆発で飛んできた破片がぶつかり腰に軽いけがをした。

 成和丸は55トンで幅約6メートル、長さ約25メートル。船首付近にある操舵(そうだ)室の屋根が吹き飛び、室内にプロパンガスのボンベ(約5キロ)があったという。船の部品とみられる大型の金属片などが爆風で数十メートル離れたマンションや保育園まで吹き飛ばされた。府警は、操舵室内でガスを使って湯を沸かそうとした際、引火して爆発したとみて原因を調べている。

 大川の一部を管理する国土交通省淀川河川事務所によると、現場の船着き場には「府淀川土砂採取協同組合」(大阪市北区)の砂利採取・運搬船約20隻が係留されている。川にたまっている土砂をポンプでくみ上げて積む作業をする船で、成和丸も同組合に所属。事故当時は作業前の準備をしていたとみられる。



まずは亡くなられた方のご冥福と、怪我をされた方々の一日も早い快癒をお祈りいたします。記事添付の地図によれば、毛馬閘門下流の西岸、まさに「水上バスで淀川遡上…3」で見た、造修施設や船溜のある場所。僚船やマンションに被害が及んだのもうなずけます。

記事の写真はサイズが小さく、はっきりとはわからないものの、肋材らしきものが見えることから、上部構造物だけでなく、船体にも大きな損傷があったようですね。

不謹慎ながら、記事中に事故船の要目や、砂船の組合名があったのは、まずこのような機会がなければ知ることもないものだけに、興味をそそられた部分ではありました。

以前も触れましたが、全国的に見ても希少な、「河川内で完結した実用舟運」である淀川の砂船。雄大な淀川を下りくるフネブネの姿に、初めて「生粋の川舟」を見た思いがして、それは嬉しかったことが思い出されます。貴重なこの小船隊の活動が、今回の事故を契機に淀川の河上から消えてしまったりしないよう、いち川舟ファンとして祈るばかりです。

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タグ : 砂船 ポンプ船 独航艀 淀川 事故

砂船づくし…2

(『砂船づくし…1』のつづき)

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今回出会った砂船の中で、唯一のエンクローズドキャブタイプ。
大事に使われているのでしょうか、船体もきれいで、甲板上もパッと見整理されているようでしたが、言い換えればあっさりしていて、見どころが少ないとも(笑)。

15052.jpgキャブ上のキャンバスオーニングも、船それぞれのスタイルに個性が出ていて、面白いです。船頭さんが、思い思いにあつらえるのでしょうね。

ちなみに、砂船たちと行き合い始めると、船員さんが私のとなりのハッチに出てきて、一隻一隻、丁寧に手を振っていました。砂船の船頭さんたちも、手を振って答えてくれます。淀川の川船乗りの間には、実に良い習慣があるのですね!

15053.jpg今回見たほとんどの船が、船頭さん一人で動かしていましたが、これは珍しく二人乗務。
一人は砂の上に立って、スコップを手にしていますね。やはり荷捌き係が、必要な場合もあるのでしょう。



15054.jpgこれはちょっとダウントリムに過ぎるようで、水上バスの引き波が来ると、完全に船首ブルワークが没してしまうほど。
本当にハラハラさせられました!





15055.jpg舵の構造が、関東の独航艀では見られない型なので珍しく、後ろから狙ってみたのですが…ううむ、うまく撮れなかった。

ステアリングチェーンと、舵軸の頭についた円弧形のティラー(本で調べたら、『クォードラント』なる名称とのこと)が、トランサムの外に露出しています。最近の船は、舷の内側に納める例が多いので、珍しく思いました。輸送が河川のみで、港湾のように耐波性を考えなくてもよいため、整備のしやすいこの型が、採られたのかもしれません。

関東の川を走る業務船―独航艀は、すべて東京湾の港湾部から乗り入れてくる船、つまり海上輸送の延長で、河川内で完結した水上輸送というのはありません。言わば純粋な川船は、すでに無くなって久しいのです。

淀川には、短距離とはいえ、今なおそれがある…。次々と現れては去ってゆく砂船たちの姿に、「純粋川船」を感じさせる船型や艤装を見ることができた幸せ、まことに、至福のひとときでありました。


(21年9月11日撮影)

(『水上バスで淀川遡上…7』につづく)

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砂船づくし…1

(『水上バスで淀川遡上…6』のつづき)

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鳥飼大橋を過ぎ、しばらく遡ったあたりで、独航艀らしいシルエットの船が一隻、下ってくるのに出会いました。大川でもチラリと見かけた、待望の砂船です。

この後、枚方大橋下流まで、頻繁に砂船たちとすれ違うことになり、お仕事ブネ好きな私としてはもう興奮の極み! 「淀川水運ここにあり」の姿を目の当たりにし、すっかり嬉しくなってしまいました。川景色はひとまずお休みさせていただき、以下、砂船たちの無骨ながら魅力的な姿を、まとめてご覧いただきたいと思います。

15047.jpg上の写真と同じ船です。
初見だけに、その喫水を深々と沈め、丸みのある船首で水を押し分けて来る姿に、沈みやしないかとちょっとハラハラさせられましたが、もちろんこれが常態なのでしょう。




15048.jpgこちらはちょっとオシャレな、青い船体。前の船同様、前後の甲板に、エントコック(キセルの雁首状の通風筒)を立てて、小舟ながら一人前といった表情。
操舵室の上、キャンバスオーニングの日除けの軒先に、船頭さんの洗濯物(?)が下がっているのも、のどかな感じです。


15049.jpg鳥飼仁和寺大橋の下流で、二隻が縦陣を組んで下ってくるのに出会いました。輸入物に押されているとの話でしたが、淀川の砂、まだまだ需要があるんだなあ…。
砂船たちのアンカーは、ストックアンカーが標準装備のようですね。




15050.jpg上の写真の、後ろの船とすれ違ったところ。
胴の間に積まれた砂の表面は、きれいに均されているようですね。ホッパーや重機のようなもので、ドサッと積んだままなら、こうはいかないでしょう。荷役をしているところも、いずれ見てみたいものです。

…と書いてから、検索してみたら、何と砂船の荷役風景を動画でアップしている方がおられたのを発見。ありがたや!

ポンプ船(砂船)」(さとうきび畑

ウ~ンなるほど、川底から自船のポンプで、直接吸い上げているわけか! あの船上に立っているL字のパイプ、給油装置か何かと思っていたのですが、胴の間に砂を流し込むためのものだったのですね。謎が氷解しました!


(21年9月11日撮影)

(『砂船づくし…2』につづく)

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