水路の立役者たち、揃い踏み!
●この趣味、機付きの木っ端ブネと可航水路さえあれば、まず申し分なく成り立つ遊びですので、極端ないい方をすれば、水路上を走る高架も、クレーンも、橋さえもなくたって、一向に構わないわけです。
可航幅を狭める高架橋脚や、上空高を制限する橋桁がなくなるだけで、大型艇の遡上範囲は一気に広がりますし、水上からの見通しもよくなって、眺望とともに航行の安全にも寄与するでしょう。

●しかし、そんな水路に、果たして飽かず惹かれ続けたかしらと考えると、答えは否でしょう。例え開鑿に至る背景や、街の発展に役立った歴史を知っていたとしても、いうなればディテールに乏しい平板な水路風景には、これほどの魅力を感じなかったと思います。
高架や橋の多さは、街が盛んに息づいているあかしであり、それらを見上げ、堪能できる街中の水路歩きは、一部の大都会でしかできない貴重な体験なのだと思っています。彼らはいわば、水路をより魅力的にしている立役者なのです。

●まあ、立役者だとしゃちこばっても、そう思っているのは私含め一部の人だけでしょうから、今回、タモリ倶楽部で取り上げていただけると知ったときは、「テレビを見ている人に、面白がってもらえるのかしら?」という不安は少しあったものの、いつも世話になっている彼らに、何か恩返しをしたような気がして、やはり嬉しかったものです。
それも竪川の高架下水路、水上派出所、旧防波堤、晴海の廃線跡、そして古賀オール岸壁と、船頭的にはまさにオールスター夢の共演で、たたみかけて紹介してくださるというのですから、やりがいもあろうというもの。
もっとも、生来のアガリ症ばかりはどうしょうもなく、緊張のあまり注意散漫になって突っ込まれる(これを書いている時点で、どこまで放映されるかはわかりませんが)など、惨憺たる有様でお見苦しい限り。もう暗渠が…いや、穴があったら入りたい気分です。

●中でも特に嬉しかったのが、「運河の給油所」第一石油販売(上の写真)の方とお話ができたとき。
日曜祭日は休業の上、ディーゼル船専門とくればまずご縁はあるまいと思っていたので、ほんの短時間ながら幸せなひとときでした。こんな貴重な体験ができたのも、番組収録ならではと感謝しています。ありがとうございました。
【ご案内】
竪川ほかの高架下水路、イグアナクレーン、古賀オールについてはそれぞれタグからどうぞ。
竪川については、過去ログ「竪川…1」「竪川…2」「竪川…3」でも全区間を紹介しています。
ちなみに、イグアナクレーンの命名者は佐藤淳一氏です。あっ、もとは中黒つきだったんですね。しまった。
⇒「イグアナ・クレーン」(Das Otterhaus)
【追記】こちらのブログで、タモリ倶楽部を丹念に記録されています。⇒チミンモラスイ!
・[タ]最低橋リンボー・クルージング@大横川
・[タ]Tokyo運河Walker創刊!?

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可航幅を狭める高架橋脚や、上空高を制限する橋桁がなくなるだけで、大型艇の遡上範囲は一気に広がりますし、水上からの見通しもよくなって、眺望とともに航行の安全にも寄与するでしょう。

●しかし、そんな水路に、果たして飽かず惹かれ続けたかしらと考えると、答えは否でしょう。例え開鑿に至る背景や、街の発展に役立った歴史を知っていたとしても、いうなればディテールに乏しい平板な水路風景には、これほどの魅力を感じなかったと思います。
高架や橋の多さは、街が盛んに息づいているあかしであり、それらを見上げ、堪能できる街中の水路歩きは、一部の大都会でしかできない貴重な体験なのだと思っています。彼らはいわば、水路をより魅力的にしている立役者なのです。

●まあ、立役者だとしゃちこばっても、そう思っているのは私含め一部の人だけでしょうから、今回、タモリ倶楽部で取り上げていただけると知ったときは、「テレビを見ている人に、面白がってもらえるのかしら?」という不安は少しあったものの、いつも世話になっている彼らに、何か恩返しをしたような気がして、やはり嬉しかったものです。
それも竪川の高架下水路、水上派出所、旧防波堤、晴海の廃線跡、そして古賀オール岸壁と、船頭的にはまさにオールスター夢の共演で、たたみかけて紹介してくださるというのですから、やりがいもあろうというもの。
もっとも、生来のアガリ症ばかりはどうしょうもなく、緊張のあまり注意散漫になって突っ込まれる(これを書いている時点で、どこまで放映されるかはわかりませんが)など、惨憺たる有様でお見苦しい限り。もう暗渠が…いや、穴があったら入りたい気分です。

●中でも特に嬉しかったのが、「運河の給油所」第一石油販売(上の写真)の方とお話ができたとき。
日曜祭日は休業の上、ディーゼル船専門とくればまずご縁はあるまいと思っていたので、ほんの短時間ながら幸せなひとときでした。こんな貴重な体験ができたのも、番組収録ならではと感謝しています。ありがとうございました。
【ご案内】
竪川ほかの高架下水路、イグアナクレーン、古賀オールについてはそれぞれタグからどうぞ。
竪川については、過去ログ「竪川…1」「竪川…2」「竪川…3」でも全区間を紹介しています。
ちなみに、イグアナクレーンの命名者は佐藤淳一氏です。あっ、もとは中黒つきだったんですね。しまった。
⇒「イグアナ・クレーン」(Das Otterhaus)
【追記】こちらのブログで、タモリ倶楽部を丹念に記録されています。⇒チミンモラスイ!
・[タ]最低橋リンボー・クルージング@大横川
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茂森橋の晴れ舞台!

●これには嬉しくなりました。愛しの最低橋・茂森橋にも、ついに晴れの舞台を踏ませてあげられるかもしれない!
イヤ、「あげられる」なんて、まるで自分のもののような言い草で、はばかられる気がしないでもないですが、今まで幾星霜、不等沈下と大潮ごとの半没に耐えつつ、ひたすら地味に生きながらえてきた茂森橋が、脚光を浴びるかもしれないというだけでも、そりゃもう我がことのように喜ばしいことだったのです。
【↓「続きを読む」をクリックしてご覧ください】
分水路打通作戦【お茶の水分水路編】…0

神田川の分水路中最強と言っても過言でない、見どころ満載の可航暗渠であるここを、あるきっかけからついに通る…いや、通らざるを得ない日がやって来てしまいました。
そのきっかけとは…、
タモリ倶楽部からのお召しであります。
●分水路航行経験者として、お声をかけていただいたのは嬉しかったのですが、すでに紹介した水道橋(2号)分水路だけでなく、お茶の水分水路を通りたい、とのスタッフからのご相談に、正直考え込んでしまいました。
珍しく、ウェブ上に詳しい情報がある水路とは言え、安全を確認していない未踏破区間、しかも、我が木っ端ブネに著名な方々をお迎えするとなれば、責任はきわめて重大です。
●まあ、我が艇があまりに小さいこともあり、撮影には船宿さんのカタマラン(双胴艇)を出すこととなって、重責からは解放されホッとしたのですが、さて安心してみると、現金なことに収まらないのは水路バカ魂。
お茶の水分水路を、自艇で通らずして放映日を迎えては水路徘徊者の名折れと、収録後日を待たず、まさに横っ飛びに強行突入してきた…というわけです。
●ええ…、そんなわけで、先に通っていたお茶の水分水路を後回しにしたのは、放映日前のネタバレが、差し障りがあると考えてのことでした。勿体をつけたようで申しわけありませんでした。(いろんなところで書かれてしまったのでもうバレバレとも)
すでにテレビでご覧のように、出演者の皆さんと一緒の船に乗り、神田川や分水路の解説をせよとのご下命です。木っ端ブネとは言え舵を握っていれば、曲がりなりにも船頭面ができるのですが、お他人様の船の上とくれば、単なるしょぼくれた小男に過ぎません。もう緊張のあまり、気の利いたことも言えず、ひたすら小さくかしこまっておりました。

●水道橋の上から頼んで撮ってもらった、水道橋下流開口部からの脱出シーン。
出演者の皆さんと、スタッフご一行を乗せた船宿のカタマランは、長さ10mはある巨大なもので、分水路の出入りにはほぼギリギリのサイズ。この船を不安なく取り回した船頭さんの腕は、実に惚れ惚れするものでした。

●同じく水道橋の上から、上流に去る撮影隊を見たところ。後ろに続いているのは随伴艇で、もう一組のカメラクルーが乗っています。
奥に見える後楽橋の上では、タモリ倶楽部船団が発見されるや、もう黒山の人だかり。その中のおじいさんから「タモリさん、がんばって~!」と声がかかると、「俺はもうがんばったから、あんたががんばれよ!」とタモリさんが返す一幕も(笑)。
●タモリさんは川の歴史や船のことも、実によくご存知で、私ごときが解説者を称してご一緒させていただくのも、おこがましく思えるほど。
道々、神田川開鑿や、曳船のスラスター、果ては八木アンテナ(帰路に気象庁の横を通ったとき、無線鉄塔からなぜか八木アンテナの話になり、お互いが自作経験のあったことに気づいた)に至るまで、コアな話題で盛り上がらせていただき、緊張しながらも楽しい時間を過ごさせていただきました。出演者はじめスタッフの皆様、お世話になり、ありがとうございました。
ちなみにこの日は、少し風はあったものの穏やかな快晴で、気温も20℃を越えるという季節はずれの暖かさでした。タモリさんのご人徳でしょう。

●さて、突入です。
緊迫の闇への入口にしては、上で見守るお父さんと子供がいかにものどか。しかし、この狭くて低いところを、あの巨大なカタマランが通ったなんて…改めて、凄い体験だったなあ。
以前は、自艇ではとても通れまい、カヤックかインフレータブルでなければ無理だろう、と思い込んでいたくらいですから。
「神田川・お茶の水分水路」によれば、総延長は1300m。続く水道橋1号分水路の、今回走破区間とあわせると、約2600mの暗闇の始まり。まあ、「打通作戦」なるお題も、少なくとも自分的には、決して大げさではなかったのです。
【撮影地点のMapion地図】
(最後の写真のみ、22年3月14日撮影)
【ご案内】
水道橋1・2号分水路については、以下の記事で紹介しています。
神田川分水路まつり…1~神田川分水路まつり…13
分水路まつり覚え書き
水道橋分水路のマンホールを探す
分水路打通作戦【水道橋1号分水路編】…1~分水路打通作戦【水道橋1号分水路編】…9
(『分水路打通作戦【お茶の水分水路編】…1』につづく)

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