夕暮れの「富士」

(『新造消防艇「おおえど」拝見』のつづき)

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4月29日のスナップを、落穂拾い的にいくつか。おなじみ豊洲貯木場跡のコンクリート柵、すでに冬の水鳥は姿を消しましたが、夏鳥といってよい面々が思い思いに羽を休めていました。

鵜の黒々とした姿が幅をきかせる中で、一羽のみ目立っていたのがアオサギ君。首を高くもたげて、風に抗し立つ姿は凛とした魅力がありました。

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これも何度か紹介した、曙運河南口にある墨田川造船の浮きドック。この角度から眺めると、床に置かれた盤木や側面中段のランボードなど、内部のディテールがよく観察できて、そそるものが。入渠したくなりますねえ!

219048.jpg砂町運河では、久しぶりに海上保安庁の複合艇と反航。手を振ると、乗り組みさんがいっせいに手を振りかえしてくれました。

たまにこのあたりの運河で複合艇を見かけるのは、なぜでしょう。墨田川造船で建造中の巡視艇から、装載艇をトライアルに出してくるのかな?(少しはぐぐれと)


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艇の清掃を終えてマリーナを出た後、ふと思い立って、船の科学館前に足を向けてみました。クレーン船「富士」の陸側から見た姿を、撮っておきたくなったのです。

夕凪も終わって風はふたたび強まり、ジブやワイヤーがビュウビュウとなる音が聞こえてくる中、暮れなずむ港内をバックにそびえる巨体を一枚。

219050.jpg風に吹かれつつ眺めるうち、甲板上や曳船のブリッジにポツポツとライトが灯り、宵の雰囲気満点です。

今回設置した桟橋ジャケットでしょうか、「13号地進客船ふ頭 ジャケットB」と横断幕が掲げられているのが見えました。
撮影地点のMapion地図


(30年4月29日撮影)

(この項おわり)

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タグ : クレーン船 東京港 春海運河 砂町運河 水辺の鳥たち

クレーン船「富士」との再会…5

(『クレーン船「富士」との再会…4』のつづき)

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最微速で北上しながら、「ぱしふぃっくびいなす」との交歓を楽しんでいたら、針路右手「オーシャンシールⅡ」についていた曳船が、爆音も高らかに飛び出してき、思わずスロットルを戻しました。船名は「佐貫丸」。

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「佐貫丸」は左に舵を切りながらぐんぐんと増速し、「ぱしふぃっくびいなす」と自艇との間に割って入る形に。後から写真を見返してこそ、十分な距離が保たれているのがわかったものの、リアルタイムでは「えっ? えっ? 大丈夫なの?」と、その思い切った行動に驚いたものです。

いやもう、いつも見慣れている豆曳船とは違った大柄なハーバー・タグが、グォーッと回り込んできたのですから、結構な迫力。「富士」の支援におもむいたのでしょうね。

219028.jpg いま一隻の「栄春」という曳船も、自艇の右手をすり抜けるようにして、「富士」に向かってゆくのが見られました。こちらは「春風海運(株)」という社名が甲板室に掲げられています。

船尾で錨鎖を巻き上げていた「富士」のアンカーが、「立ち錨」の状態になったものと推測。緊張感あふれるシーンを目の当たりにできて、ある種ラッキーではありました。

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219030.jpg先ほどと似たようなアングルでごめんなさい。状況も緊迫してきたようだしと腰を上げ、「富士」とお別れの一枚です。

南風と波に翻弄されながらも、10年ぶりの「富士」との逢瀬、堪能させていただきました。オリンピックに向けて大物の工事が相次ぐ臨海部の水路、クレーン船の出馬もたびたびありそうで、楽しみではあります。

(30年4月29日撮影)

(『「ぱしふぃっくびいなす」を追っていったら…1』につづく)

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タグ : クレーン船 曳船 東京港

クレーン船「富士」との再会…4

(『クレーン船「富士」との再会…3』のつづき)

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右舷を見せた「オーシャンシールⅡ」をいま一度。赤い灯浮標がよいアクセントになっています。色彩的に「富士」ほどの派手さはないものの、地味に質量を感じさせるその姿もまた魅力的。護衛艦一隻くらい、軽く載せられそうですよね。

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219023.jpgここで、大型客船が入港してきました。「ぱしふぃっくびいなす」(26,518t)だ! 間近に迫ってくる巨船の迫力に呑まれ、クレーン船観察は一旦お休みに。

と、爆音が聞こえたので北側を見ると、PWCのフリートが大挙して南下してきます。「ぱしふぃっくびいなす」と反航する形になるけれど、大丈夫かしら?


219024.jpgPWCはこちらから見て手前、本船からすれば左側通航ですれ違ってゆきました。複数隻で巨船の直線横断をすることを思えば、むしろ適当な判断でしょう。

PWCの人たちも、「ぱしふぃっくびいなす」の威容に目を奪われているようです。いや我々だって、動く大型客船をこんな近くで見るのは初めて。微速でしずしずと迫りくる巨体に、すっかり見入ってしまいました。

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入港風景を眺めているのでしょう、デッキのそこかしこに乗客の姿が見られ、こちらに向けてしきりに手を振っています。大きくゆっくりと手を振り返して応え、気持ちのよい交歓ができた嬉しさを噛みしめたのでした。

(30年4月29日撮影)

(『クレーン船「富士」との再会…5』につづく)

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タグ : クレーン船 曳船 東京港

クレーン船「富士」との再会…3

(『クレーン船「富士」との再会…2』のつづき)

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5月4日からのタイトルの一瞬後ですが、今回のベストショット(?)といってよい角度。ああ、来てよかった‥‥。

もっと右へ出て、岸寄りから狙いたかったけれど、通船や警戒船の通航が頻繁にあり、据え付けた桟橋ジャケットにも近づくことを考えると、このあたりで我慢しておこうと思い留まったのでした。

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219018.jpg舵を転じて北上しながら、ディテールをズームで少し。抜き文字のロゴの入ったジブ、初めて出会ったときのことを思い出させます。フックは色分けされていてカラフルですね。

船尾に目をやると、太い錨鎖を巻き上げており、泥を洗い流す海水がほとばしっています。作業はすでに終わり、出港はこの翌日でしたか、すでに準備が始まっているのですね。

219019.jpgゆっくり移動するうち、「オーシャンシールⅡ」のほぼ正面に来たので、これも一枚。曳船が右に2隻ついているところを見ると、アンカーはすべて水底を離れ、移動を始めたようです。

こちらもアンカーレセスやムアリングホールから、海水が噴き出ています。右手の曳船「KAZUSA」とくらべても、船首楼がいかに大きいかわかりますね。


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船の科学館と並んで、真後ろほぼドンピシャで。クレーン船らしさは少し薄れるものの、空に描かれた巨大な紅白の三角形が圧倒的で、また違った魅力を覚えるアングル。

こちらも左舷に曳船がついて、押しにかかっているようです。まだ錨鎖を巻き取っている途中ですから、南風で流されないよう、船位を保つためでしょう。

(30年4月29日撮影)

(『クレーン船「富士」との再会…4』につづく)

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タグ : クレーン船 東京港 曳船

クレーン船「富士」との再会…2

(『クレーン船「富士」との再会…1』のつづき)

219011.jpg「オーシャンシールⅡ」の長大な舷側が途切れたところで、「富士」との逢瀬に戻ります。ああ、10年ぶりに眺めるこの雄姿。ゲートブリッジの浜出しには及ばないにせよ、周囲を圧する質量過剰感は、まことに快いもの。

逆光気味なので、ディテールを味わうにはこの角度からだといま一つ。向かい波に突き上げられながら、右舷を望む南側へ出てみましょう。

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おお、光の加減もよくなり、だいぶシャープになってきましたね。季節柄とて、バックに抜けるような青空は望むべくもありませんが、強めの南風で靄は吹き払われているせいか、思ったよりくっきりとしています。

219013.jpgと、ここで入港船あり、間近を過ぎる船影に思わず目が奪われました。日の出埠頭から出ているレストラン船、港内ではおなじみの「シンフォニー・クラシカ」です。

さすが天下の東京港、しかも表玄関の第一航路とあって、出船入船は引きも切りません。「富士」に惹かれつつも、たびたび気を散らすことになりました。


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よ~しよし、いい塩梅になってきたぞ!
船の科学館を吊り上げんばかりの角度、よろしいじゃございませんか!

ちなみに今回の「富士」の仕事は、青海に建設中である新客船埠頭の、桟橋になるジャケットを据え付ける工事だそう。本埠頭の完成にともない、晴海の客船埠頭は廃止、オリンピック選手村として整備されるとのこと(『東京港新客船埠頭、2バース化へ 晴海の旅客船埠頭は廃止WEB CRUISE)。

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よいアングルになってきたので、船橋周りをズームでたぐって一枚。アップトリムのかかった舷側は、曳船でしじゅう押し引きされるせいかすり傷だらけですが、内舷は絶えず整備されてるのか、清潔そのものです。

甲板室後部の天端に並ぶ幾多のウィンチ、交錯する索具と構造物の上を縦横に走るラッタルやハンドレールと、マクロの中に展開するミクロ、といった感じのディテールが楽しめたのでした。
撮影地点のMapion地図

(30年4月29日撮影)

(『クレーン船「富士」との再会…3』につづく)

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