浪花濃厚水路…8

(『浪花濃厚水路…7』のつづき)

15186.jpgミナミの河畔はすき間なく広告看板で埋められて、まあその派手なこと、色の洪水といっても言い過ぎでないほどです。その中でも他を圧する存在感があるのが、戎橋南詰にそびえる、江崎グリコの巨大看板。

キャラメルでおなじみのマラソンランナーが、大阪名所をバックにトラックを駆けてくるという、ストレートな絵柄に気圧されますが、手元にあった写真集「写真で見る 大阪市100年」(大阪市・平成元年発行)を見ていたら、なんとこの看板、戦前から(もちろん、代替わりはしているでしょうが)ここにあるのですね!

15187.jpg戎橋をくぐると、水面の上を低く足場が覆い、トンネル水路の趣き。この区間は、まだリバーウォークの工事中なのでしょう。

御堂筋を渡す道頓堀橋は、大正11年竣工という、東京でもおいそれとない古い橋なのですが、足場のお陰で、裏側をチラ見しただけに終わりました。残念…。

15188.jpg道頓堀橋を抜けて、次の新戎橋までは、何とか空が拝めるものの、遊歩道があるのはわずかな区間で、ここも工事中のようです。

う~ん、ということは、堂島川の水晶橋と並んで、ゲートを内蔵していた珍橋、大黒橋も見られないのかしら…。

15189.jpg今度の足場の下は、左右の脚にチカチカ光る電飾がからめられて、船で通るお客さんを慰めようという趣向。そんな気遣いは不要なオトコが約一名、頭上低く構造物があるというだけで、興奮しておりますが(笑)。

大黒橋は、ぎりぎりまで足場が迫っており、やはり撮れませんでした…。

15190.jpg
大黒橋は見損ねましたが、一服の清涼剤だったのが、この深里橋に接して建っていたビル。
その丸みのある古風な外観、河中に張り出して建っていることもさることながら、水面近くのテラスが素晴らしい! 扉や窓のカタチからして、船のように水密構造になっているようですね。

今は閘門で守られているので、まず水没することはないのでしょうけれど、昔は増水時になると、扉や窓を堅く閉ざして、身を守ったことが想像される雰囲気。水没したときに、中から水中をのぞいてみたくなりますよね。テラスにはキャンバーがつけられていて、水はけを考えた造りになっているのも佳し。う~ん、よく認可が下りたものだなあ…。
撮影地点のMapion地図

(21年9月12日撮影)

(『浪花濃厚水路…9』につづく)

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浪花濃厚水路…7

(『浪花濃厚水路…6』のつづき)

15181.jpg
手ざわりの良さそうな、木の化粧板を張りめぐらした桁橋、太左衛門橋のあたりに来ると、両岸の風景ががぜん賑やかになり、いかにも「あきんどの都」の雰囲気満点になってきました。

かに道楽や観覧車をはじめ、看板がところ狭しとビルの壁を埋める、東京人のイメージするミナミの、ある意味ステレオタイプな風景ですが、こと水路を挟んだ繁華街となれば、他の都市ではまずお目にかかれないだけに、何とも嬉しく思えたものです。

15182.jpg水辺に表を向けた店舗群や、林立する幟を眺めながら、ゆっくりと水路を進むのは楽しいもの。

戎橋の手前には、太左衛門橋船着場があり、ちょうど一隻の船が離岸するところ。やはりお互いに手を振り合って、楽しく反航。


15183.jpg我々の乗る船も、太左衛門橋船着場に着岸、お客さんの乗り降りがあります。

切符売り場のスタッフは、水都大阪の青いユニフォームを着て、アナウンスやお客さばきに大忙し。きびきびとした働きぶりは、見ていて気持ちの良いものでした。


15184.jpg戎橋の橋詰近くには、両岸のテラスに凹みをつくり、水路幅を広げて船が行き違えるようにした部分が。舟航路としても、行き届いた設計であることが感じられます。

すでにもう一隻船が入って、こちらが来るのを待っているようですね。


15185.jpg
う~ん、カッコイイ…。
通船と独航艀を合いの子にしたような、鋼船然とした男性的(?)なスタイルに一目惚れ。時間があればぜひ、こちらにも乗ってみたかったです。

この「えちぜん」、「とんぼりリバークルーズ」(一本松海運)によると、全長11.5m、総t数4.9t、定員40名で、道頓堀を往復する30分毎の航路に就航しているとのこと。
撮影地点のMapion地図

(21年9月12日撮影)

【21年10月26日追記】とんぼりリバークルーズは、10月13日から明22年3月中旬まで、道頓堀川水辺整備事業による航路閉鎖のため、休航中とのことです。お詫びして追記いたします。

(『浪花濃厚水路…8』につづく)

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浪花濃厚水路…6

(『浪花濃厚水路…5』のつづき)

15176.jpg鋼矢板むき出しの「運河の曲がり角」には、たわたわに歪んで、あまり用を成していなさそうなカーブミラーと、「東横堀川」という河名表示が。その右(下写真)には「道頓堀川」の表示も。

ここで船長さん、「皆さん、『道頓堀川』と書いてある下あたり、鉄の棒みたいなのが何本か立っているのが見えますね?」。鉄の棒なんて…と思ったのか、ほとんどのお客さんは関心なさそうな様子。
船長さん、ここでボリュームアップして、
「実はあの棒の下で、淡水真珠の養殖をしているんです!」
まあ、驚いたのなんの! 見向きもしなかったお客さんまで、声を揃えて「エエエッ?」とビックリ声を唱和しながら、いっせいに振り返りました。しかし船長さん、お客さんのつかみ方が上手すぎる!

帰宅後、検索してみると、読売新聞の「育てる 真珠パワーで道頓堀川に輝き」という記事がヒット。水質浄化の効果を狙いながら、単に地道な作業を強いるのではなく、真珠づくりという、話題性の高いやり方を採るあたりがさすが。5年前の記事ですから、取り組みはもう長期に渡っているのですね。

15177.jpg道頓堀川の入口を眺めて、まず興味を引かれたのは、両岸に設けられたテラスの形。

ご覧のとおり、ポヨン、ポヨンとした曲線を描いて、下すぼまりに張り出しています。上端はタイルが張られているようですね。肌の感じからして、数十年前の竣工でしょうが、当時はなかなかモダンなデザインだったのではないでしょうか。河道を狭めずに、河畔のスペースを設けるという意味でも、悪くないアイディアだったと思います。

15178.jpg下大和橋をくぐり、堺筋を渡す日本橋へ。こちらは東京のそれと異なり、ごく普通の桁橋です。
子供のころ、「大阪にも日本橋があるんだよ、ただし『にほんばし』ではなく、『にっぽんばし』だ」と、先生に教わったことを思い出しました。

丸々した、古いタイプのテラスはここまで。この先からは新設の遊歩道、通称「とんぼりリバーウォーク」が始まります。

15179.jpg多段式にして、水面ギリギリまで下りることのできる巧みな設計。これは散策するだけでも楽しいでしょうね。

なんば経済新聞道頓堀川遊歩道『とんぼりリバーウォーク』、相合橋~日本橋間が完成」によると、写真の区間、相合橋から日本橋までの約150mは、今年8月22日に完成したばかりで、既設の戎橋から相合橋までの区間と合わせ、総延長は約400mとなったとのこと。

15180.jpg
両橋詰に、河畔に降りる大型の階段を備えた、相合橋の堂々たる姿。これだけの規模の構造物が追加されると、橋の表情もがらりと変わるものですね。

繁華街を貫く水路と言えば、東京ではかつての外濠…昭和20年代に埋め立てられてしまった、数寄屋橋のあたりが思い出されます。慌ただしかった数十年をこらえて現存していれば、この道頓堀のように、ふたたび脚光を浴びる展開も、ありえたかもしれない…。などと、詮のない妄想が脳裏に広がりました。
撮影地点のMapion地図

(21年9月12日撮影)

(『浪花濃厚水路…7』につづく)

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