fc2ブログ

新塗装の茂森橋をくぐって

(『3月14日の大横川…3』のつづき)

262026.jpg
さらに接近。先ほどすり抜け可を確認したとはいえ、少し高い目線で見るとご覧のとおり、いつもながらゾクゾクする低さ。しかし、桁がきれいになっただけに、周りが傷んだままというのがなおさら惜しく思えますね。特に正面から見ると高欄、左端2本の錆べったりが目につきます。

ものいいはさておき、茂森橋をくぐるのは、昨年6月7日以来。もっとご無沙汰しているような感覚がありましたが、ほんの9か月余りだったのですね。

262027.jpg
眼前に迫ってくる桁側面を眺めながら、さあ突入です。遠くからでは、もっと濃い印象があった塗色のグレー、目の前にすると光の加減でしょうか、少し薄めに見えて軍艦色レベルに。照りのある表面、改めてしみじみとさせられます。

桁下とフロント上端の間隔は、10㎝あるかなきかくらい。本当はいったん停止して、桁をナデナデしたかったのですが、抜ける風と流速が予想以上に厳しく、行き足を緩めるのははばかられました。

262028.jpg
体をぐっと後ろにそらし、リベットの列が額をかすめるのを感じながら進入。

いや~、でサビサビのガサガサだった桁下端が、こんなにツヤツヤピカピカに! もう何度か水に浸かったのでしょうが、水垢の痕もなく本当にきれい。よかったねえ茂森橋‥‥。

262029.jpg
当たり前ではありますが、腐食でヒケた部分はそのまま下地処理して塗り重ねてあるため、ピカピカではあるものの、重ねてきた星霜は隠せないのがまた佳し。

何しろ照りがあるので、自艇の甲板に反射した陽光を映しキラキラしていて、この低さにもかかわらず、以前よりも明るくなりましたよね。

262030.jpg
風に煽られてふらつきながら、塗装後初すり抜けをつつがなく終え振り返って。橋上右手、自転車に乗ったお兄さんが、びっくりしたようにこちらを見つめていますね。

暗い色は、陰になったとき沈みがちになってしまうかしら、と思っていたら、こうしてみると白抜きになった橋名がくっきりと浮かび上がって、また別の効果を発見した気分に。改めて、茂森橋をことほぐ気持ちがわき上がってきました。おめでとう、茂森橋! その抜きん出た低さと風格のある姿が、永く永く、この水路に在りますように。
撮影地点のMapion地図

(令和3年3月14日撮影)

(『3月14日の水路風景』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 茂森橋大横川江東内部河川橋の裏側

3月14日の大横川…3

(『3月14日の弁天橋』のつづき)

262021.jpg大横川に戻り、例のイイ感じの屈曲区間へ。流速でかすかにさざ波立つ水面には、点々とピンクの花びらが浮かび、舷側をかすめてついついと流れ去ります。

屈曲を曲がり切ったところにある沢海橋からして、すでにえらい低さ。幾度となく通り、この前後での低い橋たちに鍛えられたはずでも、「茂森橋、くぐれるのかな?」と不安がきざすのは、すり抜けの本場江東ならではの迫力といったところでしょうか。

262022.jpg
爆音と水音の反響を桁裏から耳にしつつ、お次の大横橋も無事通過。こちらはまだ、フロント上端から前方がのぞける程度ですから、余裕があるといえばそうですが、ここで別の難しさも出てきたのでした。

262023.jpg

262024.jpgそれは大横橋の手前、木場公園を西側正横に見るエリアに入ってからのこと。突風が断続的に吹き付けるようになり、保針が難しくなってきたのです。

大横橋を振り返った上の写真、右(西側)へ航跡がふらついていますが、北西の風が反射して渦巻いたのか、反対の東寄りから襲ってきて、ヒヤリとするほど護岸に吹き寄せられてしまいました。まさか、この狭水路でリーウェイもあるまいと高をくくっていたので、天罰てきめんといったところ。

木場公園は高い建物がない広大な平地のため、風が抜けやすかったのでしょうね。右は大横橋付近で見た魚探の感、およそ2mで、河底はほぼ平坦です。


262025.jpg
さあ、いよいよ新塗装の茂森橋が近づいてまいりました!

フロントグラス上端から、片目をつぶって桁下を照準するように透かし見て、「う~ん、何とかイケそう!」とこのまま前進することを決心。桁の上半分に水管橋の影がかかってしまいましたが、やはり新塗装、この視点から見ても雰囲気が違います。リニューアル成った姿、すり抜けながら堪能するとしましょう。
撮影地点のMapion地図

(令和3年3月14日撮影)

(『新塗装の茂森橋をくぐって』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 大横川江東内部河川茂森橋

茂森橋の新塗装!

261060_1.jpg3月7日日曜日は出港せず、昨年11月15日同様、オーニングを繕っておりました。雨こそ降らなかったものの、終日曇り空でいま一つ出かける気分になれなかったというのもあります。

この日は日中の潮位も高く、塗り替えが終わっているであろう茂森橋を、艇で訪ねられないのも出なかった理由の一つ。しかし愛しの茂森橋のこととて、辛抱たまらず作業終了後、陸路訪ねてみることにしたのでした。
(『茂森橋、ついに改修工事始まる!』参照)

木場に着くと、河畔の河津桜が満開を迎えており、まあ見事なこと。肌寒い曇天にもかかわらず、たくさんの人がカメラを向けたりして、お花見を楽しんでしました。

261060_2.jpg
息せき切って南側から茂森橋に近づき、テラスの柵から身を乗り出してみると‥‥おお!

青みがかったような、少し濃いめのグレー! 渋くていい色じゃないですか! よく似合っていますね!
橋名の書体も、従来の丸ゴシックというか、写研でいうとナールぽいあの書体に似せていて、ときどき塗り替え後の橋で見られるような、PC書体そのままといったチープ感がないのも好印象でした。

お恥ずかしいことですが告白しておくと、カメラのモニターを見る目がぼやけてきて、困ってしまいました。
思い入れの深い橋ということが一番の理由ですが、強度上は問題がないにせよ、色褪せ、汚れ、錆が各所に浮いた痛々しいさまを、この十数年くぐりつつ目の当たりにしてきたせいでしょう。「よかったねえ、よかったねえ‥‥」と、脳内でつぶやきながらシャッターを押したものです。

261060_3.jpg
橋名部分をアップで。書体を従来のものに寄せてくれたことで、塗色は変わっても以前の雰囲気が保たれたのは、とてもよかったのですが‥‥。改めて眺めてみて、気になったのは下に振られたローマ字のルビ(?)。

しげ‥‥もり‥‥ブリッジ!
最後だけ英語なあたり、微妙な味わいでクスリ、とくるものが。まるで、特撮の変身ヒーローがポーズをとって口にする、決めゼリフのようですね。

261060_4.jpg以前の繰り返しで恐縮ですが、面目を一新したのは鋼桁部分だけで、親柱や高欄は手が入らず、痛々しい姿のまま。

御同輩の震災復興橋でも、すぐ北にある大栄橋などは、鋼製部分の塗り替えだけでなく、親柱・高欄も更新されています。道路としては茂森橋の方が格上なのに‥‥と、ファンとしては納得いきませんでしたが、上下流側とも隣接して水管橋が架設されているせいとか、何か理由があるのでしょうね。

261060_5.jpg
仙台堀川を対岸に渡り、大栄橋から北側を望んで。鋼桁が美しく塗り上げられただけに、表面が剥離したラーメン橋台の痛ましさが、以前にもまして目立ちますね。

ともあれ、愛しい茂森橋が、震災復興橋の中でも希少になった鋼桁橋+ラーメン橋台橋が、鋼桁だけでも再塗装され、これからも長きに渡りつとめを果たしてゆくことは、いちファンとしても喜ばしいことこの上ありません。今回の整備事業に携わった皆様に、心から御礼申し上げたいです。

自艇でくぐる機会が、今回訪ねたことでますます待ち遠しくなりました。塗りたての桁裏が見せる光景や感触など、大いに堪能してみたいものですね。

(令和3年3月7日撮影)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 茂森橋大横川江東内部河川

9月21日の水路風景…4

(『9月21日の水路風景…3』のつづき)

255061.jpg大島川水門をくぐったところで、右手、越中島連絡橋の橋詰近くに、機付き和船タイプの艇が。ここに艇がもやっているのは珍しいですね。護岸にハシゴが備えてある場所なので、ちょっと繋いでおくにはよさげではあります。

近くにある船宿さんの持ち舟でしょうか。船首に書かれた船名は、かすれて消えかかっており判読できず。


255062.jpg大横川に入ったのは、8月7日に陸路訪ねた、鋼桁の塗装工事をしている茂森橋を、河上からも見ておきたくなったからです。

潮位がだいぶ下がった時間帯とはいえ、道々の橋の桁下高から考えて、大横川をそのまま進むのは避け、平久川・仙台堀川経由で丁字流を目指します。


255063.jpg
まあ、陸路からとはいえ一度目にしたものですから、新鮮味はありませんが他ならぬ茂森橋、しかも希少な鋼桁塗装中のシーンとなれば、ちゃんと水上目線で記録しておきたいもの。

暗く写ってしまったので鋼桁の養生が目立たず、高欄の横断幕の他は、パッと見いつもとあんまり変わらない感じが‥‥。

255064.jpg
せっかく訪ねたので、養生された鋼桁にギリギリまで接近してみました。パネルや鋼管にくっきりと泥色の湛水線が見られ、現場として非常に厳しい環境であることが、改めてうかがい知れる角度。どうやって作業をされているのか、ご苦労話を聞いてみたくなります。

255065.jpg
ゴースターンで茂森橋から離れ、無事故の作業終了を祈りつつ転回して離脱。北側に架かる大栄橋の端正な姿を愛でながら、元来た道を戻ることにしました。
撮影地点のMapion地図

(令和2年9月21日撮影)

(『9月21日のトリさんと‥‥』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 大横川平久川茂森橋江東内部河川

茂森橋、ついに改修工事始まる!

252126.jpg褪色し、錆び、ひび割れてゆく痛ましい姿をくぐるたびに目にして、いつ補修の手が入るのかと、心待ちにしていた愛しの茂森橋。

過去にも何度か、そんな心配をつぶやいてきましたが、先日8月5日、おなじみZEN船長のツイートを拝見してびっくり!茂森橋の鋼桁径間に、河道をふさいで足場がかかっているじゃありませんか!

いよいよこの日が来たかと嬉しくなりましたが、他ならぬ茂森橋とくれば、この目で確かめてみたくなるのが人情。出がけのわずかな時間を見つけ、さっそく寄り道してきました。
「続きを読む」をクリックしてご覧ください

続きを読む »

タグ : 大横川江東内部河川茂森橋